日本語教師のレッスン料はなぜアメリカのマック以下なのか

オンライン日本語教師のレッスン料について今日は書いてみたいと思うきっかけがありました。
先日Japanese from Zeroの著者、ジョージのYouTube配信で自身のオンラインレッスンの様子や、italkiの日本語教師のプロフィールをいくつかピックアップし、ちょっとした評価をしていました。
この先生は笑顔がいい、とか台本は読みながらじゃない方がいいとか、客観的な意見はなかなかおもしろかったです。

その中である男性の教師の最低レッスン価格が8ドルでした。
ぶっちゃけかなり安いと思います。ジョージも、「1時間8ドル?勘弁してよ!マクドナルドで働いてる気分だな。」的なことを言ってました。
(批判でなく、安くて驚いている様子でした。)
※ちなみにitalkiでは最低価格がプロフィールに表示されるのですがそれが1時間とは限りません。

調べたところアメリカのマクドナルドでのパートの時給は15ドルから17ドルなのでこの男性のレッスンはアメリカのパートの半額ですね。
他にも、10ドル以下の激安価格でレッスンを提示している先生をちらほら見かけます。
安く学びたい、物価が安い国の生徒はラッキーだろうし、欧米人の方からすると、安すぎるとそれはそれで疑われるそうですね。

私は値段設定の仕方がわからず、レッスン価格を激安から始めました。
そうすると、結局はお金のない学生や、やる気のない人が集まり、自身もモチベーションを保つのに悩んだので今少しずつ料金を上げていますが、それでも安い方の部類に入ります。
日本語学校も、お給料は安いところが多いと思います。

今回はオンライン、学校合わせてなぜ日本語教師の価格は安いのか、自分なりに考察してみたいと思います。
※安い高いが良い・悪いではなくあくまで自分の考察です。




そもそも日本語教師がメインの仕事じゃない


あまりオンライン講師であら稼ぎしよう!って考えている人は少ないと思います。(時々無資格で月数十万稼ぐ方法教えます!って広告も見ますけど・・教えてほしいw)
日本語教師を一本である程度の収入を得るのはなかなか簡単じゃありません。
今は有資格者も無資格者も溢れかえっているので、本業が他にあり、お小遣い稼ぎでやっている方も多いんじゃないかなと思います。
8ドルは今の日本円のレートで1200円。あくまで日本で、在宅アルバイトとしては悪くないのかもしれません。
実際、バーやカラオケから学習者の友達感覚でフリートークレッスンをする先生もいるそうです。(おそらく資格のないコミュニティチューターさんだと思います。)そういう方はカジュアルな感覚で学習者と交流していると推測します。


奉仕の精神の教師が多い(日本語学校での経験)


Twitterでもよく書かれてますし自身の日本語学校での経験でもそうですが
日本語の先生は本当に生徒思いの方が多い印象です。
自分を犠牲にしても生徒のために奔走する先生を何人もそばで見ていました。
ひどい学校は正直教師をコマとしか見ていないし先生たちが一生懸命学生を進学させても給料面で当然評価はなくわずかな担任手当くらい。

どこの業界でもそうですが、長年それに慣れてしまって安い給料でも働いてしまう。
それに教師業は店舗などのサービス業と違い自己承認欲求が満たされてしまう職業です。

私が勤めていた学校も採点や準備、その他諸々は全て無給。それが当たり前だから疑問さえ持っていない、そんなことやお金のことを口にしたら即、叩かれる様な雰囲気でした。
また、元勤務校の先生方は40代から60代のベテラン勢が多く皆既婚者でした。
独身は私と、30代の専任の女性の先生のみ。
先生方は生活のために必死に働く必要はなく週2回くらい学校に来て働く人がほとんど。
時間とお金に余裕がある方が大半でした。

学校側は経済的な理由、講師への搾取(学校による)、また講師側は安くても我慢している、麻痺している、背景に家庭の安定した収入があるからやりがい重視、などが理由として考えられるかなと思います。


経験を積む&レビューを集めるために安く設定している(オンライン)


私も始めた当初そうでした。
オンラインはレビューやレッスン回数でほぼ予約をしてくれるかどうかが決まるため、集めるために必死でした。
自信もなかったので最初は私も8ドル程度(手数料引かれて日本円にしたら数百円なんてことも)から始め疲弊しかなり後悔しました。
結果的にコロナが終わった今、安くしたからと言って必ずしも生徒が集まるわけではないことが分かったので今年に入ってから数回値上げしました。
まだ私自身も経験が豊富とは言えず、ぶつかり稽古な場面もあるため、今は(欧米系生徒さんにとっては)お手頃価格設定していますが、定期的に経験を踏んであげていく予定です。

まとめ:少しずつでも変化をもたらすことが大事


Twitterを見ていると少しずつ、日本語教師の環境を変えるために活動したり募集要項を見直したりしている人たちを見かけます。
日本語教師に限らず、通訳や翻訳など語学系の仕事は買い叩かれやすいなというのが印象です。

私は日本語教師は素晴らしい仕事だと思います。
書いてて思いましたが日本語教師も今は多様化してきて色々な形態、立場で働いてるので自身が満足しているなら安い給料でも、ボランティアでもいいと思います。

ただ自身もそうでしたが、我慢して疲弊して辞めてしまう先生たちもたくさんいる。
全体的に苦労している先生たちが報われることが一番いいと思います。新米講師が生意気に語れることは何もないですが、少なくとも先生たちの愚痴や苦労をを見てきたということは言えます。
私は国内の日本語学校で働くつもりはないですが、オンラインでこれからも教えて行きたいので、経験を積んで堂々とした値段提示をしていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?