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元夫がトランスジェンダーだと知って、最初に考えたこと

こんにちはー

ある日、元夫のバッグの中に入っていた女性ホルモン剤を、たまたま私が見つけたことから元夫のフライングホルモンが発覚したわけですが、
その瞬間は頭が真っ白になって何も考えられませんでした。考える機能も耳が聞こえる機能もストップした、という感じです。

それらの体の機能が再始動して、最初に頭に思い浮かんだワードは「これからどこへ引っ越そう」だったことを覚えています。

普通に会社員として働いている男性が、これからは女性として生きていくのだと言う。
これはもう、現在働いている会社も辞めないといけないだろうし、誰も自分たちを知らない地域に引っ越さないといけない、それが当然なのだろうと。

ですが元夫は「そんな大げさな。これは個人の自由で当然の権利なんだから今までと同じでいいんだよ」という反応でした。
なんで当の本人はこんなに平気そうなんだろう?それまでの私はLGBTについて考えたことは一度もなく寝耳に水状態だったので、本気で何も分かっていませんでした。

私の感覚では、性別を変えるということはそれはそれは大変なことであり、それを行使するならば相当な責任を持たないといけない、社会的なものは全て捨てる覚悟でのぞむものだと、それくらいに思ったんです。

まあ……今思うとだいぶ無知だったよなぁとは思います。その頃はまだ世間でも現在のようにLGBTのことを耳にすることもほとんどありませんでしたしね。

でも一瞬でもこう考えた私にとっては、それからほんの数年後に、こんなにもLGBTが話題になり、また尊重されようとする世の中になるとは、ほんとに思いもしなかったことなんです。

もちろん現在も当事者の方たちは生きづらさを感じたり、風当たりの悪さを感じることがたくさんあると思います。特に地方に住んでる方や、地元に住んでいる方は人間関係で苦労することが多いと聞きます。

元夫は男性だった時代から「驚異の鈍感力」の持ち主だったので、ご近所さんや職場の人たちの目を気にせずにいれた、という面も大きいです。

普通はなかなかこうはいかないでしょう。当の本人は全く気にしていないのに、配偶者の私は離婚するまでずっと、女性の姿の元夫と一緒に近所を歩くことは出来ませんでした。どこかへ出掛けた先ではまだなんとか大丈夫でも、家の周りの近所はとてもじゃないけど無理でした。

とはいえ、私が当初考えていた以上に日本社会は優しいのだなぁと感じます。人間関係のことは色々とあるにしても、性的少数者が法律的に解雇されてしまうわけでも、住むところを追われたりもしません。もちろん迫害されることなどありません。

それこそ元夫のように「大げさな」「そんなの当然の権利だ」と思われる方も多いでしょうし、私もそう思いますが、世界には迫害されてしまう国も実際にあるわけで。

私が(間違った認識により)覚悟したことから比べると、日本は差別もしていないし、現状でも尊重した社会が築かれている面も多いと感じています。
法案改正だ、教育だとギチギチにせず、もっと緩やかに認めあいたいなと思っています。

このnoteは、トランスジェンダーを家族に持つ方とコンタクトが取れる場をつくりたくて始めました。
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私の経験から、誰かに話を聞いてもらうだけでも、だいぶ気持ちが軽くなることもあります。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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