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20-21シーズン第17節 琉球@京都 GAME1

『チームとしての可能性が見えた』

2021年が始まり、前回の記事に書いた新潟とのゲーム後、オールスターブレイクがあり、今節から後半戦が始まる。
年末の渋谷戦で、短期契約のローソン選手が契約満了により退団。新潟戦から、インジュアリーリストから外れたハーパー選手が復帰するも、チームとしての完成度はまだまだ。本人のシュートタッチもゲーム内では今一つ。これからのチームの復調には彼の力は必要不可欠です。

オールスターも昨今の情勢の影響もあり、中止となりましたが、そのおかげで各チームとしてはコンディションの調整や、チーム練習に時間を使うことができたのではないでしょうか。
少なくとも、今節の京都には良い影響を与えていたのは間違いない。

後半戦最初のゲームは、前半戦を西地区首位で折り返した強豪・琉球とのゲーム。苦しい戦いになることを予想していたが、良い意味でその予想は覆される展開になりました。

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スタートの5人は前節と同じく、寺嶋・満田・細川・ハーパー・サイモン。
京都のファーストオフェンスはいつも、左サイドのローポストからサイモンのアタックと決まっている。(おそらく…)が、この試合のファーストオフェンスは左サイドに満田・ハーパーがいたせいか、トップからの寺嶋とサイモンのピックプレーで始まる。並里がピックをアンダーしたので、寺嶋がロングツーを打つも外れる、2ポゼッション目でトップの満田から、スクリーンの処理の遅れたクーリーをついたゴール下へのパスを受け、サイモンがゴール下のイージーを決め初得点。この日もサイモンは開始から好調、いつも通り得意なミドルポストからのジャンパーやゴール下へのドライブなど、普段通りの活躍。そこにハーパーも、オフェンスリバウンドからのポイントや、要所でのスリーなど前節の不安を払しょくする効果的なシュートを決め、1Qは首位琉球からリードを奪う順調な滑り出しを見せる。

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ローソン在籍時はリムプロテクターとしてチームのシステムに組み込まれていたと思うが、その分相手チームの外国籍の横の動きに対するディフェンスは少し不安が残った気がする。ハーパーはローソンに比べて横の動きに長けているので、今回のゲームであればエヴァンスのようなフォワードタイプ、他のチームで言えば新潟のロスコアレンなどのマッチアップで縦に簡単に抜かれたりすることは少なくなったと思う。そして試合全体を通して、ディフェンスの意識は前節とは比べ物にならないレベルで高く維持されていた。オフェンスについても、前述のサイモン、ハーパーの得点に加えて、日本人選手も積極的にオフェンスに参加する意思も見えたゲームでした。その中で、オフェンスの不安要素として見ていて思ったのは以下の2点。

1. 永吉の消極的に見える姿勢
昨年末にかけて、永吉のオフェンスに対する迷いや消極的な姿勢が改善された。そんな風に見えていました。12月の千葉戦以降のFGM/FGA、3PTM/3PTA、得点を並べると
千葉 Game1 0/2 0/1 1/2 1pt Game2 0/0 0/0 2/2 2pts
川﨑 Game1 2/3 1/1 0/0 5pts Game2 2/2 1/1 0/0 5pts
渋谷 Game1 4/7 1/3 2/2 11pts Game2 4/7 4/5 0/0 12pts
新潟 Game1 0/0 0/0 1/2 1pt Game2 2/2 1/1 4/4 9pts
琉球 Game1 0/1 0/1 2/2 2pts Game2 0/1 0/1 0/0 0pt

