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ハリウッド映画ビジネスに「プロセスエコノミー」を実装するなら

現在、ビジネス書のベストセラーになっている尾原和啓氏の著書「プロセスエコノミー」を読みました。


私が働いているハリウッド映画の配給というビジネスにおいて、どう「プロセスエコノミー」を実装できるのか、について考えてみました。

ハリウッドで制作された映画を日本で配給して劇場興行、そしてデジタル配信やDVD、TV放送などでリリースしていくというのが私たちの業界の仕事です。

日本映画のようにイチから企画を練って、戦略会議があり、キャスティング、台本読み、いざ撮影、編集、完パケ。そこからキャストを稼働させた宣伝が始まるという長いプロセスがある場合、この「プロセスエコノミー」でマネタイズする場所が多分にあると思います。

映画制作の本当の裏側って、なかなかつまびらかになって来なかったので、将来のファンを獲得するためにそのプロセスで巻き込んでいくというのは非常にコンテンツのファンの「好き」「応援したい」という気持ちを鼓舞していくでしょう。

さて、では私のような出来上がったコンテンツを届けるビジネスの場合、どんなプロセスを公開して巻き込んでいったら良いでしょうか。

いくつか、考えてみました。

1. キャストの来日イベント

これはすでに行われていることですが、例えば、イベント付きの試写会であれば、チケット代にイベント料金を付加するということが可能かと思います。また、キャストの肖像権の問題をクリアできていれば、イベント時に写真や動画など撮影可にすれば、SNSでの拡散という大きなバズになっていくでしょう。

2. 日本版ポスターや予告編、TVスポット制作の一般公募&投票

この施策はマネタイズにはならないかと思いますが、日本版ポスターを一般公募して、投票させるという巻き込み型の宣伝も可能ではないかと思います。こちらも著作権やコンプライアンスなどの問題で、特定のクリエイティブ・エージェンシーにしか制作をお願い出来ないという事情がありますが、そのあたりをオープンにすることによって、公開よりもずっと前から低予算で作品の認知を上げるだけでなく、ファンを増やしていくことが可能になるのではないかと思います。この場合は、全く無名の作品よりも、シリーズものの映画の方が効果があると思います。

3. エンドロールの活用

これまた権利問題のクリアが条件になりますが、映画のエンドロール、ここれを活用できただろうかと考えています。私事ですが、ハリウッドの映画会社に入る前、宣伝担当した映画のエンドロールに自分の名前が入っていた時に飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。

例えば、マーベルやDCなどキャラクターにファンがついている映画の新作であればコスプレコンテストなどを実施し、上位者のショート動画や写真を挟んでいく、「ワイルド・スピード」みたいなコンテンツはコスプレではなく、カスタムカーのコンテストなども良いかもしれませんね。


雑感のような文章になってしまいましたが、どうやってファンを獲得して、数あるエンタメコンテンツの中から消費者の貴重な時間を割いてもらうか、これは大きな課題なので、もっと何かポテンシャルのある「プロセスえこのみ」がどこかにないか、引き続き探っていきたいと考えています。

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