みかた

2018年、元夫が突然トランスジェンダーになり、人生が一変しました。紆余曲折後、202…

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2018年、元夫が突然トランスジェンダーになり、人生が一変しました。紆余曲折後、2020年に離婚。悩み続けた時期に多くの方々に助けられたことや、自分なりに乗り越えた経験をもとに、これからは自分がLGBTQ当事者の家族の力になりたいと思い、発信していきます。旅行が好き。牛が好き。

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トランスジェンダーを家族に持つ方へ。自己紹介です。

はじめまして!みかたと申します。 40代の女性です。 夫がトランスジェンダーになり、紆余曲折の後2020年に離婚をしました。 トランスジェンダーの当事者の方からの発信や、当事者を応援していこうとする発信は見かけますが、その当事者の家族を、同じ立場から支援しようという媒体がなかなか見つからない。家族にトランスジェンダーがいて悩んでいる方へ何か発信したい、コンタクトが取れる場所をつくりたい。 そう思ってこのnoteを立ち上げました。 これまでのいきさつなど 1)突然の出来

    • 元夫が性別移行中に私が癒されていたこと

      今日はいつものようなわりと重めの話ではなく、軽めの雑談をしようかと。 現在私は、トランス女性となった元夫とは離婚しており、2人とも別々に暮らし、完全に別の人生を歩んでいます。 ですがその決断をするギリギリまで、たとえ法的には離婚の形をとったとしても、変わらず一緒に暮らしていく予定でいました。その「離婚」とは、男性から女性に変わるために必要な法的措置のためであり、お互いに一緒に生きていく意思があったからです。 とはいえ私にとって、夫という人が女性に変わっていく姿を見ているの

      • 既婚トランス女性の妻たちの思い

        これまで私と同じ立場(既婚トランス女性の妻)の方たちとお話した時に、皆さん共通の悲しさを持っているんだなぁと感じたことがあります。 それは様々ありますが、その中でも印象に残ったのは「夫婦で同じことを喜べなくなったこと」でした。 自分にとっては「夫」である「トランス女性」が性別移行を始めていくと、女性ホルモン治療により体や心が変化していったり、またそれに伴って法的なことも変更していったり、と妻にとっても大きな変化が訪れるようになります。 「女性らしい体つきになってきた」 「

        • トランスジェンダーの「リード」と「パス度」のこと

          元夫が性別移行を始めてまだ間もない頃の話です。 元夫が自分と同じMtFの人たちとSNSでよくしていた話題に「女性装で外出した時にリードされないか、パス度は上がっているか」がありました。 (リード:元の性別がバレること。MtFの場合、第三者から女装をしている男性だと思われること。 パス度:MtFの場合、第三者から女性として認識されること) 前回のnoteで元夫のことを「驚異の鈍感力の持ち主」と書きましたが、そんな元夫でも初めてフルメイクにスカート姿で外出した時は、ものすごく

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          元夫がトランスジェンダーだと知って、最初に考えたこと

          こんにちはー ある日、元夫のバッグの中に入っていた女性ホルモン剤を、たまたま私が見つけたことから元夫のフライングホルモンが発覚したわけですが、 その瞬間は頭が真っ白になって何も考えられませんでした。考える機能も耳が聞こえる機能もストップした、という感じです。 それらの体の機能が再始動して、最初に頭に思い浮かんだワードは「これからどこへ引っ越そう」だったことを覚えています。 普通に会社員として働いている男性が、これからは女性として生きていくのだと言う。 これはもう、現在働

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          2023年、トランスジェンダーについて書いてきたご挨拶

          こんにちは。 12月に入り、なんやかんやバタバタしているうちに、あっという間に年末ですね。あと数日で2023年も終わりです。 2023年は私にとって、元夫がトランスジェンダーになっていったことにやっと心の整理がつき、少しずつ活動していこうと決めた年でした。 2020年の終わりに離婚しましたが、しばらくは心の傷を癒やすことに、生きていくことに精一杯、という感じで、LGBTのことなど考えたくもないし、もう二度と関わることはないだろうと思っていました。 それから約2年間は新

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          在職トランスと人間関係

          こんにちは。 トランスジェンダーが在職トランスしようとする際には、さまざまな障害や困りごとがあると思います。 その中でも一番大変なのは、やっぱり人間関係ではないかと。 そして、意外と女性からよりも男性からの偏見に悩むことが多いそうです。 一見同じように接してくれていても、今までと同じように男性社員と2人での打ち合わせや、一緒にランチに行ったりしたくても、 「僕、そんな趣味ないですから」とか 「この人と仲良くしたら、そっち系だと思われる」と距離を置かれてしまうこともあるそ

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          動画)白人司会者がLGBT論者を一言で論破した結果

          こんにちは。 今、日本では性別変更の生殖不能要件について議論となっていますが、先日こんな動画を目にしました。 【話題】白人司会者がLGBT論者を一言で論破した結果 シンプルでいいですね。 こういうのを観ると、いかに日本は周回遅れなことをしようとしているのかがよく分かる。 司会者の方はきちんと理解した上で理路整然と話していて、司会者として偏った意見は発していない。性別違和を抱えている人を認め、尊重しつつ、「問題点だけ」を指摘してます。 そして全員がちゃんと最後まで相手

