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蝶みたいに自由に、好きな場所ではたらく

あたたかな光にさそわれて、上着を脱ぎたくなるのは人間も、虫たちも同じ。

3月15日〜20日頃は、七十二候の「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」

菜の花にとまる青虫たちも、もぞもぞと皮を脱いで、色とりどりの蝶へと華麗な変身を遂げます。

今日は次男のお別れ遠足。雨が上がってよかった。今ごろ、花咲く公園で友達とおにぎり食べてるかなあ。

蝶で思い出すのは、中国の思想書『荘子』に登場する有名なエピソード「胡蝶の夢」。

荘子は夢の中で、蝶になって楽しく空を飛び回ります。

目が覚めて現実に戻ってきたとき、はてあれは本当に夢だったのか。この人間としての生活のほうが、あるいは蝶が見ている夢なのかもしれない…と、現実と夢の境界線がわからなくなったというお話。

今、確かだと思っている現実も、くしゃみをしたら覚めてしまう夢のようなもの。

そんなふうに考えると、いつもの景色、風の感触が、なんだか急にいとおしく思えてきます。

蝶のように…とはいきませんが、旅立ちに向けて準備を進めているわが家。

夫はひと足先に、新たな任地での暮らしを始めました。

ところでここ10年くらい、私は常時、複数の会社や個人の方々と一緒にお仕事をさせてもらっています。

場所の融通がききやすい仕事とはいえ、長距離の引っ越しをするときには、直接取材にうかがえなくなるなどの理由から、どうしても続けられなくなるお仕事がいくつかありました。

ところが今回は、引っ越しを理由に続けられなくなるお仕事がひとつもなくて、おどろいています。

引っ越しの準備や片付けでお休みいただくことをお知らせすると、皆さん異口同音に「引き続きよろしくお願いします」とおっしゃってくださり。

理解ある方々に恵まれていることはもちろんですが、「場所にとらわれない働き方」がそれだけ当たり前になってきたのですね。

直接会って、顔を見て話すことの良さはたくさんあるけれど、それが叶わない状況でもできることの幅が、どんどん広がっていることを実感しました。

蝶みたいに自由に、好きな花の咲くところへ飛んでいってお仕事ができる。豊かなことだなあ、と思います。

18年前はひとりで見た、あの川沿いの、大好きだった桜。

今年は家族みんなで見に行けるかな。間に合うといいなあ。

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