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失恋黒歴史 中3編その3

「モヤモヤ期」

Yさんは、2つの事を話そう、相談しようと、私を呼び止めたんです。
1つ目は、別れ話。

Yさんには1つ年上の、その当時高1の彼氏がいました。

奇しくも私の前部長です。

その彼氏と別れたいけど、先輩は全然応じてくれない、どうすればいい?

という相談です。

結局年の差カップルの場合、同じ学校にいる間はいいけど、片方が進学して別々の学校になると、会える機会も激減しますよね。

Yさんもそのパターンで、会えないのにカップルでいる理由はない。

だからもう別れたいのに、別れ話に応じてくれない。

恋愛経験が不足していて、やっと彼女が出来たのにどう付き合えばいいか四苦八苦している自分には、こんな難しい話、的確なアドバイスなんて出来るわけがありません(^_^;)

ですが、結局私が一度先輩に連絡とってみて、Yさんの固い決意を伝えるということになりました。

このYさんは、同学年で一番、男子からの人気が高かった女子です。
頭はいいし、可愛いし、明るいしで、モテないはずがない!💛

でも1つ年上の彼氏がいるということで、みんな玉砕してきました。

…私もその1人でした(笑)

ですが、2つ目の相談は、驚愕する話でした。

「アタシ、1/3失恋したんだよ」

私は事態が呑み込めず、二の句を告げられずにいたんですが、続けてYさんが言うには、

「アタシ、先輩のことはもう好きじゃないの。やっぱり付き合うなら同学年の男の子がいいなと思って。それで、アタシが好きになれるのは誰だろうと考えたら、3人の男の子が頭に浮かんだのね。失礼かもしれないけど、ミエハル君はその3人の中の1人だったの。でもミエハル君、Oさんと付き合い始めたでしょ?だから、1/3失恋した…ってことなの」

私はビックリ!Σ(゚◇゚;)
学年一番のモテモテ女の子が、33.3%とはいえ、彼氏候補に私を考えてくれていたなんて!

とりあえず私は
「ありがとう」
と言いました。
ただ残る2人が誰か?は聞けませんでしたが(^_^;)

ま、Yさんのセリフも、今考えれば若干上から目線的な感じもしますけどね(;^ω^)

結局その日はYさんと1時間くらい話して、さすがに夏とはいえ真っ暗になってきたので帰ることにしましたが、翌日コンクールの結果発表を聞くために、夕方中学校の音楽室に集まった時は、Yさんは全くいつもと変わらぬように振る舞っていました。

さてそのコンクールの結果ですが、初めてA部門に挑戦したにしては、健闘したと思うシルバー銀賞でした。

その結果を受け、3年生は意外とサバサバしていたんですが、2年生で、特に私が次の世代を引っ張っていってほしいと思ってる後輩達が、悔しいですと言ってくれたので、来年に期待しつつ、その日を最後にしばらく部活はお休みになりました。

私としては、Oさんとギクシャクしているので、しばらく会えないのなら、ちょっとでも会話をしておきたいところでしたが、先生が解散と言ったら、とっとと帰ってしまいました。

私は最後、音楽室の鍵を閉めながら茫然・・・

(どうすりゃいいんだ?)

こんな時、姉か妹でもいれば、女心を教えてもらえるんでしょうが、私は一人っ子なので、身近にいる女性は「母親」だけ(^^;)
まだ母には、彼女が出来た等とは恥ずかしくて言えてませんので、私は一人で悩み続ける羽目に陥りました。

本当はこの夏、部活が休みの日に初デートとかしたかったなぁ。海かプールに一緒に行きたかったなぁ。

せっかく彼女が夏休み前に出来たというのに、夏らしいカップルの過ごし方を全然出来なくて、その日は落胆して帰宅しました。

ですが

その日の夜、私が風呂に入っている時に、なんとOさんから我が家に電話があったんです。
電話に出たのは母でして、私が風呂から上がったら
「Oさんという女の子から電話があったよ。掛け直してあげなさい」
と言われました。

ビックリしましたが、今のようにスマホで気軽にメッセしたり電話したり出来る時代ではありません。
電話は一家に一台、黒いダイヤル式固定電話。
例え彼女といえども、女の子の家に電話するためには、凄い高いハードルがありました。

まずシミュレーションします。
お父様が出たらどうしよう、お母様が出たらどうしよう、本人が出てくれれば一番だけど等と、色々なパターンを練ります。
その次は、私が電話を掛けるタイミングです。
当然家族には聞かれたくありませんから、親が電話から遠い場所にしばらくいる時を狙います。先に寝るか、風呂に入るか・・・
この日、父親は交代制勤務で夜に出勤していたので、母の存在だけが気になります。

「お母さん、風呂に入れば?」

何度このセリフを発したでしょう(笑)

そして30分後、ようやく母親が風呂に入り、電話を掛けるタイミングを掴めたのですが、今度は私がなかなか電話のダイヤルを回す勇気が出ません(;´・ω・)
小林明子さんのヒット曲に「恋に落ちて」というのがありますが、その中の歌詞にある

「ダイヤル 回して 手を止めた」

を、何度となく繰り返していました(苦笑)

そんなことしてる内に、母が風呂から上がってしまいます💦

勇気を振り絞って、Oさんの家の電話番号を最後まで回し切りました。
心臓が物凄い状態になっていました。
4回ほどベルが鳴った後、ガチャッと受話器を取られました。
(誰だろう…)と思いながら必死に私は
「こんばんは。私、3年1組の○○(←本名)と申しますが、◎◎さん(←本名)はいらっしゃいますでしょうか?」
と言いました。心臓が口から飛び出る思いでした。
すると女性の声で、
「あ、○○君ね。今、◎◎に代わるから、ちょっと待ってね」
と言われたので、これはきっとお母様だったのでしょう。

数秒待った後、Oさんが出てくれました!
「もしもし、ミエハル君?」
「うん、Oさん?」

と、お互いを確認しあった所までは覚えているんですが、舞い上がっちゃって、その後の電話の内容は覚えてないんですよ(;´∀`)

多分、コンクールの話とか、宿題の話とかした筈なんですが、後悔してるのは、残りの夏休みにデートしない?と言えなかったこと。これだけはハッキリと後悔してるので、覚えています(-_-;)

でも電話の最後にはお互い照れながら、バイバイとかお休みとか言ったので、何とか関係は少し修復できたかな?と思いました。

そしていよいよ2学期に入る訳ですが、少しずつ関係性が変わってきます。

(次回に続きます)



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