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食いしん坊は「これだ!」の打率をあげたくて。キリンビールサロン第二期から繋ぐカンパイ

おいしいものが大好きだ。

話題のお店に足を運んでみたり、おすすめを聞いてみたり、たまには料理をしてみたり。たまにおしゃれなビストロなんかに行っても、一杯目はやっぱりビールなのだ。お酒が弱いくせに目もくれず注文するくらいだから、私はもう立派なビール好きの大人になったのだ。

一人暮らしの冷蔵庫に切らさずはいっているのは納豆と缶ビール、この2つ。缶ビールといっても、第三のビールと呼ばれる発泡酒や、ノンアルコールのビール風飲料なのだが、日々の祝杯にはぴったりだ。

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コンビニエンスストアで350mlの缶ビール買って、帰り道のあいだに飲みきれたなら、真夜中はもっとエモーショナルだったし、お酒の味ももっとアレコレ知れたかもしれない。「数ではかなわん」たまに悔しい気持ちになる。

さてそんな私はとみこさんからの紹介で、キリンビールサロン第二期生として参加することになった。「わたしお酒弱いですけど、大丈夫でしょうか?」と聞いたら、「酒豪の集いじゃないから大丈夫。むしろビールだけじゃない、食全般が好きな人の視点も面白いと思って!」という言葉をいただいた。


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そうか、弱くても好きでいていいし、むしろ美味しい一杯へのモチベーションを高く保てるかもしれない。食いしん坊って楽しい生き物だわ、と自己肯定感を高めつつ第二期生として参加することになった。

このnoteではキリンビールサロン全5回を復習しながら余韻に浸ります。特にお酒が弱くても、美味しいビールに出会う「これだ!」の打率が上がったポイントを抽出してお送りします💁🏻‍♀️

第1回:ようこそ!ビールサロンへ〜エールかラガーか?推し問答〜

自己紹介は、事前に用意した私の好きなビール片手にするところがビールサロンらしい。もちろんKIRINのものでなくても大丈夫。(普通に考えたらスゴイと思う)

私はいろいろ飲んだけどスーパーでも買えて、かつ味や香りの違いに気づかせてくれた「銀河高原ビール」を持参。

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で、私の推しはといえば、エール系にカテゴライズされる。でも、実際に私の冷蔵庫で待機しているのはラガー系だ。ということは、日常と、非日常で好みがかわるのかもしれない。どんなご飯にも添い遂げるキリンラガーや赤星はやっぱり欠かせない。

こうして「飲みたいシーン」で選び方がかなり明確になった。これでお店やスーパーでもう迷わない!と思いますよね?これから選択肢の幅が広がり続けることをこの時の私はまだ知らない―――

第2回:ホップの里からビールの里へ〜君はホップスター!〜

二回目はちょうど2020年の「一番搾り とれたてホップ生ビール」発売前日に開催されました。ホップの産地である岩手県遠野市から中継をつないでスペシャル対談に参加。オンラインならではの企画に期待感が高まります!

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この日のためにセレクトしたビールが詰まったボックス、あけるとふんわりと青く爽やかな香りが......遠野の空気、ホップの香り、家にいながら産地の気配を感じさせてくれました。

遠野では「ホップの里からビールの里へ」を掲げて様々な取り組みを行われています。詳しい内容はKIRINさんのnoteにもつづられているのでぜひご覧いただきたい。ビールの里としてはまだ道なかばであることも真摯に語ってくださいました。

テレビCMや広告でよく聞くけれど、ホップがどこでどんな風に育てられているのか、正直想像もつきませんでした。そして貴重な日本産ホップを使って作られた2020年の遠野醸造のPALEALE村上セブンでカンパイし、臨場感のある体験となりました。

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写真(左)「村上セブン」:IPAなのに甘くてまろやか、和柑橘系フレーバー、日本産ホップ、2019年から本格栽培がスタート。写真(右)ズモナビールの「FRESH HOP HARVEST」フレッシュな状態のまま凍結粉砕された遠野産ホップIBUKIを使ったビール

さらに、同じ遠野で育てられたパドロンという野菜をそれぞれのキッチンで調理しておつまみに。みんなでカンパイ&いただきます!というライブ感溢れる時間とともに、ホップと同じ産地の食材をあわせるという新鮮な気付きを味わいました。

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ここで、ホップの産地という新しいマップが開けてしまいました。今日は日本産ホップについての情熱的なストーリーを聞き、心もおなかもいっぱいです。

ええ、お気づきかと思います。

日本産ホップよりも圧倒的に海外のホップは種類が多いのです。いやはや、これは第三回は波乱の予感……!

