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小学校で「ナッジ」を悪用しないために気をつけるべき3つのポイント~「スラッジ」〜

「ナッジ」は決して便利な操り道具ではない


ナッジ(nudge:肘で小突く)とは、
意思決定者に判断や意思決定を
自由に行わせる余地を残しつつ、
よりよいと考えられる選択を
後押し
するための工夫を指します。

このナッジの悪用は一般的に「スラッジ」「ダークナッジ」
または「マリプラクティブナッジング(悪意のあるナッジング)」
と呼ばれることがあります。
これは、個人の自由な選択や利益を無視し、
他者の目的を達成するためにナッジの技術を用いることを指します。

学校教育において考えられるナッジの悪用は、
以下のような場合に起こり得ると考えています。

  1. 操作的目的 子どもの自主性や利益よりも、教師や学校の目的を優先する場合。

  2. 選択の制限 子どもの自由な選択を制限し、特定の行動を強制する場合。

  3. 透明性の欠如 子どもにナッジの目的や方法を隠し、秘密裏に行う場合。

いかがでしょうか?

これ、
実は学校教育の現場において、
よくみられる・・・とまでは言いませんが、
ついついやってしまう行為の一つではないでしょうか?

保護者や教師が子どもの利益のために、
子どもの選択を指導または制限することはよくあります。
(俗にいうパターナリズムという概念ですね)
よかれと思ってついつい言ってしまうこと、ありますよね。
もちろんそれが全て悪いわけではありません。
何事もバランスが大切というわけです。
例えば、学校での校則や安全規則は
子どもの安全と福祉を守るために設定されますが、
これらの規則が厳しすぎると、
子どもの自己決定能力や独立性の発展を制限する可能性があり、
最近何かと話題にあがることも多いと思います。

この掃除ナッジの「ナッジ」を
もし悪用したらどうなるか。
さきほどの3点に当てはめて考えてみましょう。

  1. 生徒の選択を無視: 子どもが掃除の方法やタイミングを自分で選ぶことなく、教師が強制的に指定する。

  2. 圧力や罰を伴うナッジ: 自己評価が低い生徒に対して罰や否定的なフィードバックを与えることで、子どもを圧迫する。

  3. 目的の隠蔽: 掃除の目的を透明にせず、子どもが自分たちで決定したという錯覚を与えながら、実際は教師の意図に沿った方向に導く。

うーん。
これは問題になりますね。
なんだか文面をみているだけでも、
嫌な気持ちになります。
ですし、実際、これをやっていると
「掃除ナッジ」はうまくいきません!(キッパリ)
もちろん守れば大丈夫です。

ただですね。
現場は意外と余裕がありません。
私もよく強制してしまうことはありましたし、
「掃除ナッジ」を始めてからも、
つい小言を言ってしまうことはあります。

大事なのは
今悪用してしまっているな」と
自覚できることだと思います。

今私は「ナッジ」という皮をかぶって
お話をしているだけで、
熟達された先生方は
「当たり前じゃないか」と
思われる内容だと思います。
概念として知っていただけると、
皆さんの学校でもナッジしやすい環境が作れるのではないか
と思い、本記事を書かせていただきました。

まだまだ書き足りないのですが、
「文才のない長文は最悪だ」
という名言をいただいているので、
これにて失礼します。

また次の記事でお会いしましょう。


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