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ちょっと思い出しただけ 一生に一度忘れられない恋ができれば良い

最近、映画館で映画を観ることが少なくなってきている。サブスクの襲来によるものか。このご時世柄、というのも大きい。

月に一度のペースだったのだが、前回映画館に足を運んだのが、昨年ゴールデンウィークに上映していたミッドナイトスワン。半年以上も前である!

今日はたまたま仕事が休み。しかも、レディースデー!
この作品を、今日観ないと後悔する。私にはその未来が見えていた!

※ここからはネタバレ含みます。

ダンサーの照生と、タクシードライバーの葉の恋愛ストーリー。
時系列が、現在から過去に遡っていくのが特徴だ。
まさに、記憶を辿っていく。
時系列のおかげで、観ている側もちょっとずつ思い出すような感覚を味わえる。

コロナ禍の現在から、別れた直後。別れた日。幸せの絶頂。結ばれた日。出会った日。

じわじわと、思い出していく。
そのおかげで、照生がなぜダンサーをやめたのか、2人がなぜ出会ったのか、永瀬正敏が何者なのか。(上映中ずっと気になっていた)ちょっとずつ、わかってくる。

照生も、葉も、お互いの存在を忘れたことなんてなかったんじゃないかな。
生活スタイルや人付き合いの変化はあるが、印象的な恋というものは、どうしたって記憶にはこびりつきます。これ、体験談です。

思い出す、というのは、事実を脳内で繰り広げることではなく、そのときの情景、感情、温もりを蘇らせることである。
これも体験談。

一緒に見た夕陽とか、一緒に食べたご飯や、手を繋いだ感触。
夕陽を見た事実は忘れてはいない。ただ、どれだけ美しい風景だったか、見たときの感動は、忘れてしまうのかも。
ただ、何かきっかけがあれば、その感動を思い出すことも容易い。忘れたくない恋であれば。

結婚して、子どもを産んで、幸せな家庭を築きたい。
しかし、一生に一度、忘れられない、忘れたくない恋ができればそれで良い。

最後に、葉がケーキを買っていたことも、きっと、そういうことだ。
執念深いだろうか。いや、自己満だとしても、そうやって、自分の中に記憶を刻み込むのだ。
私は、葉が好きだ。サバサバしているようで、ちょっと不器用で、だいぶ乙女だよね。

以下は、好きな人との会話である。
何年かぶりの再会。
ここに行ったよね、これ食べたよね。そんな話をしていた。
『今思い出したの?』私は聞いた。
『いや、覚えてた』と、彼は答えた。

いやいや、そのセリフさらっと言えるの何なん?
私はこのセリフを忘れることはないよ。
ただ、言われて嬉しくて、内心はしゃいだ、当時の感情は薄れていくのかな。
忘れたくないから、いつでも思い出せるところにしまっておきます。

良い映画でした。
ニューヨーク屋敷さんがなかなか良い味出してた。

クリープハイプ聴いて、帰ります。
取り急ぎ、喫茶店から失礼致しました。

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