第3回:好きなホップを見つけよう〜花束みたいな酒がすき〜

スプリングバレーブルワリー(SVB)のヘッドブルワリー・古川淳一さんを講師に迎え、ホップの特徴を生かしたビールを飲み比べながら、その魅力に迫ります。

SVBは2015年に開業されたKIRINのクラフトブルワリーで、代官山、横浜、京都の3カ所に醸造所併設のレストランがあります。古川さんはキリンビールの醸造研究所でホップの使用技術やノンアルコールビール製造技術を経て、スプリングバレーブルワリーでの「ジャズベリー」を開発されるなど、その道のエキスパート!

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(写真はスプリングバレーブルワリー公式ウェブサイトから掲載。)

さて、ホップの話に戻りましょう。ビールの魂とも呼ばれ、ビールの泡の素になっているのもホップ。飲料メーカーでは、ビールによって最適なホップを選び、特徴をいかした商品開発をされている。ホップは海外にも色々な種類があって、それはもう国際線のように広く、果てしないルートに分かれてゆく。ああやっとビールの魂に近づけたのに...また遠のいてゆく。

と、ふらつかないように、あらかじめ古川さんが4つのホップに絞って、代表的な味・香りが伝わりやすいビールを選んでくださいました。

🌿チェコ産ザーツをつかった「コープランド」

【特徴】ザーツは香りがおだやかで複雑、上品
【仲間】コープランドの他、ピルスナー・ウルケル、SVBのベイピルスナー
【メモ】味覚のふるさとはチェコ産のホップ・ザーツ

日本のビールメーカーでもよく使われるホップで、KIRINだと「一番搾り」もザーツが活躍中。日本のビールの基本の味、我々のビール舌の基準となったホップとも言えます。今回はなかでもザーツの特徴が表現できたと語るSVBの「コープランド」をセレクト。

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古川さんいわく「一杯目にはもちろん、他のビールを飲んだあとにまた戻りたくなる」とのこと。確かに、クラフトビールのお店でも「一杯目はふつーのビールっぽいビールがいい!」というシーンはあるし、パンチのある一杯のあとにホッとしたい時もある。

※現在は終売しております。貴重なビールを届けてくださり、大事に最初で最後の一杯をいただきました!

🌿オーストラリア産ギャラクシーを使った「BIGWAVE

【特徴】パッションフルーツやグレープフルーツの香り、飲み口すっきり
【仲間】BIGWAVEの他、BREWDOGのIPA、SVBのGalaxy Walker
【メモ】今クラフトビール界で人気のホップ。これだけで完結するリゾート島国的な一本

お次はマイクロブリュワリーが盛り上がるを見せるハワイから、コナブリューイングカンパニーの「BIGWAVE」です。オーストラリア産のホップ・ギャラクシーがクラフトビールのブーム以前から使われていたそう。期待値の高まります。

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古川さんいわく「ギャラクシーというホップは、アルコール度数が高く苦味の強いビールによく使われています。なかでもホップの特徴的な香りがわかるBIGWAVEをチョイスしました」

ビールの心地よい苦味とグレープフルーツのような柑橘感の香りのビッグウェーブに飲み込まれる〜!ジメッとした気持ちを晴らしてくれそうなアロマにうっとり。お酒が弱いとビールだけで過ごすシーンにはあまり出向きませんがこれならイケるぞ、と思えた一本でした。

