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精度にこだわりますか?


文化を測る目安の一つに、どのくらい精度の高さを求めるかがあります。日本は常に完璧を求める国ですが、世界は広く同じ価値観ばかりではありません。

写真は、オーストラリアでセミナーをしたときのもので、プロジェクターから投影したスライドが曲がっています。10年前の機種なのかなと思うほど年季が入った機械で、台形補正の機能がついておらず、雑誌や本を挟んでなんとか補正しようと、開始前あたふたしていました。


在豪5年の日本人コーディネーターが入ってきて、「あっ全然大丈夫です。今日の参加者オーストラリア人なんで、誰も気にしませんよ」と言われました。いやぁ、いくらなんでも大丈夫じゃないでしょう。思いっきり曲がってると思うのは、オーストラリアから東京に戻って3年経った私。なんとかしようとしたけど、これが限界でした。

好奇心から、セミナーの参加者に最後に聞いてみたら「何が問題?」と言われました。「読めるから全く問題ないけど」とも。なるほど、確かに読めますが。。。


日本人が精度にこだわる理由は、ホフステード異文化モデルで説明できます。世界の文化を測る6つの指標の一つに、「男性性 vs 女性性」があります。


男性性が高い国では、業績や成功が大切な価値観です。高い年収・立派な家・高級車を手に入れることに意義があり、働くことが生きることより優先されがちです。


男性性が高い国は、スロバキア、日本、ハンガリー、オーストリア、ベネズエラ、スイス、メキシコ、中国、ドイツ、英国、コロンビア、米国、オーストラリアなどです。


女性性が高い国では、生活の質・他者への思いやりが重要です。ワークシェアリングで週休3日になり給与が減ったとしても、家族との豊な時間が増えたり、習い事ができることのほうが大事です。


女性性が高い国は、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダ、リトアニア、フィンランド、ポルトガル、ロシアなどです。


男性性のスコアが世界でNO.2の高さの日本は、「極める」ことが得意でモノづくり大国として世界に名を馳せました。不良品率ゼロを最初から目標に掲げるのが当たり前なのも、男性性の高さが理由です。100点を目指して、頑張ることに重きを置く国民性なのです。


物事には全て表と裏があるので、これがネガティブに働くと他国から見て「細かすぎる生産性の低い」国と思われてしまうこともあります。


オーストラリアから帰国した私は独立し、イギリスの研修会社を手伝っていました。ある時「悪いけど、1週間後に使うこのテキストの誤字脱字探しを手伝ってくれ」と言われました。前回、同じ研修を行った時にテキストに誤字が2箇所で見つかり、それが理由だとして評価を4にした参加者がいたそうで、そんなくだらない理由で評価が下がるのを防ぎたいとのことでした。

私は帰国したばかりで、感覚がオーストラリア人だったので、5人がかりで厚さ1cmのテキストの誤字脱字を探している図がおかしくて、吹き出しそうなのを抑えていました。文脈から読める誤字脱字なんて、どうでも良いのではという価値観だったのです。この作業に5人が費やしているコストは、お客さんが払っているのか、研修会社が払っているのか、どっちなんだろうとも思いました。とにかく生産的には思えません。

日本が世界に誇るモノづくりの高いレベルは、男性性の高さが支えているので、この先もモノづくりに活かして欲しいです。とはいえ、海外と仕事をする・外国人と仕事をする時に、裏目に出る可能性もあることを理解し、相手が誰かで100点を求めないこともできる、ギヤ・チャンジ可能びとを目指したいです。



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('O'*) 右脳の女王からおまけ  ('O'*)

昨日、炊飯器が「ピピピ」と炊けましたの合図を出してくれたので、キッチンに行きました。ん? キッチンの台の上にオカマが。まさか空焚きした? 慌てて、炊飯器を開けると何も入ってません。ちょっと熱くなってたけど、何事もなくて良かった。炊飯器を空焚きしたのは、さすがに生まれて初めてでした。(ホントーでっす) 右脳の女王は今日も行く〜




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