春のおすそ分け。
「はっくシューん!」
「ハックショーいいい!」
屋外にいても響き渡る、この爆音。
いったい何事か、、?
他でもない、隣にいる私の夫のしわざ。
「大丈夫?」
「ハックショー!」
くしゃみで返事をされる始末。
どうやら大丈夫ではないらしい。
・
夫より春のお知らせを受け取ってから数日後。
小さな空き地を挟んだお隣さん家(大きな一戸建)に、ふっくらとしたヒヨドリがやってきた。
春のお知らせ!
ヒヨドリさんのお目当ては、お隣さんの梅の木。
咲いたばかりの梅を突いてみたり、木の上で飛び跳ねてみたり、なんともゆかい愉快。
その様子が、我が家のダイニングからちらっとお目にかかれる。決して覗いていない。
お上品にちらっと梅の花がこちらを向いてお顔を出しているのだ。ちょうど良い高さの目隠しがあって、人とは目が合わない仕様になっている。だからお庭をジロジロってわけではなく、私のダイニングの定位置からちょうどヒヨドリさんと目が合うのだ、、!
(必死)
ヒヨドリさんは、ちょっとすると、飽きたのか何処かへ行ってしまう。
ぱたぱたパタ
ダイニングの窓から、もうひとつの目線を感じる。
ミカンの木だ。
昨年末ごろからだろうか。
実はもうすっかり食べ頃なのに、ずっとそのまま。
雨の日も雪の日も寒さに耐えて、とっても立派だった。
あれ? いつものミカンが、、何か違う。
何者かによって突かれたような、齧られたような、形跡がある。
とんとんトン♪
またやってきた。
ヒヨドリさんだ。
ミカンの木にすっと降り立つ。
どれにしようかなと迷いながら、飛んだり跳ねたり。
結局ひとつに決められなくて、あっちやらこっちやら。
春が嬉しくて、じっとしてられないのかな。
暖かくなるとその気持ちもわかるなあ。
・
春って、なんだか陽気になれちゃう。
そんな季節。
花より団子。
団子より花。
夫は団子より鼻である。
「チックショー!」←くしゃみ音
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