お蝶さん

編集者・ライター。広島を拠点に、映画や演劇などの芸能、医療関係を主に取材、執筆していま…

お蝶さん

編集者・ライター。広島を拠点に、映画や演劇などの芸能、医療関係を主に取材、執筆しています。何より、本と映画、演劇が大好きです。最近は戯曲の勉強をしています。環境問題にも関心があります。

マガジン

  • ipadでcinema&theater Diary

    ipadを購入!GoodNote5を使って、映画や演劇の感想をつづっています。私も戯曲を執筆&勉強中なので、見続けた作品をmemo。お話づくりの参考にしています。

  • #エンタメ

    演劇、映画関係者を中心に取材し、紙の媒体やウエブに掲載した記事や試写会などのレビューを紹介しています。個人的な感想もアリ。

  • #ウィークリーエッセイ

    エストロゲンが減り始めた年頃の妄想系日記ならぬ、ウィークリーダイアリー。日常のつぶやきをつづります。

  • #ブックレビュー

    小さい頃から本ばかり読んでいました。物語の世界に逃げ込み、遊ぶのが大人になった今でも好きでたまりません。コロナ禍の最近は特に、「物語」の力について考えるようになりました。「物語」があるからこそ、私たちは救われているんだと感じています。本を読む時間を改めて、大切にしていこうと思っています。

  • #私のSDGs

    地球環境のために、私たち一人一人に何ができるのだろう。ヒントを探るため、環境問題や地球に優しいライフスタイル、資源の節約につながる記事を蓄積してみます。

最近の記事

鬼才アリ・アッバシ監督が描いた聖地の16人娼婦連続殺人事件。映画『聖地には蜘蛛が巣を張る』

    • 自作の戯曲『わたしのそばの、ゆれる木馬』がリーディング作品に。配信中!

      およそ1年かけて書いた初めての長編戯曲「わたしのそばの、ゆれる木馬」が第28回劇作家協会新人戯曲賞(該当作なし)佳作に選ばれ、新人賞を主催する日本劇作家協会がリーディング作品にしてくださいました。現在、YouTubeで配信中です。 主人公は、私と同じ1960年代に生まれた花子という平凡な女性。幼い頃、山口百恵ちゃんの歌謡曲が大好きだった少女は、就職、結婚、出産などのライフイベントを通過する中で、自分自身を生きづらくさせる価値観にぶつかり、もがきます。 そんな花子には、花子

      • 林真理子著『ビューティーキャンプ』(2016年)

        忙しさのあまり、noteが開けない、書けない。 オーディブルで朗読を聞いたり、短い戯曲は読んだりしていても、いつものように感想メモを残しておく時間がない。 何かに残さないと、読後直後でも別の刺激にさらされたら、私の意識は別の方へ飛んでいってしまってしまうー。そう思い直して、作品の芯だけでも書き記しておこう。 林真理子さんは以前から大好きな作家で、最新刊の「小説8050」が気になって仕方ない。そんなことを考えながら図書館でふと手にしたのが「ビューティーキャンプ」だ。ミス・ユ

        • 2021年ブックレビュー『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著)

          この本が書店で平積みになっていて、「全米で500万部突破」というポップ広告にめちゃくちゃそそられた。2021年本屋大賞の翻訳小説部門1位になったと聞いて、わくわくしながら手に取った。 ノンストップで読んでしまう、期待通りの読み応えだった。物語の舞台は、米国ノースカロライナ州。ある湿地で、若い男性の死体が見つかる。湿地近くの町の人々は、「湿地の少女」と呼ばれるカイヤという女性に疑いの目を向ける。6歳のとき、貧しさのために両親や兄弟に捨てられたカイヤは、たった一人湿地で生きてき

        鬼才アリ・アッバシ監督が描いた聖地の16人娼婦連続殺人事件。映画『聖地には蜘蛛が巣を張る』

        • 自作の戯曲『わたしのそばの、ゆれる木馬』がリーディング作品に。配信中!

