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学校の清掃指導、もう悩まないそうじナッジ【行動経済学×学校教育】

そうじ指導を通して考える教師像

そうじを静かに集中してできる学級は良いクラス?

「給食を完食できるクラスは良いクラスである」と同様に「そうじを静かに集中してできるクラスは良いクラス」という教育界の常識を、教師であれば誰もが一度は耳にしたことがあるかと思います。

そしてこのような「謎の常識」に囚われ、教師は「子供はこうあるべき」という指導に陥り、教師の言うことを聞く子どもが「良い子ども」として評価されるようになります。

そもそも、子どもは教師の評価の道具ではない

そもそも「良いクラス」が一律で決まるわけがありません。子どもにそれぞれ個性があるように、クラスにも個性があります。スタートアップが完全に同じ条件のクラスなどこの世に二つと存在しません。

「給食を完食できるクラス」と同様に私は「自分で考え、決め、行動するクラス」に同じくらいの価値があると思います。それは教師の大切にすべき価値であり、子どもを評価する道具ではないことを、重々理解する必要があります。

あなたが大切にしたい「そうじ指導の目的」は?

「では、全ての価値を、目的を大切にすればよいのでは?」と思うかもしれないが、それは困難を極めます(あと疲れます)。「そうじナッジ」で説明したいと思います。

一般的なそうじ指導の目的は、
・協力し合い、清潔で気持ちの良い学校にするため
・快適な環境をつくることで愛校心を育てるため
・自立的な生活態度を育てるため 
のあたりだと思います。

そうじナッジの目的は、
自分で考え、決め、
行動を繰り返す価値を感じるため
 
です。

よって、協力せず、気持ちの良いそうじをしないことも受け入れる必要があります。本人が決めた決定を尊重する必要があります。これは一般的な掃除指導の目的と相反してしまいます。

じゃあ、そうじナッジって何も言わないだけ?

いいえ違います。本人の意思決定は尊重しますが、そのままではいけません。そうじナッジで大切なのは「ありのままでよいが、そのままでよいわけではない」ことを伝えます。

C(掃除をきちんとできなかった)という自己評価ができたことを認めつつ、心から「明日応援しているね」「先生にできることは何かある?」とサポートの姿勢を示し続けます。そばで一緒にそうじすることもよいでしょう。
S(掃除を頑張った)の子には、その分承認の言葉を欠かしません。「いやぁすごいなぁ」「よい決定ができたんだね」「いい顔してるね」など色々な言葉をかけます。

ただそれだけの繰り返しです。

そうじナッジで身に付ける自己指導能力

昨年度改訂された生徒指導提要で重要視されている自己指導能力とは以下の力を指します。

生徒指導は,学校の教育活動全体を通じて,児童生徒の自己指導能力を育成することを目指します。 自己指導能力とは,「その時,その場でどのような行動が適切であるか自分で考えて,決めて,実行する能力」であり,適切な行動とは「自分のためにもなり,他の人のためにもなる行動」と捉えることが できます。

生徒指導提要より

この能力を育成するには、以下の4観点の充実が重要になります。
・「自己存在感の感受」
・「共感的な人間関係の育成」
・「自己決定の場の提供」
・「安全・安 心な風土の醸成」

この4観点全てそろうことが「そうじナッジ」の最大の強みです。まだまだ語りきれない良さがそうじナッジにはあります。またそれは別の記事で。

あなたが大事にしたい指導の目的を忘れずに。
そしてそれを「語れること」が重要です。

指導の流れと資料、お渡ししています

・そうじ指導の正解探しからの脱却
・「ちゃんとやりなさい」というモグラ叩き指導からの解放
・失敗を受け入れる教師のマインドが自然と育つ
・失敗を受け入れる安心なクラスが自然と育つ
・正しい自己評価をする価値を知ることができる
・教師が「何のために?」という目的を意識できる

コメントいただければ、メールにて資料を送らせていただけます。3学期から実践されても効果があった先生もいますので、いつでもご連絡ください。

ではまた次の記事で。


そうじナッジ↓(これで掃除指導の悩みから救われました)

あいさつナッジ↓(ナッジの中で一番簡単かつ楽しいです)

サポートナッジ↓(課題のある子が自ら変わる、画期的なナッジです)


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