初回 コラムを始めるにあたって
noteでコラムを始めるにあたって、あれこれ何を書こうか迷っていた。そのうち「コラムとはそも何ぞ」という根本的な問いかけが頭の中で生まれた。コラムを知らぬものがコラムを書けるはずがないと思い至り、コラムそのものについて調べて書いてみることにした。それ故に、初回のテーマはコラムそのものである。
「コラム」は聞いて分かる通り、英語の発音をそのまま片仮名にした日本語である。故に、片仮名を見ただけでは意味を定義することが難しい。
コラムを英語で書くと“column”となるが、これを辞書で引くと、次のようになる。
私がこのnoteで始めようとしていることは、辞書的には2の意味が一番近い。
しかし、一番近いが正確ではない。
というのも、noteは三笠個人が発信するメディアであるので、新聞、雑誌、書籍、ウェブメディアの特定の欄に対する寄稿にはなり得ないからだ。
では、一般的に自分の意見を表明する手短な評論のことを発信の形式によって、「これはコラム、これはコラムではない」と区別することはあるだろうか?
実際のところ、そうはならない。
なぜなら、現実に使われる「コラム」の意味が辞書に定義されている「特約寄稿欄」という意味を超えて、「手短な論評」という意味合いに変化しているからだ。
このように元の意味から広がるようにして意味が変化していくことを、言語学では意味拡張(semantic extension)と言う。
これと同じ現象は辞書的な2の意味が生まれたときも起きていることが、他の意味を見ると分かる。
columnはもともとラテン語で円柱を指す“columna”という語が由来となっているが、columna の形状から「柱状のもの」「縦の列」と言う意味に拡張していき、最終的には新聞の縦長の寄稿欄を指すまでに変化したのだ。
語の意味は使い方次第で往々にして広がっていくと言うのがよく分かるだろう。
翻って、私、三笠航晴のコラムでは、現在使われる手短な評論という定義にとらわれず、新しいコラムの形に先鞭をつけるような自由な発信をしていきたいと思う。
三笠航晴
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