仕事を持っててよかった


離婚の経験を通じて痛感したのは、仕事があって本当によかったということだ。家庭という今まで当たり前にあった場所がいきなりなくなるのが離婚。でももう一つの場所である職場はなくならなかった。

私も妹も、両親から事あるごとに手に職をもって自立できるようになれと言われて育ってきた。私達の世代では珍しいかもしれない。早くいい相手を見つけて結婚しろとは一度もいわれたことがなかった。

おかげで私たちは学校を卒業してから今までずっと働き続けている。妹は結婚して子供が生まれて1年の育児休暇の後フルタイムで同じ職場に復帰した。私も留学または遊学していた時期以外はずっと仕事をもっている。

別居直後は数週間ほど会社を休んだ。体調を崩したことにしていたが、上司には離婚した旨を伝えた。だまって聞いていた上司がぽつっと言った。

それは大変やったな。でもな仕事があるっていうのはいいことやで。

本当にそのとうりだった。別居直後の暗闇の中で毎日定期的に会社に行って仕事をこなすことは、精神のバランスを保つのにとても役立った。

そしてもう一つ大事なこと、それはあたりまえなんだけど経済的に自立できるということだ。

ずっと仕事をしてきた私にはある程度のたくわえがあった。そのうえ結婚した後はもと夫が家事を一切やらない代わりに生活費を全部出すと言ってきた。フルタイムで働きながら家事を100%こなすのは正直きつかった。残業も多かったし出張もあった。でもおかげで結婚していた間の自分の給料はほぼ全部自分のために使えることになった。生活費が出ていかないからお金はたまる。

このお金があったから、私はアメリカに行くことができたのだ。

手持ちのお金を計算すると、何とか1年半くらいはアメリカで生活することができそうだった。

本当にアメリカへ行けるんだな。別居してから半年がたっていた、

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