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ことばじゃなくて、してくれたことで、見るべきだった

「ぼくはあのころ、なんにもわかっていなかった! ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった」

星の王子様の中に、こんな1文がある。いつも強いバラのことばを真に受けて、みじめなきもちになったけれど、バラの花がしてくれた、周りをいい香りで包むとか、バラがいるだけで周りが明るくなるとか、そういった部分に目を向けるべきだった、と王子様は話す。

ことばを文字通りとるだけでは、わからないことが沢山ある。笑顔で「きらい!」と言いながら抱きついたりするのは完全にもう「好きの照れ隠し」だし、「全然大丈夫」といってポロポロ泣くのは全然大丈夫なんかじゃない。

その時の、その瞬間のことばというのは、行動における飾りみたいなものなのかもしれないな、と思う。相手の行動や、表情を見ないと、その人が本当は何を考えているのか読み取るのは難しい。

本来であれば行動で示しきれなかった、または足りなかった部分を具体化して、より伝わりやすくするのがことばなのだろう。しかし上記のように、反射的に気持ちとは裏腹なことを言ってしまうこともある。

「君は特別な存在だよ」をことば通り真に受けても、以降連絡がこなければ別に特別でもなんでもない。だって、「(いまこの瞬間にのみおいては)特別だよ」という意味かもしれないのだ。

その人の言ったことだけ真に受けてしまうと、言葉に現れていない、大事な条件みたいなところが抜け落ちてしまう。「あのとき(ずっと)特別な存在って言ってたのに!」ということになりかねない。

本音と違うことを思わず言ってしまうことはよくある。多分、相手を思えば思うほど、増えてくると思う。なのでことばをそのまま真に受けるのは、ちょっと危険だ。じゃぁ、相手の考えていることはどこで見ればいいの? となったとき。やっぱりそれは、「してくれたこと」を見るのが一番なんだろうな。

余談ですが、よく、「いつも笑ってるから、本気なのか冗談なのかわからない」と言われます。


テーマ#真に受ける


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