君よ、理不尽に抗え――『シン・ウルトラマン』感想
いや最初は見にいく予定じゃなかったんです。
三門はウルトラマン全然わからないんで。
でもTwitterのタイムラインではみんな楽しそうだし、ウルトラマン見てなくても面白いって言ってるし。
自分も「私の好きな言葉です」って言いたい!
そんなわけで見てきました。
泣いた。
マジで泣いた。
すげえ面白かった。
なんかいろいろ刺さった。
ウルトラマンとゴジラ
正直に言うと、そもそも三門はウルトラマンの楽しみ方が分かってなかったんですね。
怪獣が出てきて暴れて。
ウルトラマンがそれを倒す。
え、人間(地球人)なにもしてないじゃん……みたいな。
ゴジラはわかるんです。
(ゴジラは映画全部見てるのでそんな的外れなこと言ってないと思う)
あれも怪獣が出てきて暴れますけど、あくまで対処可能な存在として描かれてる。倒せるとは限らないけど、追い払うなりなんなりしてとりあえず脅威をやり過ごすことができる。
そこで地球人がいろいろ頑張るわけです。
電撃とかメカゴジラとか無人在来線爆弾とか。
その結果ゴジラをなんとかする。
あれは人類が脅威に抗う話だと思うんです。
でもウルトラマンは違うじゃん。
巨人が出てきて怪獣倒してくれちゃうじゃん。
でっかいやつとでっかいやつが戦って、その横で人類なにしてんのってなっちゃうじゃん。
そう思ってたんです。
でもそうじゃなかった。
そして『シン・ウルトラマン』
繰り返しますが三門はウルトラマン全然知らないです。
ただTwitterでは、シン・ウルトラマンはウルトラマンの要素をうまく再構築して、ウルトラマン初見の人にも「これがウルトラマンだよ」と提示する話になってるみたいな感想があったので、そういう前提で話します。
シン・ウルトラマンもやっぱり怪獣(作中用語では禍威獣でしたっけ)が出てきて暴れて。
ウルトラマンがそれを倒す話でした。
あと外星人ってのも出てきましたね。
地球よりはるかに進んだ科学力を持っていて、地球人のことは「コミュニケーションとれる家畜」くらいに思ってる。
そういう存在に地球人はただただ翻弄される。
怪獣は何体かは倒せるけど、どうにもならんやつもいるし。
外星人に対しては科学力に差がありすぎて言いなりになるしかないし。
外星人の兵器には手も足も出ないし。
頼みの綱はウルトラマンだけ。
ウルトラマンなんとかしてくれ!
ここまでは三門のイメージしてたウルトラマンでした。
ここから先が違いました。
怪獣やら外星人やらの理不尽すぎる上位存在に翻弄される人類。
そんな状況でウルトラマンすらも一度は負けてしまう。
そこで! 人類は! 抗う!
叡智を結集し、なんとか打つ手はないかと模索する。
その手段はウルトラマンの手を借りるものではあるけれど。
だとしてもそこであきらめる必要はない。
理不尽に屈する理由にはならない。
理不尽に抗え
やっと理解できました。
ゴジラが、人類が脅威に直接対峙する物語なら。
ウルトラマンは理不尽に翻弄され、それでもあきらめない人類の物語。
考えてみれば、世の中立ち向かうべき脅威もあれば、自分の力ではどうしようもない理不尽もあります。
怪獣や外星人ほど規模の大きなものではなくても。
突然の打ち切り!
人事異動による企画の立ち消え!
担当編集からの連絡の途絶!
(本当に規模が小さいな……)
自分の力が及ばない領域があるという意味で、この世の中は外星人の理不尽に晒されたウルトラマンの世界と同じです。
でも、だからといって理不尽だとすべてを投げ出す必要はないのでは?
借りれる手は借りて、できることからやっていけばいいのでは?
シン・ウルトラマンはそんな話でした。
見にいってよかった!
『シン・仮面ライダー』も楽しみです!
長くなりましたが最後に一言。
「個人の感想です」私の好きな言葉です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?