異国にて痔の手術を考えているあなたへ

時々、「外国に住んでいるんだなあ、海外に住む事になるなんて思わなかったなあ」とぼんやりと考えることがあるのですが、まさか異国の地で尻を切ることになろうとはね。さすがにです。さすがにですよ。
尻を切ることになった経緯は人それぞれあるにせよ、今この記事をお読みのあなたは異国で尻を切ろうか悩んでいる方だと思いますのでその辺に特化して書いてみようと思います。そして一言だけ言わせてください。

楽になるよ、切ったほうがいいよ。尻が痛くないライフ、いいよ。

手術までの道のり

痛いな、と思いつつもオロナインを塗って一週間ほどやり過ごしていて、もうどうにもこうにも痛くてそろそろ吐くかな?っていうぐらいまで我慢してやっと病院ゴーを決意。

日曜日にタクシーで急患。タクシーの中でちょっと泣きながら汗びっしょりになって夫の手を握りしめ30分(よさげな病院は遠かった)、夫が小さな声で「尻です、痔です」と受付を済ませてくれている一方で私は奥のベッドに運ばれ尻に筒のようなものを差し込まれ「Quite Big」というインド人医師の言葉を遠くに聞いていた。

そのまま入院し痛み止めを打たれ、翌日「手術は要らないと思う、ガンバ」と言われ退院したものの、数日後にまた「死ぬかな?」と思うほどの痛みに襲われ別の病院を受診。郷ひろみから勢いを取り除いたような先生が「4時&7時の部分が深く切れている」「これはいぼ痔&切れ痔」「切りましょう、明後日」と淡々と私の尻に話しかけていた。とても痛かった。心も。

日本で夫と出会って月9のような恋に落ちて結婚してシンガポールに来たのに、私はいま郷ひろみ(覇気なし)から尻の穴に指を入れられている。とにかく尻がとても痛い。

手術当日

お部屋から手術室まではベッドに乗せられて運ばれたので「大げさに見えますでしょ、ふふ、痔ですの」とこっそり恥ずかしさを感じていた。あとはとにかく何度も何度も何度も何度も名前と生年月日と今日は何の手術なのかをことあるごとに確認された。痔は英語でヘモロイド。綴りはちょっとややこしいよ。

手術室の様子にはしゃいでいるうちに麻酔が打たれて起きたら尻がとても痛かった。ついに切られたのだな、と思った。ひろみは既にいなかった。ゴーンひろみ。

手術室から出て30分ぐらい様子見されている時が地獄で、とにかく尻が痛くて「100万ぐらい払っているのにこの痛みをどうにもしてもらえないのは本当にあり得ないしマジでなんなんですか」「こちらは割と大きな金額のお金を払っています、何とかしてください」とたくさん泣いた。そしたら痛み止めを打ってくれた。「イタイねーイタイねー」って日本語で言われて、本当に申し訳ないのだけれど結構むかついた。

術後

病室に戻ってから尻がガーゼでふさがれている事に気付いた。ひろみは「今日退院できるよ」と元気に部屋にやってきたけれど、油断してはならないので宿泊を希望。
暇で大相撲を見ていたら尻が痛くなってきて鎮痛剤を打ってもらった。退けゆく尻の痛みを感じながら、キングヌーの芸大を出てる人の曲作りライフ特集(NHK)を見ていた。キングヌーを聴くたびに私は尻のことを思い出している。

退院後

術後のうんこ痛くないじゃん~と余裕をぶちかましていたけれど、さすがに粘膜をちょん切っている痛みは甘くはなかった。
ひろみからは「とにかく尻を洗え」と厳しく言われていたので自宅勤務しながら2時間に一回ぐらいシャワーで尻を温めて過ごしていた。
うんこが痛い。本当に痛い。うんこした後15分ぐらい悶え苦しむ。肛門の痛みってこんなに苦しいのか。肛門で遊んではいけない。周囲の人に伝えたい。肛門は大切にしてください。

一週間ぐらいでうんこの痛みも退き、尻が出る(わかる人にはわかる)事を心配することもなくなった。尻が出ていない。尻が痛くない。いい人生だな、ひろみありがとう。と思いながらオフィス内を歩いていたら上司から「真剣な顔してるけどどうしたの」と声を掛けられた。

総括

思いきって切って良かったです。毎日「痔 シンガポール 手術」「痔 術後 痛み」「痔 痛くない 姿勢」と検索する日々から解放されました。ツイッター界隈には意外にも痔ホルダーが多くて仲間がいるみたいで嬉しい。ひろみありがとう。シンガポールのひろみ紹介ご希望の方はお知らせください。とても良いひろみでした。おわり。


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