        • 林真理子著『ビューティーキャンプ』(2016年)

        • 2021年ブックレビュー『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著)

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        記事

          2021年ブックレビュー『だって、女子だもん』(雨宮まみ対談集)

          AVライターで、作家の雨宮まみさん(故人)が書いた「女子をこじらせて」は、「女子」の生きづらさと向き合い、赤裸々に自分の劣等感や性欲、自意識を語っていて、共感しながら読んだ。 その雨宮まみさんが、やはり「こじらせ気味(?)」の女性とのトークを繰り広げた対談集。対談の相手は、峰なゆかさん(ライター、漫画家)/湯山玲子さん(著述家、ディレクター、プランナー、プロデューサー)/能町みね子さん(漫画家、著述家)/小島慶子さん(コラムニスト)/おかざき真理さん(漫画家) 中でも、能

          2021年ブックレビュー『だって、女子だもん』(雨宮まみ対談集)

          2021年ブックレビュー『星の子』(今村夏子著)

          芥川賞受賞作の「むらさきのスカートの女」を読んで以来、今村夏子さんのファンになった。読みやすくて、なんだかおかしい、クスッと笑ってしまう「書き味」が好きだ。芦田愛菜ちゃん主演で映画にもなった「星の子」(大森立嗣監督)も、「むらさきのスカートの女」と同様のおかしみと一抹の哀しみが魅力的な作品だ。 中学生のちひろは幼い頃、病弱だった。藁にもすがりたい両親は、あやしげな新興宗教にのめり込む。ちひろが成長し、健康になっても、親戚たちから総スカンを食らっても、信仰心は募るばかり。「金

          2021年ブックレビュー『星の子』(今村夏子著)

          2021年ブックレビュー『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティ著)

          この名作推理小説を、これまで読んでいなかったとは。自分でもびっくり。 「クローズドサークル」と呼ばれる「絶海の孤島」を舞台に、「マザーグース」の童謡「十人のインディアン」の通りに繰り広げられる見立て殺人。 こんなミステリーが1939年に生まれていたとは、改めて驚いてしまう。日本では、「見立て殺人」を扱った横溝正史の「獄門島」が1948年、「悪魔の手毬唄」が1959年。さすがは、ミステリ―の女王。 オーエン夫妻という謎の人物から招待を受けた8人の男女がイギリスの孤島「兵隊

          2021年ブックレビュー『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティ著)

          2021年ブックレビュー さとうみつろう著『神さまとのおしゃべり』

          1カ月ほど前から、Amazonのオーディオブックサービス「オーディブル」を利用し始めた。おデブにならないように、オーディオブックを聴きながら夜の街をウォーキングしている。 オーディオブックが意外に新鮮だ。普段パソコンで目を酷使しているので、読まないで本の内容を把握できるのはありがたい。 先日、聞き終わったのが、オーディブルの無料サービスで聞けた「神さまとのおしゃべり」。「笑えるスピリチュアル」というブログで人気の作家・さとうみつろうさんの実用エンタメ小説。ダメダメサラリー

          2021年ブックレビュー さとうみつろう著『神さまとのおしゃべり』

          4月のエンタメ記事ー舞台「白昼夢」の作、演出赤堀雅秋さん、舞台「アユタヤ」の作・演出土田英生さん、ドラマ「アオイウソ~告白の放課後」

          勤務している編集プロダクションの仕事仲間と4月から、noteを書き始めました。 自分のnoteが疎かになってしまって、イカンイカン…。 というわけで、まとめ記事。 4月に仕事で書いた演劇関係のインタビュー記事2本と、オシのドラマを紹介します。 以前から気になっていた劇作家で演出家、俳優の赤堀雅秋さんに、新作舞台「白昼夢」について話を聞きました。父の臨終で感じた無常観が、その後の劇作に影響している、と赤堀さんは話してくださいました。「白昼夢」も、人間のおかしみや哀しみがたく

          4月のエンタメ記事ー舞台「白昼夢」の作、演出赤堀雅秋さん、舞台「アユタヤ」の作・演出土田英生さん、ドラマ「アオイウソ~告白の放課後」

          2021年ブックレビュー『トロイ戦争は起こらない』(ジャン・ジロドゥ著)

          戯曲を学ぶようになって、ハヤカワ演劇文庫を少しずつ読んでいる。リアルで見られなかったとしても、最近では配信も含めて映像で演劇を観られる機会は多い。名作舞台は、映像を見た後では何か満たされず、テキストで確認したくなるものだ、という感覚が最近分かってきた。翻訳劇は特にそうだ。 ハヤカワ演劇文庫には、海外の名作がそろっている。先日も、NHKBSの『プレミアムステージ』で風間杜夫さん主演の『セールスマンの死』(アーサー・ミラー作)を見た後、ハヤカワ演劇文庫でテキストに目を通してみた

          2021年ブックレビュー『トロイ戦争は起こらない』(ジャン・ジロドゥ著)