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          性別変更の「生殖不能要件」は「違憲」の判断

          こんにちは。 性別を変更するためには生殖能力をなくす手術が必要、とする特例法の規定について、最高裁判所大法廷が、「違憲」とする判断を示しました。 「性同一性障害特例法」では、性別変更に必要な5つの要件を定めていますが、今回問われていたのは手術要件である 4号案件)生殖不能要件(生殖機能をなくす) 5号要件)外観要件(変更後の性別の性器に似た外観) でした。 4号案件である「生殖不能手術要件」は「違憲」となりましたが、 5号案件である「外観要件」については二審が判断してお

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          静岡家裁浜松支部の戸籍上の性別変更判決

          こんにちは。 性同一性障害と診断されたトランスジェンダーの人が手術を受けなくても戸籍上の性別を変更できるよう求めた申し立てについて、静岡家庭裁判所浜松支部は、手術が必要とする現在の規定は憲法違反で無効だとの判断を示しました。 最高裁の手術要件撤廃判決はまだ出ていないものの、こうやって前例ができてしまいました。 そもそも今ある特例法は「性別を変更するために手術を行う」のではなく「手術をした人で、元の性別では生活に支障をきたす人の為に”特例”で認める」もの、なんですよね。

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          ジャニーズ問題で思うこと

          こんにちは。 ジャニーズ性加害問題、驚きましたよね。 私はここ数年はテレビを見ることはほとんどなく、ネットのニュースだと自分に関心のあるものしか目に入ってこないことが多く、 といった感じで、気づいたら世の中が大問題になっていました。 これって思いきり「小児性愛(ペドフィリア)」問題でもあるわけで。 私が10代後半~20代の頃は、ものすごいジャニーズ全盛期で、 「SMAP、TOKIO、KinKi Kids、V6 、嵐」など、大人気グループの宝庫でした。今よりも格段にテレビ

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          若い年齢層のトランスジェンダーとその親御さん

          こんにちは。 私の場合、身近なトランスジェンダーが夫だったため、どうしても配偶者としての立場から見た発言が中心になっていますが、このケースは全体から見たら少ないものかもしれません。 特にここ数年で、若い人に性別違和を感じる人が急増しており、お子さんがトランスジェンダーになって悩まれている親御さんも多いのではないかと思っています。 今まで何人かの、お子さんが性別違和を訴えるようになった親御さんや、トランスジェンダーになった親御さんのお話を聞いて、とても反省したことがありま

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          トランスジェンダーの承認欲求

          こんにちは。 人って、何かしら承認欲求を持ってるものですよね。 誰にでもあります。もちろん私にも。 少々なら誰にでもある自然な欲求だと思いますが、それが過度になってしまうと、周りの人が不快に感じたり、その強い承認欲求に自分自身が苦しんでしまうことになりかねません。 これまでいろいろなトランスジェンダーの人を見てきて、「この人は人間的にデキた人だなあ」と感じる人から正直「なんでこんなに自己中なんだろうか」と思ってしまう人まで幅広かったですが、 どんな人であってもこの「承

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          トランス女性は周りの人たちからどう見えているか

          こんにちは。 トランス女性の人たちは、ホルモン治療開始時の ①「誰から見ても男性にしか見えない」というスタートから、 ②「初対面の人には女性と認識されるが、元々の知り合いからは男性にしか見えない」という時期を経て、 ③「元々の性別を知っている人にもまあまあ違和感なく女性に見えてくる」という見た目に変わっていきます。 この「初対面の人からは女性に見える」と「元々の性別を知っている人にも違和感なく女性に見えてくる」の間にはものすごい隔たりがあるんですよね。 初対面の人に女性

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          「ビフォアートランス型の埋没」という生き方

          こんにちは。 前回の「戸籍の性別変更の手術要件廃止申し立て、の矛盾」で、 現時点では、「戸籍の性別変更をしたトランスジェンダー」は社会の中で完全に自らの望む性別で生きることが可能です、と書きました。 これってすごいことですよね。見かけも戸籍上も何もかも変えることが現行の法律でも可能なんです。 私の元夫は ・見た目が男性→女性に様変わり ・今までの男性らしい名前から女性らしい名前に戸籍を変更 ・手術により体も女性に変更 ・男性→女性に戸籍を変更 ・生活の変化により名字も変

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          戸籍の性別変更の手術要件廃止申し立て、の矛盾

          こんにちは。 毎日暑い日が続きますが、明日から9月なんですねー!ほんとに早いです。 9月といえば、以前にも書いた9月27日に行われる最高裁大法廷の弁論なんですが、 (「性別適合手術をしないと戸籍の性別を変更できないのは人権侵害なのか①」)(「その②」) 現在、戸籍の性別変更するための要件は、「2名以上の医師にGID(性同一性障害)と診断」されたうえで、 ①18歳以上であること ②結婚していないこと ③未成年の子どもがいないこと ④生殖機能をなくす(生殖不能手術をしている)

          戸籍の性別変更の手術要件廃止申し立て、の矛盾