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アオイノゴモン(2/5)――『響け!ユーフォニアム2』における機微の兆候

(メモ) このエントリーは、TVアニメ『響け!ユーフォニアム2』についての考察の連載記事です。全5回の予定で更新は不定期、今回は第2回です。第1回目はコチラですので、よろしければそちらからお付き合い下さい(なお、完結後には一つの記事にするなど手を加えるかもしれません)。

   全体の構成(予定)
1.妹の不平、姉の煩悶(前回)

2.フシギな笑顔の不穏な安堵(本エントリー)
(以下仮小見出し)
3.笑顔の深層
4.劣等感の生まれるところ/生みだすもの
5.葵の5モン(煩悶・疑問・注文・悶悶)

2.フシギな笑顔の不穏な安堵

 が部活を辞めた理由について、久美子は直接聞いている。だから、今は部活をやめて勉強を頑張る久美子は応援したいと思っていることだろう。ただ、大学受験に失敗したくないという思いは聞いているものの、そこで踏みとどまっているのが久美子な訳で、つまりは例によって一線を画してそれ以上は踏み込んではいないはずなのだ。だからこそ久美子にとって、あすかの話を振った時に見せたの曖昧な笑顔から受けた衝撃は小さくなかった。なぜなら、それは久美子にとって初めての内面に触れた瞬間だったに違いないからだ。

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