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お金といのち

更年期になる頃は、それぞれに環境の変化があります。子供の巣立ちや、夫の定年、その他にも仕事で管理職に昇進したり介護が始まる方もおられます。
更年期という時期は、新しい環境に身を置いてシフトチェンジする時ですが、時間に縛られてているとなかなかやりたいことが進みませんね。

厚生労働省の調査によると、介護をしている年代で最も多いのは、55歳から59歳だそうです。
本来お金も時間も自由になる世代ですが、様々な出来事に振り回されるのも、この年代なのです。

お金があっても心も体がボロボロでは幸せとはいえません。どんなことがあっても優先するのは自分がより良い状態であること!
「私はどうなったらいいの?」って自分に聞いてみましょう。

男性性の投影

私はケアマネジャーをしている時、仕事と介護の狭間で疲弊している50代女性と関わりを持ちました。
その女性は、認知症の父親を家に残して朝から晩まで忙しく働いていました。
認知症はかなり進んでいましたが女性は父親が家で過ごすことに強くこだわり、介護サービスを断り続けていました。

その頃、新人ケアマネジャーの私は会うたびに、顔色がすぐれず痩せていく娘さんのほうが気になりました。
父親を通所サービスに通わせることから始めるよう提案しましたが、唯一契約に至ったのは、日中の安否確認を目的としたヘルパーの訪問とベッド、歩行器の福祉用具レンタルでした。

訪問の際に感じる父と娘の冷たい距離感。
キッチンにはインスタント食品が無造作に置いてあり、父と娘はそれを食事として食べていたようです。

父親の認知症が進行してきたため、私はいよいよ踏み込んだ提案をしたのですが、既に手遅れでした。女性は数ヶ月後に子宮がんが見つかり、受診してまもなく亡くなりました。

父親は前もって相談していた施設に預けられましたが、父も肝臓がんが見つかり、しばらくして亡くなったそうです。
しかし、娘さんはなぜあんなにも身を粉にして働いていたのでしょうか。
そして、父を家から出さなかったのでしょう。
私は契約が終了しても悶々として、女性のあの時の姿を忘れられずにいました。

あの頃は、新人で、女性との関係性も築けず、後悔ばかり残っていますが、私はこのことからたくさんのことを学びました。

後から叔母だという人に聞いた話ですが、その父親は、昔から働かずにお酒ばかり飲んでいたそうです。生活を支えるために母親は朝から晩まで働き、1人娘であるその女性を養うために必死だったそうです。

父を受け入れられない女性性は理想の男性像に自分を転写し、働き続けたのかもしれません。
まるで「見せしめ」のように父を家に残して。

お酒に溺れるほど辛かった父を受け入れられる女性性が育っていたなら、もっと自分を大切にできたのかもしれません。

父は方向性を示す


「家」は、「いけにえ」という意味合いも持ちます。忙しく働く様を父親に見せしめることが生きる糧になっていたかと思うと、「許す」という勇気こそが、解決策ではなかったのかと思います。

すべては推測ですが、子宮という臓器は存在意義です。すべてを許して、父も自分も受け入れられたら、計画性にそって良い方向へと進んだのではないかと思います。
娘というのは父親の男性性を求めますが、同時に自分の男性性を磨くことが更年期世代の課題です。
時間の管理、計画性、お金などを上手く扱えるようになるとよいですね。

昔の女性は50歳で人生を終えていたので、生き方に戸惑う人も多いと思いますが、私は父の残した遺品から父の追い求めた「女性の自律」に気づきました。
父のネガティブな所もポジティブな部分も、深掘りすると、必ず娘の方向性を示してくれますよ!


女性の自律を支援します

私は女性の自律を支援するために、仲間と自費の訪問看護も運営しています。自律とは、選択する力、自分の道を自分で切り開く力です。
介護をしている女性のお役に立てればうれしく思います。
介護をされている方は、すでに介護保険サービスを利用していると思いますが、介護保険では手の届かないところまでご支援させて頂きます。
介護する女性のご支援をコンセプトにしていますので「こんなことは?」「あんなことでもいいの?」など何でもご相談下さい。


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