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日本人のセックスレスに関する考察【心身の病に直結しやすいスキンシップやぬくもりのない暮らし】

夏休みの日本滞在期間に、男友達とさしで飲み食いする機会が何度かあった。パートナー以外の男性と2人だけで飲んでいる時、私は男性性を全面に出す。女の顔は完全に引っ込んでいる。屈託もなくストレートに質疑応答する。だから個人的な性生活の話題に触れることも多い。

噂には聞いていたけれど、日本人夫婦のセックスレスの割合の高さには、あらためてびっくりした。本人達から直に聞くと、日本人のひとりとして少し切なくなった。こんなにも魅力的で元気な日本人男性達のエネルギーがリアルに循環していないなんて!もったいない!と。

パートナー以外の人とセックスするつもりはさらさらないので、ひとりの人間としてハグをする。スキンシップで伝わるぬくもりは言葉を軽く超える。相手に下心や躊躇があったって気にしない。私はひとりの人間として相手をまるごと抱きしめる。男も女も関係ない。もちろん嫌がる人にハグはしない。握手だけでスキンシップをする。

それぞれの人生が快適で、日々の満足度が高く幸せならば、性生活があってもなくてもどちらでもいいと思う。だけどこれほどまでに高い日本のセックスレスの割合は、心身の病・自殺願望・不満足感・欠乏感、そういったものに直結しているように思えてならない。

哺乳類のペットや孫を溺愛する人が多いのは、わかりやすくぬくもりを感じることができるからなのだろう。動物は「肌が劣化した」「家を片付けろ」「もっと稼いでこい」なんて言わずに懐いてくれるし、触れれば体温を感じることができる。生命ある存在のあたたかさはド直球で私達を内側からほっこりさせるパワーがある。

食生活の好みが千差万別であるように、性生活のバリエーションも人それぞれ。けれども人間の根源的な活力は、やはり性のエネルギーと切っては切り離せない部分がある。それは否めない。

もともと性欲が薄く性行為自体が苦手な人は無理に自己開放をしなくてもいいと思う。けれども生来性欲が強めで、相性のいいパートナーと満足な交流ができずに無理やり自分を押し込めていると、やはり病として心や体に湧き出しやすい。

ちょろちょろと流れる小川の水をせき止めていても、それほど水圧は高くない。けれどもごうごうと流れる大きな川の水をせき止めたら、あっという間に溢れ出し大洪水になる。

大切なのは他人との比較ではなくて「自分にはどんな欲求があるか」を素直に自分自身で認めてあげること。誰にわかってもらえなくても、せめて自分自身で認めてあげること。まずはこれが要だと思う。

大きな声で言うと世間の風当たりは強くなるかもしれないけれど、結婚相手との性欲が大きくズレていたり、セックスレスの期間が長いなど、性生活でのバランスが崩れているならば、適切な場所で適した方法で性欲を処理することは必要なことなのだと私は思っている。

そこに金銭トラブルが発生したり、複雑な気持ちが絡んできたり、ややこしい出来事に発展したり、そんな可能性が孕まれることも熟知した上で、要領よく肉体の欲求を発散させることは、人間世界で言う必要悪と呼ばれる行為。文字通り良いことではないのかもしれないが、必要なこと。

溺れないように泳ぎ方を覚えることも大事。実際に誰か相手がいる行為であれ、ひとりであれ、性欲に流され過ぎてはリアルな日常生活を破壊してしまう。何事においてもメリハリは大切。バランスを崩してしまったら結局別の課題が増幅してしまう。

可能であれば「結婚相手やそばにいるパートナーと心も体も快く交わることができる」そんな暮らしが望ましい。年齢を重ねて精力が衰えてもスキンシップを欠かさないようなカップルは理想形。そこにコミットして、少しでも近い行為を実際したほうがたぶん笑顔も増える。

肩を抱いたり、手を握ったり。そんなことで構わないと思う。相手が病や老で倒れたときにしか触れない、なんて切なすぎるよ。ほんとにもったいない。身近にいる人間に触れることすら抵抗感があるなら、まずは自分自身から。ちゃんと愛でて撫でてあげてください。左手で右手を。右手で左手を。どんなにシャイな人でもそれくらいはすぐにできるはず。

ぶっちゃけて言えば、全ての人間に一夫一婦制度が合っているとは、私には思えない。多数の人を同じように大切に扱える人間もいると思う。お互いの了承と尊重の気持ちがあればパートナーの形も様々でかまわないと考えている。

実際に一夫一婦制ではない暮らし方を選択している人達もいる。歴史をふり返ってみても事実として人は様々な関係性を孕みつつ生きてきた。強迫観念や諍いが発生しないならば、本人達の選択の自由だと思う。

家族・婚姻制度は極論を言ってしまえば「わかりやすく管理しやすい仕組み」のひとつ。どこに誰が住んでいて何をしているかを把握しやすくなる。わかりやすいと人間は安心する。だからなるべく単純明快で、心身ともに安全を守ってくれそうな仕組みを渇望するのだろう。

話が広がりすぎると収拾がつかなくなるので、今回はこの辺りで切り上げます。

素敵な1日をお過ごしください。


Grazie 🎶