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「世界」

私が1番好きな映画を紹介します!

「世界」
原題:世界
英題:The World

脚本・監督:賈樟柯
音楽:林強
撮影:余力為
編集:孔勁蕾
出演者:趙濤、成泰燊

2004 日本、中国、フランス


この映画を最初に見たのは、学校の授業だったんですが、序盤から爆睡でした笑
映画といえば、スターウォーズとかバック・トゥ・ザ・フューチャーのようなエンタメ映画が好きだったので、速攻で夢の中へ…
気づいたら、エンドロールです。
レポート提出しなきゃいけないのに!!!
って慌てて、DVDを借りてまた家で見ることに。

2回目は寝ずに見れたんですが、何がなんだかさっぱり分からない。
この映画が何で評価されてるのかも、何が面白いのかも分からない。
レポートを書こうにも何も書けない。
解説を読んで、何回も見直しました。

《あらすじ》
北京郊外にあるテーマパーク「世界公園」で働く人々の物語。
日々変わってゆく中国。
踊っていても、立ち止まっても、世界は回り続ける…

《感想》
ダンサーである主人公タオが「バンドエイドない?」と舞台裏を歩き回りながら始まるファーストカット。
何気ないカットに見えるんですが、登場人物や関係性、いろんなことが説明されていて、どんな物語が始まるんだろう…ってドキドキ。
そんなカットから始まり、「北京を出ないで世界を回ろう」ってタイトル。
舞台である世界公園というのは、世界各国の名所を縮小して再現したものがある、テーマパーク。
そこで働く人たちは、一見、華やかな世界で生きているのかと思いきや、日本に住んでいる私たちと何ら変わらない生活を送っていて、同じような不安を抱いて生きている。
「世界」って、どこか自分とかけ離れたものだと思っていましたが、とても身近で、自分の半径1mくらいのことなんだな、と。
「世界公園」を舞台にすることによって、「世界」が遠いものに感じたり、近くに感じたり、すごい不思議な影響をあたえている気がします。

また、中国ということもあって、自由に海外へ行けないことへの諦めからの閉塞感や大都市と地方の格差、移民との交流。
デジタル時代への突入ということもあって、携帯電話の見せ方。
ジャジャンクーは、時代の切り取り方が本当に見事。
長回しで男女が話しているシーンの間の取り方も素敵だし…
音楽もめちゃくちゃ良い…

そして、絶望と希望に溢れたラスト。


「世界」を何回も見て、私の全てが180度変わっていきました。
もっと古今東西、年代問わず、いろんな映画を見よう。

「分からない」っていう衝撃は、私が映画を見る理由になりました。
分からない、知らない、見たことない映画と出会うために。

世界を見よう。
私にとって、いろんなことを気づかせてくれた特別で大切な作品です。

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