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2022年2月の記事一覧

詩 踊れや笑えや

詩 踊れや笑えや

さあさあ唄へ
やれ踊れ
共に笑ひゑらごうではないか
着物の合わせを緩める位では
物足りない
乳繰り合うてやれ踊れ
花街遊びは騙し合い
歌舞伎者とはしごく上等

男と女の戯れは
八百万への捧げ物 

男と女
互いの嘘を知りたくば
男が女に女が男
さあさあ入れ替わってやれ踊れ

アメノウズメよ
出雲阿国の踊りは楽しかろう
手を叩いて
喜んでおられるか

天下の事など降っては消える淡雪のごとく
いつの世

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掌編 その涙我が胸に落とさば

掌編 その涙我が胸に落とさば

姉様が治める以外には無いのです。母上からの譲位、断る事などできますまい。
姉様が大神様におなりあそばすのです。
ご心配あそばすな。姉様をお守りするがごとく我が夫、長屋が控えております。

さしずめ夫は月読命、それで良いのです。

梅は見頃を迎えていた。
静かな夕刻に、白く小さな花が匂い立つ。
臥す事の多くなった氷高ではあったが、寝所から春の夕焼けを眺めた。
藤原四兄弟の罠にはまり、吉備と長屋が謀叛

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