私は中高女子校出身だが、卒業後も仲良くしている人間は１人もいない。

しかし、卒業後に新規でできる友達も高確率で女子校出身者である。
私はこの先も一生6年間女子校で生きたという十字架を背負って生きていくだろう。
ちなみに６年間男子校だった人間に対してもやや仲間意識がある。偏見だが、AKB全盛期時代にガチのオタ活をしていたタイプの同世代男性は高確率で男子校出身者である。

やや仲間意識があるというのは、女子校や男子校に6年通っていた人間は共学出身の人間を「根本は面白くない奴」だと思っている節があるためである。
3年だけ女子校や男子校だった人間に対しても、「お前らとは違うからな」と思っている。これに至っては100%思っている。
我々は3年だけの人間が「女子校だったから」「男子校だったから」と言っているのを冷めた目で見ている。
これは全て感覚の話で具体性はないが、10代の多感な時期に6年という長い時間を偏った環境で過ごすことで、何かを失って何かを得るのだと思っている。
私はそもそもやや欠損部分のある人間かもしれないが、あくまで女子校のせいにしていきたい。

共学の人間を面白くないと思っている大きな理由として、女子校のヒエラルキーは面白さで決まるからである。

女子校はバラエティ番組と同じような構成でできている。1番権力を持っている子はバラエティ同様MCのような女子である。人望がありとにかく面白い子がクラスの覇権を握り、顔の可愛い子や賢い子やギャルを抑えてトップに君臨している。
顔の可愛い子や賢い子やギャルもそれだけでなく面白くないとクラスの雛壇の前列に座り続けることはできない。
その中にはモテるからとか、恋愛感情などが全くなくストイックに面白いかどうかで立ち位置が決まる空間があると思う。
こうして無意識にも面白至上主義者になっていくため、女子校出身者は価値観がズレていく。

私も不幸なことがあるとすぐエピソードトークとしてまとめて、友達に面白おかしく話そうとしてしまう傾向にあるので女子校に取り憑かれている一人なのだろう。

私の通っていた女子校は進学校と謳っているだけの呑気な女子校だったので、ギャルが非常に多かった。私は6年間のほとんどを仲は良いが趣味の合わないギャルとつるんでいた。
オタクの女の子ももちろん多かったが、中学の時後ろの席にだったタマキさんは頭の良さを盛大に無駄使いしており、彼女は大好きなアクアタイムズの歌詞をなんでも暗記していたり、ハリーポッターも原作小説の細かいところまで暗記していたため詳しすぎて誰もついていけなかった。
彼女はガラケー時代にネットを駆使しており、パケ放題でなければ月々の支払いが100万を越えると言っていた。
どうやったらそうなるのか、怖くて聞いていない。

彼女は高校に上がる時、県内で一番賢い公立高校に進学して行ってしまった。
（そのため私は宿題のノートを写させてもらえなくなった。）

中学の時SOLを聞いていた私は普通のバンドが組みたかったが、楽器ができる子がこぞって「けいおん！」や「東方Project」の影響を強く受けてしまっていてアニソンバンドしか選択肢がなく、全くアニメに詳しくないのにアニソンバンドを組んでしまった。
なまじ絵が描けたので、全くやった事はないが東方Projectの絵師をやらされ全くよくわからないままコミケに参加させられたこともある。
全くよくわからないまま作らされた東方の缶バッチは、そのブースの中ではまあまあの売れ筋商品となった。

あの頃バンドで歌っていた曲は今も歌えるが、知っているのは主題歌だけでゲームもアニメもいまだにどんなものだったのか知らないままである。

高校の時、つるんでいたギャルのグループの中にずっと人の悪口ばかり言っていた子がいた。
その子の悪口は秀逸で面白いものも多かった反面、傷つける内容も多かったが彼女の鋭利な言動は家庭環境の問題も孕んでいたためグループ内でも大目に見てあげるしかなかった。
その子は日頃から悪口を言いまくっているという自覚はあったため、ある日私に
「悪口っていうのはな、自分を全て棚に上げていうんだよ！」
と自身の悪口論を言い放ち、そんなに潔いことはないな。と感心してしまったことをこの先も忘れないと思う。

彼女は面白かったけど、あまりにも性格が悪かったので結婚したと聞いた時は何があって改心したのか、はたまた同じだけ性格の悪い伴侶を見つけ今も面白い悪口を夫婦で日夜繰り出しているのか。と考えてみたが

個人的には後者であって欲しいと思っている。