          2021年ブックレビュー『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子著)

          田中裕子さん主演の映画『おらおらでひとりいぐも』(沖田修一監督)を観て、原作はどのように表現されているのだろうと興味を持った。映画では、主人公桃子さんの内なる「柔毛突起」を浜田岳や宮藤官九郎、青木崇高の男性俳優が演じていた。「おらだば、おめだ」「おめだば、おらだ」の名調子も、桃子さんとこの男3人が呪文のように唱えてコミカルに踊っていた。 若竹千佐子さんの原作を読み、面白さと深さに驚いた。2018年に芥川賞を受賞した時は、若竹さんの年齢(63歳)と青春小説の真反対である「玄冬

          2021年ブックレビュー『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子著)

          2021年ブックレビュー『三人』(桝本壮志著)

          放送作家として活躍中の桝本壮志さんの初の本格小説。読み進むうちに、引き込まれていった。テーマは、いい意味で「人は変化できるのか」。「成長」というより、「変わることができるのか」といった方が、なぜかしっくりくる。 さほど売れていない34歳芸人の「僕」は、売れっ子芸人の「佐伯」と放送作家の「相馬」とシェアハウスで暮らしている。3人は芸人養成所の同期だ。「僕」は自分だけ仕事がない状況に、じりじり焦りながら佐伯、相馬と暮らしている。 焦りや嫉妬、プライドの高さから素直になれない「

          2021年ブックレビュー『三人』(桝本壮志著)

          2021年ブックレビュー『安寿子の靴』(唐十郎著)

          劇作家・演出家の唐十郎さんを特集した番組を観たとき、あるNHKの単発ドラマを思い出した。唐さんの脚本で、長男の大鶴義丹さんが主演した「安寿子の靴」(1984年)という作品だった。中島みゆきの主題歌まで、なんとなく覚えている。 このドラマがなぜ、いつまでも記憶に引っ掛かっているのかよく分からない。検索してみると、ドラマの基となった短編が出版されていた。 ある春の日、中学生の十子雄は京都の鴨川で9歳の少女と出会う。名前も言わず、しつこくつきまとう少女を十子雄は持て余す。十子雄

          2021年ブックレビュー『安寿子の靴』(唐十郎著)

          ◎息子のパンツをいつまで買い続けるか問題

          2月の最終週にあったことー。 無印良品の衣料品売り場で、メンズのボクサーパンツが 2枚で790円になっていた。 普段は990円なのに! 反射的に、買い物かごに2つ放り込む。 そして、東京で暮らす息子にメールする。 「おパンツ買っとくね」。 「ありがと~」の即レス。 なぜ22歳にもなる長男のパンツを 離れて暮らしている私が買うのか。 もちろん彼がズボラだから。 しかし、単に「ズボラ」だけが理由ではない。 彼が「俳優」だからだ。 彼はゴムがビヨビヨ~ンのパンツを いつま

          ◎息子のパンツをいつまで買い続けるか問題

          2021年ブックレビュー『ののはな通信』(三浦しをん著)

          三浦しをんさんは、好きなエンターテインメント小説家の1人だ。箱根駅伝を題材にした「風が強く吹いている」はとても好きだった。何て表現したらいいのか迷うのだけど、「エモさ」がわざとらしくなくて私には心地よい。 「ののはな通信」は、ミッション系の高校に通う女の子2人の手紙のやりとりだけで物語が進む。その2人とは、庶民的な家庭で育ったクールな野々原茜(のの)と外交官の父を持つ天真爛漫な牧田はな。とてつもなく仲良しのののとはなは、毎日のように手紙をやりとりしている。やがて友情(と思っ

          2021年ブックレビュー『ののはな通信』(三浦しをん著)

          プレイバック百恵ちゃん

          2月の第3周目にあったことー。 録画していたNHKの「伝説のコンサート 山口百恵 1980 10.5 日本武道館」を正座して見る。私は子どもの頃から、百恵ちゃんのファンであった。淳子ちゃんでもキャンディーズでもなかった。 映像の中の百恵ちゃんは、神々しく美しかった。結婚を控えた21歳に幼稚さはなく、そして引退の感傷にも浸らず、大人の女性として、堂々とした歌いっぷりだった。 百恵ちゃんの、「幸の薄さ」を帯びた「地味」な美しさが好きだった。 ドラマ「赤いシリーズ」などは、

          プレイバック百恵ちゃん