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置かれた場所で枯れる前に、咲ける場所を探して手を伸ばせ

私には、人より苦手なことが多い。


満員電車が苦手

もうめちゃくちゃ苦手。
苦手っていうか、毎朝の身体のコンディションを満員電車に耐えられる状態にもっていくことができない。だいたい週に2回は途中で血の気がひいてしまう。それを予想して、「あ、今日はだめな日だ」って思うと、もう家を出る時点で足に力が入らなくなったりもする。

中学生のとき、腕が細くて普通の血圧計が使えなかった私が、病院の先生にチューブを巻いてもらって初めて測った血圧は、60しかなかった。上が。
病院の先生には「よく生きてますね」って言われた。

正直いまいちその数値にぴんときていなかった私が、ことの重大さを飲み込んだのは、祖父が亡くなる少し前。
病院からかかってきた電話は、「血圧が60を切ったのですぐにきてください!」だった。

あ、常時危篤状態の血圧してるんだ私。どうりで朝起きれないと思った。

高校生になってから、うつ病をはじめいろんな精神疾患を経験したから、パニック障害の症状も少しはあると思う。でも私は根本的に、朝が苦手だ。

怒っている人が苦手

私の父方の家系は、何故かみんなアルコール依存症だった。

アルコール依存症って遺伝するの?
いやしないよな、たぶん、幼い時からそれが普通だと思って育ったから、後天的に生活の中に組み込まれてしまうんだ。アル中のリズムが。(アル中のリズムって何だよ、傍迷惑なリズムだな)

父は外で飲んで暴れて帰ってくるタイプだったから実害は薄かったけど、あろうことか祖父は家で酒を飲んで暴れるタイプのアル中だった。
私も幼いころに、祖父が酔って暴れているところに遭遇したことがある。皿は割れるわビール瓶は飛ぶわ、祖母の泣き叫ぶ声は聞こえるわ、まあ悲惨な現場だった。
祖父が亡くなった時には悲しいなんて微塵も思わず、むしろちょっとすっきりした。ちなみに血圧が60を切ったからすぐ来てくださいと言われたときに死んだ祖父はこいつである。

そんなわけで、私は人の怒気や叫び声がめっぽう苦手になった。ちなみに居酒屋も苦手。

苦手を自覚して、私がやったこと

大学生くらいまでは、そもそも自分がこれを苦手だという自覚すらなくて、満員電車に乗らなきゃいけない場所の大学を受験して無事に退学した。

しばらく働けなくて、入院して、(詳しくはこちら
自覚してからまず絶望した。

満員電車ムリ、怒ってる人ニガテ、なんならきつい香水の匂いとか長時間立ってることとかもダメって、どの職業ならいいんだ?

接客は向いてた。人の求める姿を演じるのは得意だったから。
でも、それを毎日続けていると、3ヶ月で立てなくなった。

次に試したのはコールセンター。これなら座っていられるし、自分がスキルをつければ怒られるのも割と回避できる。
でも無駄に正義感の強い私は「うそをつくこと」という新しいニガテを見つけた。半年は保った。

「転職を繰り返すこと」も苦手だと悟った。
もう次で終わりにしよう、次は長く、最低でも3年は働ける職場を探そう。
そう決意したのは、コロナ渦に入ってから。

そう、リモート可能な職場を必死に探したのである。

そして、今

実は最近、ちょっと具合が悪かった。
薬の処方を少しいじったから、今まで効いていた薬を減らしてしまったみたい。
仕事が終わったらすぐに寝る、家事も全部あとまわし、という期間に入って3日くらいになる。

こういう時、今の職場は心底ありがたいなあと思う。
特に用事がない日は出社しなくていいから、2日連続リモートに都合をつければ最悪お風呂さえ回避できるのである。

しかも超クリーンなビジネスをしているところで、うそもつかなくていい。「超ぎりぎりほんとうだけど、たぶんお客さんからしたらうそ」もつかなくていい。(これ、今まで経験してきた職場ではもれなくあった。たぶん多いと思ってる)
家にいるときはもちろん、出社しても職場の人は穏やかだし、私のデスクにはキットカットの袋を常備してあって、ことあるごとに同僚に配っているからますます怖くなくなっていく。

おとぎ話みたいな職場。でも実在する。
あのとき「どの職場でもダメな気がする」と思って、諦めなくてよかった。


よく「置かれた場所で咲きなさい」っていうけど、
危うく枯れる寸前だった、ていうかもう9割7分くらい枯れてた私はこの言葉に懐疑的である。

私がコロナ渦に乗じて必死に就活したように、ことあるごとにキットカットを振る舞って居心地のよい職場づくりに努めているように、
環境はがんばれば、自分で変えられるのである。
われわれは人間だ。歩くための足がある。

自分にとっての「咲ける場所」を考えるのは、すごく大変。正解がないから。誰かの真似をしても、それが自分にも適用できるとは限らないし。
でも、考えれば間違いなく、未来は切り拓ける。


すごく苦しかったから、
私はいまだにうつ病の人とかに「生きろ」とか「生きてたら幸せだと思える」とか言えない。

だから言葉を尽くして、伝える。
幸せだと思える未来は、自分で掴み取るんだ。
つらい、苦しい。わかる。私も死ぬほど、文字通り死ぬほど苦しかった。
10年以上、死ぬほど苦しかった。

だから、
これ以上苦しまなくていいように、考えてほしい。
あなたの正解は、あなたにしかわからない。


『書く習慣』内で紹介されている、1ヶ月書くチャレンジに挑戦しています。
今日はDay25 ♯今日1日にあった感謝したいこと について書きました。

Day16まではInstagramのハイライトから見れるので、お時間あるときに読んでもらえると、とても嬉しいです。

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