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挑戦し続けるということ〜私がPerfumeを好きな理由〜

もう先月のことになるが、渋谷公会堂のこけら落とし公演として行われたPerfume「Reframe2019」を観てきた。

ライブの新しいカタチ

Reframeとは「再構築」との意味。これまでの活動を踏襲しつつ、新しいパフォーマンスを模索するという実験的な位置付けの公演だ。

これまでの活動で培ってきた「型」は、主に2つのポイントがあったように思う。

1.みんなで作るライブである、ということ

MCでは必ずC&R、リズムに合わせて体を動かすコーナー、持ち歌での観客の振付練習が行われる。みんなで声を出したり踊ったりすることで、会場の一体感を大事にしているのが特徴だ。

2.完璧に役割を演じる、ということ

Perfumeの振付は歌詞からイメージされたものが多く、一音一音に合わせて動くためとても細かい。それを手の角度、足の角度までもが3人ピッタリ揃うまで練習しているらしい。とんだプロフェッショナル集団である。
そこにアドリブ性はなく、決められた振付をひたすら完璧に踊る、ということに彼女達は心血を注いでいる。

Reframeでは、敢えてその「型」を崩すことが試みられていた。

1つは、徹底的に魅せるライブにするということ。

観客は終始着席スタイルで、Perfumeの持ち味であるMCも封印。劇場型の会場だったため、スクリーンや映像投影を使い「演出を見せる」ことに特化しており、ライブというよりはショーを観ている感じに近かった。

もう一つは、リアルタイムの3人自身を織り込んだライブということ。生身感、とでも言ったらいいのだろうか。
その場でレコーディングした声を効果音として使ったり、自ら特殊カメラを持ち、メンバー同士で撮影した画像をその場で重ね合わせたり。
普段、3人自身のアドリブで進行する場面はMCくらいで、パフォーマンスとしてリアルタイムの彼女達を投影する試みは新鮮に感じた。

「無限未来」での振付と光がシンクロした演出は、以前のツアーで披露されたものから進化。光の向きがメンバーの手の動きと連動するだけでなく、手を広げた幅に合わせて光の幅も広がるという演出で、より「光を操っている感」が出ていた。


一旦幕が下りた後、最後の曲として選ばれたのは新曲「Challenger」。

オリコン1位、武道館、東京ドーム、紅白出場、海外ツアーなどなど、次々と夢を叶えてきた彼女たち。大きな目標を達成したあと燃え尽き症候群になり、次の目標がわからなくなる時期もあったという。

それでも、彼女たちは次なる夢を見つけ出している。今回の公演は、「いつでも誰でもふらっと立ち寄れるような常設公演をやりたい」という夢の第一歩。

これまで十分に実績を残してきてなお、挑戦し続けるとは何という野心家集団なのだろう。

「We are Challenger」と歌う3人を見ていて、涙が止まらなかった。


Perfumeというと綺麗でかわいくて、というイメージが先行するかもしれないが、涼しい顔をしてものすごく情熱を秘めているグループなのだ。私がPerfumeを大好きな理由は、そんなところにある。

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