【本レビュー】傲慢と善良

傲慢=おごりたかぶって人を見下すこと
善良=嘘や偽り、ごまかしの無いこと

とにかく自分に投影して考えさせられ、その先が真実が知りたいとあっという間に読み終わってしまった。

私を含め、世の中の人は自分なんてって自己肯定感が低いとか、ストレスに弱かったりとか自分を蔑む人が多いけど、その内側には、自分に一番甘くて、自分が一番大事で、いつの間にか相手にばっかり、周りにばっかり求めて、無意識のうちに自己評価は高くなってる。

自分もこれまでの人生そうなってたかと思うと怖い。
等身大って何なんだ。
自分の身の丈にあった相手って。誰の評価なんだ。
善良な判断が誠実じゃない時だってある。
むず!傲慢な境地を渡る前に、客観的に自分を観る。
相手の全体を、角度を変えて観る。想像し、自分を持つことがやっぱり大事だ。

解説にあった言葉をメモ。

〈この世の中に、「自分の意思」がある人間が果たしてどれだけいるだろう。
真実を責めることができる人間が一体どれほどいるというのだろうか〉、、、
どこまでが自分で、どこからが社会なのか。
どこまでが理性で、どこからが本能なのか。
これまで私たちが選んできた何もかもは、果たして本当に自分の意思で選択したものなのか、名もなき大いなる流れの中で選択させられたものも多いのではないか、、、、

自分に正直にって本当はとんでも無く難しくて、難しく考え過ぎているのかもしれないけれど、自分の真実を理解して進むことって簡単なことじゃ無い。
でもそうやってもがくからこそ自分を知ることになる。
人を知ることができる。また一つ進める。
全てに善良で無くてもいい、自分の意思がそこにあれば。

傲慢と善良
辻村深月
朝日文庫
2022-09-07

2023.9.29読了

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