母とわたしと、わたしと娘
実家から母が来ていた。
こちらでも買えるような食材をスーツケースに詰め込んで、子どもへの誕生日プレゼントを携えて。
持ってきた野菜であっという間にいつもの煮物をつくって、
はしゃぐ子どもをあやしながら遊んで、
わたしたちと食卓を囲んで、
そして帰っていった。
母は言う。
昔はもっと何かしなきゃ、働かなきゃ、と焦っていたけれど、
いまはようやく自分の調子を見ながらのんびり過ごすことができるようになった、と。
母は言う。
美香の言葉がきっかけで、そうか、そういう考えかたもあるんだなって思って、自分でも色々考えてみることが多いんだよ、と。
母が入院した夏、世界がひっくり返るような恐怖を感じた夏、
あれからもう4年も経ったのか。
その間わたしが変わったように、
母もまた変わって、
ひとはいくつになっても成長できるのだと知った。
あんなに迷惑や心配をかけたくないと思っていたのに、
我が子からなら迷惑や心配をかけられることすら嬉しいのだと知った。
母が祖母から受け取った何かを、わたしもまた娘へとつなぐ。
断ち切るものは綺麗に取り除いて、わたしにできる最善のかたちで。
それは誰も知らない、わたしだけの大切なミッション。
最後まで見届けることは、きっとできない。
でも、それでいいんだ。
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