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鼻毛なるもの、いとおかし/漱石の鼻毛エピソード/夢十一夜

2月の第1週目にあったことー。

鼻毛なるもの、いとおかし

職場で、スゴ腕デザイナーМ嬢が
「あ」と声を上げた。

「え」と、彼女のパソコン画面をのぞき込む。
さる高名な学者先生の尊顔が大写しになっていて、
1本の鼻毛がニョッキリと伸びていた。
「おーっ」と職場の面々が集まった。
「1センチはあるんやない?」
「カールしてるやん!」

こうゆー時の編集者って、口が悪い。
成功した人たちの恥部を発見して揶揄し、
ストレス解消しているところがある。
政治家だったらなおさら、減らず口は
止まらなかったはずだ。

「鼻毛問題」は、この学者先生だけではない。

大企業の社長をインタビュー&撮影した後、
あがってきた写真に、おったまげる時がある。
「バカボンパパ」のような鼻毛が突き出ているのだ。

声を大にして言いたい。
「秘書」のお仕事をされている皆さん!
ボスが取材を受ける前には、
鼻毛をチェックして!

漱石の珍なる鼻毛エピソード

鼻毛といえば、かの夏目漱石先生も
原稿に行き詰ると鼻毛をむしり、
原稿用紙の欄外に一定間隔で並べていたらしい。

その鼻毛付き原稿用紙を
門下生だった内田百閒は大切に保管していた。

漱石のモデルといわれている
「吾輩は猫である」の苦沙弥先生も鼻毛を抜く癖がある。

漱石なら、撮影されても
鼻毛は映らなかったはずだ、などと
たわいのないことをつらつらと考える。

薄毛も二重あごも修正してしまうM嬢は
学者先生の鼻毛を秒殺で
消してしまった。

夢十一夜

こんな夢を見た。
(漱石先生の「夢十夜」ならぬ…?)
鼻毛先生…いや、学者先生がモアイ像そっくりの
巨人になって海辺に立ち尽くしていた。

私は、学者先生の足にかじりついていた。
汗だくでじりじりとその体を這い上り、
彼の鼻孔からにょっきりと突き出ている極太の鼻毛に
飛びつくのだ。
ターザンのごとく。

やがてー。

「ブチッ」と大きな音がして、
私は鼻毛とともに地面に叩きつけられた。

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