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「ビフォアートランス型の埋没」という生き方

こんにちは。

前回の「戸籍の性別変更の手術要件廃止申し立て、の矛盾」で、
現時点では、「戸籍の性別変更をしたトランスジェンダー」は社会の中で完全に自らの望む性別で生きることが可能です、と書きました。

これってすごいことですよね。見かけも戸籍上も何もかも変えることが現行の法律でも可能なんです。

私の元夫は
・見た目が男性→女性に様変わり
・今までの男性らしい名前から女性らしい名前に戸籍を変更
・手術により体も女性に変更
・男性→女性に戸籍を変更
・生活の変化により名字も変更

実にこれだけ変わりました。もうこれだけ変わればもはや別人ですよね。
見かけ的にも法的にもあまりに変わっていく様を眺めながら、
「もし今、何か犯罪を起こしても完全犯罪できるんじゃ?逃げても見つからなそう。サスペンス小説じゃん」などと考えてました。


◆埋没とは

トランスジェンダーでいう「埋没」とは、社会の中で完全に自らの望む性別で生きることを指します。

どこまで変更するかは人それぞれですが、私の元夫のようにこれだけ見た目も戸籍も変われば、自分が性別変更したことを誰にも知られずに生きていくことも可能です。あとは引越しや職場を変えるなどすれば完璧でしょう。

トランスジェンダーというと、最近ではやたらと権利を主張したり、見た目は男性なのに女性と認めろという人のイメージがありますが、本来トランスジェンダーはこの埋没思考の高い人が多いはずです。

それは「自分は女性になりたい」なのではなく「女性」だから。
「トランスジェンダー」ではなく「普通の女性」として生きたいから、でしょう。

◆「ビフォアートランス型の埋没」という生き方もある

「ビフォアートランスとは、身体的な治療をせずに心と体の性に違和感を持ちながら、ほぼ誰にも知られずに生活している人」のことです。

その中には「怖くてカミングアウトもできず、ホルモン治療に踏み込むこともできない」という人もいますし、
前向きに「無理に心と体を合わせる治療はせず、違和感を受け入れて、自分らしく生きよう」と決めて生きている人もいます。

こういう「治療はせず自分らしく生きる」と決めた方に何人かお会いしたことがありますが、とても良い選択を決意して生きておられるなと感じました。悩みながらも受け入れて生きていくことで、自分自身を認めてあげようとする気持ちが高く、悩みながらもマインドが明るい方が多いんです。

そして、「自分の心も一生このままではなく、変わる可能性がある。実際に数年前とは違和感の内容が少し変わってきている」という自分自身の心境の変化をきちんと認識できていることが、強みだなと感じました。

もし違和感の変化が起こっても何も治療もしていないので、いくらでも「取り戻せる」「受け入れることができる」のです。

個人的には、私は無理に心と体を外科的に変えてしまうよりも、この「ビフォアートランス型の埋没」の生き方のほうが素敵だなと思っています。


なので「我こそはトランスジェンダーでござい」と名札をつけて歩きたい人など本来いないはずであって、
最近の法改正の動きとか、第三の性とか、多様性とかいろいろ言われてますけども、それってほんとに必要なのかなと、個人的には考えています。

無理やり法的に複雑にしないで、シンプルに自分の違和感を認めながら、今の男女の性別の中で自分の生き方を探していくのがいいと感じています。


このnoteは、トランスジェンダーを家族に持つ方とコンタクトが取れる場をつくりたくて始めました。
もしご縁があってこのnoteを見てくださり、悩んでいるけど周りに話せる人がいないよ、という方がいらっしゃいましたら、良かったらコメントください🥰
私の経験から、誰かに話を聞いてもらうだけでも、だいぶ気持ちが軽くなることもあります。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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