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市政報告会で問われる、参加者のリテラシー

2月末の話になりますが、地元の市会議員の市政報告会に参加してきました。市政報告会の内容は新年度予算に関することが主で、これについては議員によって内容に差があるものではありませんが、その後の質疑応答で気づいたことを書いてみました。

結論からいうと「質問になっていない」ということ。多くの方が自分の思いを披露するだけで終わってしまっていて、その議員の考えを聞くということをしていないのが残念だなと思いました。

質問ではなく自分の意見を言うのに終始する

これ、本当にやめてほしいです。質疑応答で20分くらい用意してくれていたのですが、なんとそのうち3~5分くらい使って自分の意見を演説する参加者(高齢の男性)。質問の内容はよかったのですが、それに対する議員からの回答が終わった途端に自分の演説が始まり、1分くらいたったところで会場は「いつまでしゃべるの?」という空気が充満していました。

質問の場なのに「要望する場」になってしまっているわけです。これと似たような質問で「赤字になっている介護施設を残してほしい」というものもありました。赤字であるということを認識されているのはいいことですが、財務状況も公表されているので、それを踏まえて過剰になっている支出項目で気になるものについて尋ねるとかされてもよかったのかなと思いました。

批判はするけど対案がない

これもよくあるパターンですね。具体的に言うとまちづくりに関するワークショップについての質問(批判)でした。内容としては「需要サイドの意見を集めたところで無意味、供給サイドがどう見るかを集約しないといけない」というものでまっとうな内容ではありました。

が、この質問の中で対案として示されていたのが「別の形でワークショップをしよう」というもの。何にも変わってないやん。むしろ現在市が進めているワークショップのほうが地域の協議会も関わっていて、しかもその会長さんはしっかりした意見の持ち主。

おそらくこの質問者の方はワークショップに呼んでもらえなかったのでしょうね。ちなみにこの日の市政報告会には地域に協議会の会長もお見えになっていて、その方にとって失礼な質問だったのではと懸念しています。

「市長の取組が見えない」という質問

私の地元では昨年春の統一地方選で若い市長が就任したのですが、これに対して「市長の取組が見えない」という質問にもなっていない質問が出ていました。この質問は一見その人を応援しているように見えなくはないですが、質問者の調査不足が露呈しかねない質問で、知っている人からすると「もうちょっと調べてきたらいいのに」という気持ちになります。

前市長と比べると今の市長はFacebookやInstagramでも情報発信していて、市長になる前からホームページやLINE公式アカウントでも情報発信をしていらっしゃいます。私からすると前の市長と比べてどころか、他の議員と比べても多くの手段で情報発信をされていて、その結果が毎回最多得票で当選して来られた実績に現れていると思っています。

という実態がありながら、「取組が見えない」というのは何を指して言っているのか、もう少し有権者側も自ら情報をとりに行くくらいリテラシーを向上させないといけないなと思いました。ついでに言うと、市長当選直後というのは4月なので、すでに前市長のもとで採択された予算案が走り始めている状態。真価が問われるのは2年目、つまり2024年度予算からなので、ある程度新市長の色合いが見えないのは仕方ないこと。こういった前提も押さえておかないと意味のない質問になってしまいますね。

私からの質問は

私からも質問をさせていただきました。その質問は「学力アップには何が必要と考えるか」というものです。別にこれをいい質問だと称えるつもりはありませんが、報告会の中で触れていた話題で、もう少し説明が聞きたいというものでしたので、一定のマナーは守れた質問になったと思います。

最後に

こういう場で求められる振る舞い(質問)ができる人って意外と少ないなと、いつも思います。無料で開催しているからかもしれません。場合によってはお茶代程度は払ってもらう形で有料開催にし、「勉強会」という形で開催するのがリテラシーアップには有効なのかなと思いました。

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