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子どものこと

産休前の同僚とランチに行ったとき、「ずっと一緒だった子どもがお腹から出てくることにちょっと寂しさがある」と話していた。

バスケットボールよりも大きいお腹を毎日かかえ、腰が痛くなったり、仰向けで寝れなくなったりしながら、それでも出てきてしまうことに寂しさがあるのかと、予想もしていなかった言葉に驚いた。

「産むなら大きくなりすぎないうちにと思うけど、産んだら子どもと離れちゃうんだなぁって思うと少し寂しい。まぁ、しばらくは常に一緒にいるんですけどね」と、同僚は続けた。

約10か月の間に同僚は、お腹の子どもに愛情が芽生え、すくすくと"母"の心ができあがっていったのだろうなと思う。

最近、2015年に放送されたドラマ『コウノドリ』を見た。出産時の出来事がリアルに描かれ、感動的な話もあれば、「これも現実なんだ……」と考え込んでしまうものもある。ドラマの中でも言っているとおり、出産は本当に「奇跡」なのだと感じる。

数あるエピソードの中でも特に、「望まれずに生まれてしまった子」について、いつまでも頭の中に残った。産みたくなかったのに、そうせざるを得なかった、もう状況が遅かった、など、それぞれ事情がある。そうやって生まれてくる子がいるのなら、あえて"自分の子"にこだわらなくても、その子のために自分ができることをしてあげたいな、とぼんやり思った(自分は子どもが"産める"を前提とした話だけれど)。

いつまでに結婚して、子どもを産んで……と、いわゆる"一般的に"考えることを、特別考えずにすごしてきた。それは結婚したくないとか、子どもを産みたくないとか、そういうことではない。目標をもって動くほど明確な思いがなく、どうしたいのかが自分でよくわかっていないからだろうなと思う。

「お腹から出てくることが寂しい」と話す同僚に驚きながら、そんな風に思える経験の素晴らしさと、そう思ってもらえなかった子どもたちのことが、頭の中でぐるぐる回った。


去年の毎日note


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