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“いつでもどこでも働ける”の罠

「ホントに片時もスマホを離さないねぇ」

実家に帰ったとき、母が言った。

仕事だもん、と半分ホントで半分ウソのことを言ったら、

「フリーランスって自由な時間がないんだねぇ」

と言われた。それはまさに、わたしが最近感じていたことでもあった。

アナログだった会社では、リモートで仕事をすることが物理的に不可能だったので、土日に連絡が来ることが限りなくゼロに近かった。

会社用携帯を土日に持ち歩くこともほとんどなかったし、何なら退社後に見ることもなかった。

でも、IT企業だとそうはいかない。逆に、いつでも連絡がつかないと仕事に支障が出るし、土日だろうが退社後だろうが、ゆるゆると連絡を取ってしまう。

そして、そこに仕事という感覚はもはやない。プライベートでLINEをするような感覚だ。

もし、仕事の連絡を返すことが仕事に換算されるのであれば、わたしは毎日仕事をしていたことになる。

同様に、フリーランスになった今でも、自分のなかでは休んでいても、仕事の連絡を返さない日はない。SNS投稿をしない日もない。

いつでもどこでも働ける、というのは一見自由を謳っているようで、いつでもどこでも完全な自由にはなれない、ということだ。

そもそも何を指して「自由」と定義するかだけれど、フリーランス=完全な自由とはちょっと違うかもしれない。

プライベートと仕事をきっちり線引きせず、つねに頭の片隅にちょこんと仕事が正座しているのを許せる人が、きっとフリーランスが向いている人なのだと思う。

お母さんはそれを、不憫に感じているようだけど、もうちょっとうまくやれば、スマホを離せる日も1日くらいは作れるかもなあ。

フリーランスは自由じゃないかもしれないけれど、そのなかでもっともっと自由になれるスキルをどんどん身につけていきたい。

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