この中で京都が勝ったのは、川崎との2戦と琉球のGame2
チームとして状態が上向きそうになった千葉戦以降、アテンプトは増加傾向にあった。彼のインタビューを読んで、オフェンスの自信を失いかけていたところにアシスタントコーチなどの支えによって自信を取り戻すことができた。と読んだ気がします。おそらく彼に求められているのは、ライスとの出場時間の外国籍選手へのディフェンス。そちらに力をかけるので、必然とオフェンスにかける力が減るのは理解できる。それにしても、今回の琉球戦ではあまりにもオフェンス時に悩む姿が多い気がした。トップで持ってもパスをずっと探し、ハイポストで受けてもパスを探す。ローポストで受ける機会に関してはかなり少ないように見えた。渋谷戦で特に感じたが、やはりシュートを打つ姿勢を見せることで相手ディフェンスも、マークに出なくてはいけなくなる。そうすると必然とスペースができる、寺嶋、ライス、サイモンの3人は良くゴール下にアタックするプレイヤーなので、永吉とマッチアップしている外国籍選手が自分のマークマンを捨ててペイント付近でカバーディフェンスの位置をしっかりとれるのは相手側が有利すぎる。入る入らないの話は置いといて、リムに正対する姿勢やシュートを打つ姿勢は継続して欲しい。実際にできている試合もあるだけに、それだけでチームオフェンスのスムーズさは変わるのではないでしょうか。

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2. ライスのアシスト意識
今回Game1を観戦に行ったので、ライスのアシストに対する意識が変わったのかと感じました。実際にこのゲームは5アシスト。多くなってきているなと思ったので、全試合のアシスト数、得点を集計すると
琉球戦終了時点で(25試合)
81アシスト 566点
現時点でのシーズン平均は
3.2アシスト(リーグ37位)20.6点(リーグ4位)
思ったよりアシスト数は少なく驚きです。
勝ち試合と負け試合の比較
勝ち(8試合) 23アシスト(2.8アシスト) 188得点(23.5得点)
負け(17試合) 58アシスト(3.4アシスト) 336得点(19.7得点)
これ出してみると、意外にアシストより得点が先行しないとチームの勝利に繋がってないことが明らかになりました。最後にホームとアウェイの比較
ホームゲーム(12試合)
38アシスト(3.1アシスト) 211得点(17.5得点)
アウェイゲーム(13試合)
43アシスト(3.3アシスト) 355得点(27.3得点)
アウェイの方が活躍している…。得点10点近くアウェイの方が上なのはホームで観戦している京都の者からすると、なんとも言えない気持ちになります。やはり最近対戦するチームに関しては、しっかりとライスに対してスカウティングがされているように思います。なので得点に関しての期待値は必然と上がります。本人のコメントにもあるように、彼のマインドは味方を生かすということに重点を置いているようなので、アシスト数を上げることで、彼自身のオフェンスに対する負担という点もシーズン後半に向けての課題になってくるはず。チームのオフェンスのために加え、ライス自身の負担の軽減のためにも彼のアシスト意識を高めるチームとしてのオフェンスシステムの構築も必要なのかなと感じました。

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この試合に関しては、最後の最後にオフェンスリバウンドが相手側に転がって、エヴァンス選手がスリーを沈め。その後のオフェンスもライスの1対1が上手くいかずリングに嫌われて敗戦。
最後の数分間は、ライスをポイントガードに置き、周りをシューターで固める布陣を敷き、寺嶋・久保田・石谷の1人もフロアに置かない普段はほとんど見ない展開。普段の練習などで試しているのかわからないが、選手たちの動きになんとなく迷いが見えた気がしました。クロージングの時間帯には、もちろんクローザーとしてライスを置くのは良いと思いますが、ボールキャリヤを1枚置いて、その後の展開にライスを使うほうがスムーズにゲームをしめることができる気がしました。
Game2に関しては、最後の最後まで競る展開でしたが勝ち切ることができた。前日と変更して、寺嶋を最後まで使うことでやはり良いエナジー、そして彼の積極的なペネトレイトで敵チームのインサイド選手が収縮する場面も見られました。そのような姿勢がやはり京都の今後の鍵なのかと思いました。

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次回は、横浜とのGame1。

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次こそ、現地で勝ちが見たい…。

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