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パニック障害のわたしが八日後に電車に乗れるようになるはなし 二日目

パニック障害で電車に数年乗れなかったわたしが、八月三十日に電車に乗れるようになります。
というはなしです。
詳しくは、前日の記事を読んでいただければさいわいです。

さて。二日目です。
結果から言いますと

一駅分だけ電車に乗れました!

わー!やったー!もう本当に嬉しい!
実に四年ぶりくらいの電車の移動に成功し、喜びのあまり、降車してからこどもに抱きついてはしゃいでしまったくらい嬉しかった……

では、なぜ乗れたのか。
そのことについて、今日は書いていきたいと思います。

まず、昨日の慣らしの段階で、わたし自身の中で「なんか乗れそうじゃない?」という謎にポジティブな感覚が生まれていました。
ただ、ひとりで乗るのは、さすがに、怖い。

ということで、家族の力を借りることにしました。
具体的には、パートナーと、子どもです。

パートナーはわたしのメンタルヘルスについて、理解をしよう、支えになろうと、数年間本当に寄り添ってくれました。
子どもは小学校高学年ですが、メンタルヘルスのはなしは詳しくはせず、ただ「ママは電車や乗り物が苦手なんだ」と伝えていました。
乗り物に酔っちゃうのかな?
子どもは素直に、そう考えていたようです。
だから、電車で行かなければならないような場所や予定は、すべてパートナーと子どもだけのふたりで出かけ、それが「うちの当たり前」になっていました。

そんなパートナーと子どもに、この暑い中申し訳ないのだけど、少しパワーを分けてもらって、一緒に電車に乗ってもらおう。
それが今日の作戦でした。

具体的な行動としては

最寄駅のひとつ手前の駅まで子どもと歩いていく
仕事帰りのパートナーと駅にて合流
わたしのタイミングを見計らって
三人で電車に乗る
一駅分電車に揺られ
最寄駅で降りる

というあんばいでした。

昨日の練習の成果もあり、駅や改札にはさほど抵抗はありませんでしたが、いざホームに降りて、乗降する人々や、たえず流れる発着の音楽、電車の行き来するさまを見ているうちに、やはり胸はざわつきました。

ので、通院しているかかりつけ医から出されている、不安を和らげる頓服をまず一錠。
次に来た電車に乗ろう、と決意した際にもう一錠、飲みました。
※わたしが処方されている頓服は、一度に五錠まで飲むことを許されています。

医院で教わった、少し先にあるろうそくの灯をゆっくりと消すように、細く、長く息を吐く呼吸法をし
かかりつけの先生の「大丈夫、絶対に治ります」「以前にできていたことは、また必ずできるようになるからね」と言ってくれた言葉を胸に
わたしはパートナーと子どもに手をつないでもらいながら、電車に乗り込みました。
ちょうど三つ席が空いていたので、わたしを真ん中にして、右に子ども、左にパートナーが座りました。

「大丈夫?」
子どもが少し心配そうに尋ねます。
わたしは
「うん、大丈夫」
とこたえ、彼女の手をぎゅっと握りました。
パートナーは、何も言わずに、ずっと手をつないでくれていました。

正直、乗っていた時の感情は、ふわふわとしていて、怖いとも思ったし、でも大丈夫とも思えて、とにかく必死だったのだと思います。

最寄駅に着いて、電車から降り、ホームのコンクリートを踏んだところで初めて

乗れたんだ!

と、喜びがぶわっとあふれてきました。

乗れたー!
やったー!
やったよー!

叫びながら家族でよかったよかったと笑い合いました。
ありがとう、ありがとうと泣きました。
周りの人は、なんの騒ぎだよ……というかんじだったに違いないのですが
わたしにとってはちいさな
でもとてもおおきな一歩だったのです。

わたしは今日、たった一駅分だけど
電車に乗れました。

嬉しくて、今も胸がほかほかしています。

かぞく、ありがとう