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飛鳥で深呼吸 橿原神宮〜明日香村サイクリング

降りる駅を、間違えてしまったのです。

本当は飛鳥駅まで行くはずだったのに、ぼんやりして、なぜか橿原神宮西口という駅のホームに降りてしまいました。

間違いに気づいたのは、電車の扉が閉まった後。
次の電車は30分後です。
せっかくなので、橿原神宮に立ち寄ってから飛鳥へ向かうことにしました。

駅を出てほどなく鳥居が見え、大きな森が広がっています。

鳥たちが憩うため池を横目に見つつ歩いていくと、鳥居の朱色もあざやかな長山稲荷社。
古くからこの土地を治めている神さまだそうです。

立派な門をくぐり、玉砂利の上を歩いてゆくと、橿原神宮の広大な境内です。

こんなに大きな神社とは思っていなかったので、驚きました。

日本書紀によると、ここは2680年前(!)神武天皇によって橿原宮が置かれた、建国の聖地なのだそう。

何も知らずに立ち寄ったのですが、どこか明治神宮にも似ていて、大らかなすがすがしい雰囲気。

偶然にみちびかれ訪ねた場所ですが、大好きになりました。

駅前で自転車を借りて、明日香村へ。

サイクリングのスタートは596年、推古天皇の時代に、蘇我馬子が創建した飛鳥寺から。

ご本尊の飛鳥大仏さまは、現存する日本最古の仏像です。
1400年ものあいだ、この場所に座っておられます。

酒船石遺跡を経由して、奈良県立万葉文化館へ。
万葉集の世界を五感で味わえる展示の数々。

館内のレストランで、明日香村の新鮮な野菜を使ったカレーをいただきます。

石舞台古墳までは、ゆるやかな登り坂です。
ペダルをこいで自分ひとりの体重を運ぶにも難儀するのに。
重機もない時代、巨石を積むのにどれほどの力が必要だったことか。

次なる目的地は橘寺。聖徳太子が生まれた土地に建てられたお寺です。

往生院・花の天井画が素敵でした。

旅の締めくくりは高松塚古墳。
壁画館で、飛鳥の秘宝とよばれる壁画の模造を見ることができます。

田園風景を見下ろす丘の上で、深呼吸。

ゆったり流れる奈良の時間が大好きです。

ありがとう飛鳥、また会う日まで。

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