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暑中見舞いで相手を想う

先日帰宅すると、郵便ポストに一枚の葉書が。
『暑中お見舞い申し上げます。元気してるかな?…』

送り主は高校時代からの友人。
彼女とは社会人になって年齢を重ねてもおでかけしたり旅行したりしている長い仲だ。
昨年めでたく友人に子供が産まれ、そのあとは生活リズムがお互いに変わったこともあり、あまり会えずにいた。ただLINEなどのやりとりはしていたので、突然の葉書に驚きがあった。
「暑中見舞いだー」なんだかとっても嬉しい。
これまでにも友人は自分でデザインした葉書で暑中見舞いを送ってくれることがあった。毎回内緒で送ってくれるので、サプライズプレゼントを貰ったような気持ちになるのだ。

葉書に書かれた懐かしい字体。
彼女らしい、颯爽としていて柔らかみのある字。
珍しく文章の文字が揺れているのは、赤ちゃん抱っこして書いていたのかな、などと絵が浮かぶ。
手書きの文字には友人の存在をすぐ側に感じさせる何かがある気がする。

葉書を手にしてアパートの階段を軽く駆け上がった。
荷物をおろして、リラックスできる状態にして葉書を眺めると、いつもと何かが違うような気がした。
あ、この葉書は暑中見舞い用の官製はがきだーーー

友人はデザイン系の仕事をしていることもあり、いつもこれは販売されているものかしら…?と思ってしまうほど素敵な葉書にして送ってくれていたのだけど、今回はなんとなく絵の雰囲気が違う気がしたのだ。
そっか、友人は育児で忙しいなか暑中見舞いを郵便局へ買いに行き(もしくは買ってきてもらい)、メッセージを書いて送ってくれたんだ。
他にもゆっくりおやつ食べたり、ドラマ見たりやりたいことあったんじゃないかな。何度も何度も読み返して、ありがとうとがんばれがごちゃ混ぜになる。

自筆でもらったメッセージは自筆で返したい…。先に葉書届いたよ!と連絡したい気持ちをぐっと堪える。
今となってはもどかしいこの時間も、子供の頃の手紙交換とか交換日記とかにはつきもので、結構よかったりしたはずなんだよな…と思う。

お返しで送る葉書は美術、旅行好きの友人にアンリ・マティスのポストカードにした。
マティスがモロッコに滞在をした際に描いた絵。
マティスの絵には友人との思い出もある。
郵便ポストを開けた時にわくわくしてもらえたらいいな。

『窓からの風景 タンジール』

暑中お見舞い申し上げます。
育児奮闘中の友人に、心地よい風が流れますように。

さてさて、何を書こうかな。

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