🌿ニュージーランド産ネルソンソーヴィニヨンを使った「オンザクラウド」

【特徴】爽やかな味わい、白ワインのようなフルーティで、華やか、みずみずしい香り
【仲間】オンザクラウドの他、志賀高原ビールのネルソンIPA、グランドキリンのホワイトエール
【メモ】雲の上なら太陽サンサン!明るい気持ちになりたい時はこれ、チーズ系スイーツに合う

まるでワインのようなホップの名前、ネルソンソーヴィニヨンの特徴を感じる一本としてSVBより「SVB on the cloud」をチョイス。名前の通り、白ワインのような特徴をもつフルーティーな味わいに、ライチやマスカットのジューシーな香りが続きます。

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なんとなく"白ビール"とか"ホワイトエール"と呼ばれる味を知ったのをきっかけに、ビールが好きになった私。(厳密にはベルジャンホワイトエールや、ヴァイツェンなど素材や製法によって分類されますが長〜くなるので省略します)当時はホップ特有の、ビールの個性とも言える苦味を避けていたと気づかされました。

ホップは苦味だけでなく、香り、味をすごく豊かにしているし、白ビールだからといって「苦くなくて飲みやすい」だけではもったいない。

🌿アメリカ産モザイクを使った「マインドヘイズ PA」

【特徴】トロピカル、洋ナシやモモなど複数のアロマをもつ複雑さが特徴
【仲間】マインドヘイズIPAの他、常陸野ネストのモザイクホップラガー
【メモ】掴みどころのない高貴な香り、花束のような複雑さ

アメリカ産のホップ・モザイクの良さが詰まった一本としてFirestone Walkerより「MIND HAZE IPA」をチョイス。

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ワイン農家で育ったアダム・ファイアストーンが義理兄弟と立ち上げたブリュワリー。サイケデリックなデザインにとは裏腹に、フルーツもハーブもまとまてブーケにしたような、花束みたいな一杯に夢心地💐

モザイクというホップは、組み合わせによって洋ナシやモモなど引き立つ味・香りのグラデーションを生み出す存在で、クラフトビールのIPAでは昨今人気なのだとか。

IPAはアルコール度数も高く、ホップ量が多くて苦味も強いというイメージもあいまって避けていました。が、「MIND HAZE IPA」は苦味も含めて好きな感じだ...!鮮烈な印象を残された一本でした。

世界のホップを知るとますます「これだ!」の打率が上がると確信したキリンビールサロン第3回目。さ〜て次回は、自宅でのカンパイも増えた今、絶対知られるべきグラス×注ぎ方による、おうちビール新章へ突入です!

第4回:好きなビアスタイルと注ぎ方〜必殺技はトルネード〜

プシュッ、(シュワシュワ)、トクトク……グビッ!ぷは〜

※参加した人は(シュワシュワ)と待機する重要性をきっとご存知のはずだ

第4回目はビアアーティスト福島 茶坊主 寿巳(ふくしま・ちゃぼうず・ひさし)さんをゲストに美味しいビールの注ぎ方を伝授してもらいました。ビールの製法や産地、造り手のこだわりについて聞けば、なおさら美味しいビールをより美味しく飲みたい気持ちも高まります。

新卒が営業職だった私はちょっと自信がありまして、飲み会でも率先して注ぐタイプでしたし、「いやいや泡とビールが7:3でしょ!」」と思っていたんですけどねぇ...ねぇ……???

違った。

めちゃくちゃ違った。

茶坊主注ぎを画面越しにレクチャーしてもらいながら、いざ実践。

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KIRIN一番搾りが、全然違うビールになってしまった。いや、これが本来の味なのか...!おそれいった!ちなみに茶坊主注ぎができると、泡がトルネードします。

🌟くびれグラス×富士桜高原麦酒のヴァイツェン

泡はほとんどなくても良いとのことで、さっそくガラガラと常識の崩れる音が。一方ビールは開栓すればシュワシュワと細かい泡のはじける音がして、うかうかとしておれません。ちなみに開栓はそっと、なるべく瓶に衝撃を与えないことが大切です!(下に酵母が溜まっているため、二回上下させるのをお忘れなく)

