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灯籠流し

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気づかずにいた思いや過去のことを綴った記事をまとめています。灯とともに、電子の海に解き放ったとき、そこにみえるものは・・・
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記事一覧

記憶の扉をひらくとき

ここ数日で一気に気温が上がり、体がそれについていこうと毎日必死です。 薫る風の季節は一年の中でも好きな時期ですが、あっという間に過ぎて行ってしまったように感じます。 先日ふと、懐かしい人に連絡を取ってみました。 最後に会ったのはもう数年前、感染症が流行し出すよりももっと前です。 メッセージを打ち終える。 どきどき。 こんな文でいいのかな。 最悪、返事が来なかったらどうしよう… 時計の秒針が少しずつ進んでいく、私の中ではよくあるあるな時間。 えいっ!と送信ボタンをぽちっと

王子様役の女の子

自分の心の中にいるインナーチャイルドと向き合う、大人の私と小さなわたしの自己対話。 3回めは5歳のときのわたしです。 (以前の記事はこちら↓) 通っていた幼稚園では年に一度、クラスごとの演劇発表会が行われていました。年少のときのわたしのクラスの演目は白雪姫。 役決めをする前のことです。 クラスの女の子たちが何人か、わたしの元へやってきてこう言いました。 「mikunaちゃんは背が高いから、白雪姫の役はほかの(背が低い)子にやらせてあげてくれる?」 当時のわたしは背

手紙のあて先

大人になった今でも、何かの拍子に心の中に引っ掛かるものを感じることがあります。そこから繋がる記憶はどういったものなのか、そのときどんなことを感じていたのか。 出来事を覚えていても、 そのときの感情を思い出せないことがあります。 出来事を振りかえりつつ 「もしかしたらあのとき、こう感じていたんじゃないかな?」と 今の私とこどものわたしと、心の中で対話しながら、そのときの気持ちを「言葉」に結び付けるお手伝いをする。 今回は8歳ごろのわたしと向きあってみようと思います。 (

小さな積み重ねが実を結ぶとき

数年前に、わたしが養護施設に勤めていたときのことです。 ある年、小学校低学年のAちゃんが施設に入所してきました。 入所したての頃は、少し不安げな表情を見せたり、きょとんとしていることが多かったのですが、時間が経つにつれ、徐々にAちゃんの本当の顔が見え始めてきました。 なにか思い通りにならないと癇癪を起したり、他の子に手を出してしまう。1度わーっとなるとなかなか収まらず、ひと通り泣き喚いたあとは心ここにあらずな状態になる。 いずれも入所前の引継ぎで知っていたものの、実際の

ここにいていいんだ、と思えた場所

先日、用事があって卒業した通信制高校の近くを訪れていました。 通信の他にも全日・定時の課程がある学校なのですが、平日の昼間にも関わらず生徒の姿が見当たらなかったので、どうしたのだろう・・・と思いつつも、当時と変わらない校舎を見ると、いろんなことを思い出しました。 時を遡って、わたしが高校生の頃のこと。 中学校を卒業して、初めは全日制の高校に進学しました。同じクラスで仲が良くなった4人組で放課後、駅の近くでお茶をしたり遊んだりして、何の変哲もない学校生活を送っていました。

祖父と過ごしたさいごの夏休み

早いものでもう9月がやって来ますね。 日中は相変わらず暑さがきびしいですが、朝夕の風が少し涼しくなったかな?と肌に触れる感覚が変わった気がするこの頃です。 さて、今日は以前書いた祖父との思い出話の続きを、自分の心の中の整理も兼ねて、綴ってみたいとおもいます。 今回の記事には人の死にふれる内容がふくまれます。ですので、この先はご無理をなさらないでいただければ・・・とおもいます。(そして、文が長くなってしまったので、2000字程度ずつ前後に区切りました) それでは 進めて

祖父と過ごす夏休み

数年前の夏のこと。 夏休みを利用して祖父の家を訪ね、数日間いっしょに過ごすということが恒例になっていました。 そのときの思い出を綴ってみたいと思います。 東北のとある県。 東京駅から2時間ほど新幹線に乗り、最寄駅から30分ほど車を走らせていきます。運転するのは年に数回あるかないかなので、緊張でどきどきどき…。 山道で交通量はあまり多くないのですが、やたらとスピードを出してくる車や、タンクローリーが通っていたりしてこれが結構こわいです。 車の中で「もうやーだーあおらないで

想いは巡る

先日、以前勤めていた養護施設を退所したこどもたちと、会う機会がありました。そのときに思ったこと、感じたことや、昔の記憶がいまへと繋がったことを言葉にしてみたくて、これを書いています。 すこし長くなってしまうかもしれません。 読みづらい部分もあるかもしれません。 もしよろしければ、お付き合いいただければと思います。 先生からもらったもの 時は遡ること十数年。 わたしが中学生のときです。 家庭の事情で精神的に参ってしまい、学校へ行けない日が数日、1週間、1か月・・・と過ぎて

こどものわたしと大人の私が手を繋ぐとき

インナーチャイルド、という言葉があります。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、「内なるこども」や「傷ついたこどもの心」のことを指します。 私自身も以前、そんな内なる自分と向き合ったことがあります。 そっと目を閉じて内なる自分を思い浮かべたもののそれっきり、中途半端な状態にしたまま、時間だけが経ってしまいました。 このままでいいのかなあ…なんて頭の隅に残っていたけれど、ちゃんと向き合ってあげたい。ふとそう思いました。 普段は何かと後回しにしがちなタイプですが、これは今が

いのちの持つちから

我が家では観葉植物のガジュマルを育てています。 6年ほど前にお店で見つけ、そのまるっとしたかわいらしい姿に惹かれて購入しました。 部屋の中に緑があると、なんだか落ち着きます🍀 ガジュマルは沖縄などの亜熱帯地方に生息している植物で、キジムナーという精霊が宿る木なのだとか。 日の光を浴びて木の枝が伸び、すくすくと育っていく様子に癒されています。 暑い時期には水をたっぷり与えると、きゅう~っと音を立てながら土にしみこみ、日に日に新しい葉をつけていきます。葉にそっとふれると、み

好き、と素直に表現できること

皆さん既にご存じですが、noteの「スキ」を押せる機能。 すごく素敵だなあと改めて思います。 この記事いいな 共感する~ 面白い! こころに響く 色んな思いを込めてスキのハートを押されるかと思います。 私は自己開示が苦手です。 今では食べ物や飲み物、動物にアニメに…と色んな好きなものを話せるようになりましたが、昔はそのようなことさえ、人に伝えることができませんでした。 自分を出したことで、誰かに否定された。 笑われた。 非難された。 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ ひ