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学校で使えるナッジ理論のデフォルト【行動経済学×学校教育】

こんにちは。
今回の記事では、普段なかなか詳細にナッジ理論を解説できないので、詳しくご紹介していきたいと思います。

今回は、私がよく使うナッジ【デフォルト】について解説を行いたいと思います。

【デフォルト】の有名な成功例


臓器提供の【デフォルト】

「デフォルト」とは?
人々が何も選択しなかった場合に自動的に適用される標準の選択肢のことを指します。

  1. 自分から臓器提供を申し出るタイプのデフォルト

    • 臓器を提供したい人は自分から「提供します」と言わなければなりません。

    • 日本やドイツではこの方式です。ここでは、臓器を提供したい人は、自ら提供する臓器を選択する必要があります。

  2. 反対しない限り臓器提供するタイプのデフォルト

    • みんなが初めから自動的に臓器提供者になります。しかし、「提供したくない」と言えば、その意見は尊重されます。

    • スペインやイタリアではこの方式です。反対しない限り、自動的に臓器を提供することになります。

3. 臓器提供者の数の違い

  •  自分から申し出る方式の国では、臓器提供者が非常に少ないです。自分から「提供します」と言う人が少ないからです。

  • 反対しない限り提供する方式の国では、臓器提供者が多いです。なぜなら、みんなが自動的に提供者になるからです。

http://www.dangoldstein.com/papers/DefaultsScience.pdf

このように、デフォルト理論は強大な力をもっていますが、使用する際には注意が必要になります。

【デフォルト】を使う際に気をつけること


臓器提供の「デフォルト」の場合は、「臓器を提供して欲しい」という意図が丸見えであり、「多くの患者を救いたい」目的に共感しやすいという特徴があります。臓器提供のHPやカードにもその旨が記載されていることもポイントです。

一方、コロナ禍のワクチン接種を促したナッジは、「接種を受けます」というデフォルトと「目的の信頼度、共感度」が釣り合っておらず、ナッジされることに違和感をもたれた人が多くいたと思います。

それに加え、本来ゆるやかに背中を押すはずのナッジが、医療現場逼迫のため、短期間かつ半強制的な接種を促さざるをえませんでした。

接種する・しない、どちらの考えも尊重されているナッジではありましたが、「目的の信頼度、共感度」が担保されない事象に対する短期間のナッジは非常に難しいものでした。

ゆるやかに目的の信頼度、
共感度を高めることが重要

まとめ

デフォルトは、ある意味「押し付け」ともとれます。しかし、子どもがデフォルトの目的に共感できている時は、素晴らしい効果を発揮すると思います。
ぜひ活用してみてください。


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