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写真中央が富士桜高原麦酒のヴァイツェン。最初は衝撃なほどにあわあわにして注ぎます。

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くびれのあるグラスに注ぐことで、フワッとした甘みを引き立たせ、最後まで飲み疲れせずに爽やかなヴァイツェンを楽しむことができます。

7:3ルールの小話として、日本人は富士山のイメージが美的感覚に根深くあるのではと考察されていました。実際に海外では7:3という比率はほとんど意識されていないのだそう!(3割を泡にしたくなる、遺伝子レベルのこだわりもなんだか情緒があって良いなぁなんて思うのでした。)

🌟ストレートグラス×インドの青鬼

IPAにはうすはりグラスではなく、分厚く重いグラスがおすすめ。重い方がグラスに不要な衝撃を与えず、味が落ちないのだとか。ビールの炭酸は味のまとめ役、という解説にも納得です。

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今回登場したグラス3種類。IPAは中央のグラスで茶坊主注ぎを実践!

🌟マグカップ×STOUT

黒ビールをマグカップで?!まるでコーヒーを飲んでいるかのような不思議な体験。そっと口に運ぶとコーヒーやカカオのような香ばしさが立ち上ります。さらに、マグカップで飲むことによりスモーキーさを感じることも。

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【缶ビール編まとめ】
・缶ビールのふちをティッシュで拭う
・缶ビールを開ける時は一気にあけない
・プシュっと音がしたら10秒待つ
・注ぐときは缶を大きく揺らさない→そっと注ぐと味の一体感がでる!
・最初の30mlはグラスに入れない

【グラス】
・きちんと汚れを拭き取った清潔なグラスを使う
・使う前に水で濡らすと凹凸が緩和されてより美味しくなる→乾いたグラスは苦味感じやすくなる
・注ぎ足すと味が壊れてしまう

【まとめ】ビールの造り手、飲み手に加えて「注ぎ手」の重要性を知り、なんとか自分でも近づける学びある時間となりました。ビールを"どうやって"飲むか、見落としそうなステップに打率をぐんと上げるヒントがあったとは!

第5回:これからのビールと私宣言〜カンパイ!君に会えてよかった〜

全5回、素材や産地、造り手や注ぎ手、そして飲み手である参加者同士の交流を重ねながら生き生きとした「学び」に参加することができました。

キリンビールサロンは、ビールセミナー講師の草野裕美さんをはじめ、多くのキリンアンドコミュニケーションズ株式会社の方々が支えて、届けてくださいました。最後の第5回ではふだん裏方でモニターに映ることのなかったスタッフさんや、サポートメンバーも参加して、カンパイのお時間です。

最後のカンパイには、ハートランドビールが指定されていました。なんだろう?と不思議に思っていたのですが、ぜひKIRIN公式のnoteを読んでいただきたい...!

カンパイは「おめでとう」「お疲れさま」だけじゃない。「いつか会おう」と約束のために交わすカンパイもあるのだ。あたたかな気持ちがこみ上げました。

どっぷりファンになってしまった私が書くのは気恥ずかしいのですが、より美味しい、より嬉しい一杯の向こう側にいる人たちの想いにふれて、感動しない訳がないんです。好きにならない訳がないんです。それはビールに直接関わる人だけではありません。一緒に「好き」を深めたサロンメンバーや、スタッフさん、ゲストの方々も同じです。

自宅でそれぞれのペースで、けれど確かにビールを基点としたつながりが生まれていく時間を一緒に過ごせたと感じます。全5回がオンライン開催とのことで、どんな雰囲気になるのかソワソワしていたのですが、全国から参加できるし、お子さんも傍にいれる。まだ一度も会ったことはないのに、「お!久しぶり〜!」なんて言葉を交わしながらカンパイできる気がするんです。(実際はモジモジしてるかもしれませんが、ご容赦ください!)

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いつか会える日まで、美味しい一杯、うれしいカンパイを繋いでゆきたいと思います。


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