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これからどんなブランドが支持されるのか、ちょっと考えた

Photo by Marco Verch
https://www.flickr.com/photos/160866001@N07/

なぜ小売業者は、実店舗で「自社サイト」を宣伝するのか?
https://digiday.jp/brands/retailers-using-stores-promote-websites/

小売業界で、店舗で顧客を自社ECに誘導し、オンライン購入を
促すというのがトレンドとなっている。BOPIS(Buy Online Pick-up in Store)も同様だ。

ウォルマートのCEO、ダグ・マクミロン氏は直近の収支報告で、オンラインと実店舗の両方を利用する同社の顧客は、そうでない顧客と比べて、トータルで2倍のお金を使っており、店舗での支出も多いことがわかっていると述べた。

この記事では、オンラインとオフラインの両方を使ってショッピングする顧客は、そうでない顧客と比較して支出額が高いという点を上記のように何度か強調していた。

つまり、一客単価をアップさせるための施策として、オンラインとオフラインの結びつきを強めることは非常に重要なのである。

オンライン−オフラインの二元論でいいのか

このような趣旨の文章は最近よく目にするし、私もオンラインとオフライン両方での購入体験をより良くしていく必要があると思っている。

だが一方で「オンラインで買って実店舗で受け取れればいい」「実店舗でECサイトをオススメすればいい」という方法論に収束してしまうのは残念な気がしてしまう。

なぜなら、オンラインとオフラインという境界をなくした先では、もっと楽しいことができそうだと思うから。
そして、境界をなくすのなら、オンライン−オフラインの二元論では語り尽くせないものとなるのだと思う。

ここらへんは「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」(藤井保文、尾原和啓)を読んでいる最中で影響を受けていると思う。(思うけどそうだと確信している。)

どんなブランドが支持されるのか

現在あるブランドは、以下の3カテゴリに分けられるのかなと思っている。

* ファストファッション
オンラインでも実店舗でも気軽に買える。低価格。ベーシック。肌着などのインナーやファッションの一部アイテムに取り入れることが多い。

* ラグジュアリーブランド
二次流通で購入することも。高価格。持つことで自分の格が上がるような気がする。バッグなどに取り入れる〜全身コーデするガチ勢まで。

* 様々なブランド(個々人が好きなブランド)
表参道に行ったら必ずこの店で服をチェックする、みたいな思い入れのあるブランド。中〜高価格(低価格もあると思うが印象として)。かっこいい、自分の体型に合う、世界観が好き…多様な好きの理由がある。

ファストファッションは、インナーも定期的に買うものだし、安いから部屋着とかも買うし…ということでECもちょいちょい使う場面がある。実店舗は津々浦々にあるから立ち寄ることもあるだろう。

ラグジュアリーブランドを二次流通で買う人は、メルカリをよく使うだろうし、直接店舗に行くリッチな人やマニアも一定数いるだろう。なにより高価格なので購入頻度は低いのが一般的だ。

それで考えたいのが、「様々なブランド」と雑にくくった、それぞれが好きな大小様々なブランドだ。

ファストファッションとラグジュアリーブランドは、ある意味大衆的だ。大抵の人からそこそこの評価をもらえる。しかし、どこか物足りなかったり、高すぎたりという問題もある。

一方で、各々が好きなブランドというのは本当に様々だ。「そんなに有名ではないが、自分が本当に好きだと思うブランド」というのは案外人とかぶらなかったりする。そして、そうした「本当に好きなブランド」への熱量は高くなりやすい。

私はこういったブランドこそ、オンラインとオフラインのシームレスな体験を取り入れるべきだと思う。(規模によっては導入が難しいのかもしれないが)

なぜなら、もともとのブランドへの没入感が、新たな体験によってさらに高まり、より熱狂的なファンが生まれる可能性が大きいと思うからである。

そしてそのシームレスな体験というのは、単に実店舗でECサイトをレコメンドされるというだけではなく、購入履歴から前回購入したトップスに合うボトムスをレコメンドされたり、実店舗で手に取った商品が記録されて家に帰ってからじっくり検討できたり…というような、より一人一人に寄り添ったものであるべきだと思う。なぜなら、顧客側がブランドの世界観に寄り添ってくれているから。

一客単価を上げることももちろん大事だが、「このブランドを好きになってくれたお客様に、最大限何ができるだろうか」というのをテクノロジーを考慮に入れたうえで考えられるブランドが今後支持される(そして自動的に一客単価が上がる)のではないかと私は思っている。

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