学校教育におけるナッジとその作り方③【行動経済学×教育】
「教室ナッジ」が作られるまで
ナッジを作る手順を説明します。
そうじナッジで簡単に例えてみましょう。
①子どもたちの行動を観察する
・見てないところでサボったり、どうしてもやらなかったりする子どもがいる。
・いろいろなそうじ指導法を試すも、しっくりこない。
②行動経済学で分析する
・そうじをするべきだとはわかっている。
・友達とじゃれあうという目先の利益が優先される。
③どんなナッジがよいか、考える。
・自制心を活性化する社会規範ナッジ
(そうじ終わりの自己評価の共有)
④効果を検証し、修正する
・C(ふざけてしまった)に批判的な言葉をかけない
・S(しんけんにできた)の気持ちを聞く
・時々目的を確認する
⑤子どもが変化する
・自分達のそうじを客観視できるようになった
・C(ふざけてしまった)が0人、A、Sが増えた
・子ども同士が高め合う、支え合えた
・勉強以外で「できた」の自己効力感を高められた
よいナッジの作り方
ナッジを作るならば、やはりそれがうまくいって欲しいものです。
そこで、以下のフレームワークを意識しながら、ナッジを作ります。
そうじナッジで確認してみます。
①簡単ですか?手間がかかりませんか?
・毎日、自己評価は1分で終了します
・プロジェクターに映して数字を入力するだけです
(ちなみに資料の作成時間は5分です)
②人の注目を集めるものですか?
・プロジェクターで共有します
・そうじではなく「よりよい意思決定」を目指すことを強調し、価値づけます
・Sに感想を聞きます
・Cに強制はせず、何か手伝えることがあるか、尋ねます
③社会規範が効いていますか?
・周りがどのようにそうじをしているかを数字で客観視できます
・振り返ることで、自分の立ち振る舞いを考える機会が生まれます
④ベストのタイミングでやってますか?
・そうじおわりにすぐ行います
・休み時間に重ならないよう、終了3分前には教室に戻るように設定しています
至極簡単なものですが、
簡単なままで上手くいくならば、
甘えたいと思います。
どんなナッジも
「教師の都合よく子どもをコントロールするため」ではなく、
「子どものよりよい意思決定をサポートするため」に使うことさえできれば、
そのパワーは何倍にも膨れ上がるでしょう。
今回はここまでとなります。
次回は続編として
・ボトルネック(悪影響)を見つける
・ボトルネックに対するナッジを選ぶ
をご紹介します。
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