見出し画像

リバプールとロック愛、 からのウェールズまで

リバプールを初めて訪れたのは10年以上前のことだった。
他のジャンルが入る隙間がないくらいこの町はロック一色で、「今もそれ?」というぐらいこの町は懐かしの正統・王道ロックがあちこちでかかっている。

当時の私はキャバーンクラブで毎晩繰り広げられる生演奏を聞きに行っていたのだった。地元の若者バンドからベテラン年寄りバンドのステージまで、
客席から冷やかしが入ったりリクエスト来たり客がステージに上がって歌い出したり大合唱始まったり、吉本新喜劇かここは!ってぐらい
何度も何度もわかりきったお約束ネタをするけれどそれが心地よいように、何度も何度もわかりきった曲を演奏するけど、それがまた心地よい。
大阪に似てるなあと思ったけど港町だから神戸に似てるのかな(マンチェスターが大阪なのかな。距離感もそんな感じ)
こんな下地で育ったなら、そりゃあロック好きになるし、バンド組みたくなるし、ギター弾きたくなるだろう。

楽しくて楽しくて毎晩キャバーンクラブに通いつめていたある時、「きみ、しょっちゅうきてるよね?!」と話しかけてきた初老のおじさんがいて、「ということはあなたも?!」とすっかり仲良くなって、ビートルズがよく溜まっていたという別のバーにも連れて行ってくれたり、その後もビートルズの話などしながら夜のリバプールをてくてく歩きながらいろんな隠れビートルズ名所を案内してくれた。ジョンが壁の内装を手伝ったJacaranda、タイタニックを作ったWhite Star社のパブ。ジョンとシンシアが最初住んでいたアパート、アメリカ遠征したビートルズがリバプールに帰ってきて市民に挨拶したタウンホールのバルコニー、ポールが作ったLIPA(リバプール芸能学校)などなど。

おじさん(名前はマークさん)は見たところジョンかポールと同い年ぐらい。特に何もない地味なイギリスの一地方都市を自分と同い年の青年たちが世界的に有名にしたのはさぞエキサイティングなことだったのでしょう。

マークさんの家族はウェールズ出身で、もしウェールズに行くなら、石造りの古いお城があってとてもきれいだよ、とおすすめをいろいろ描いてくれた。

そしてこのメモを見つけたのが先日。
そしてその数日後にウェールズ行きのチケットを買ってしまっていたのだった。

ウェールズは自然いっぱいで、緑の空気に包まれる感じ、アイルランドとかノーザンアイルランドに似ている。
そして何が書いてあるのか全くわからない、発音も全くわからない。
(ymwelwyrとかなんて読むの??)

左がウェルシュ(ウェールズ語)
ビューマリス城

空港からバスに乗るとき、バスを待っている人にバス代をカードで払えるか聞いたら払えるよ!と答えていたので、バスがきて乗ろうとすると、運転手に現金のみだと言われた。お金を下ろしに降りようとすると、後ろのおじさんが、「いいよいいよ、いくらだい?」と私の分も払ってくれた!
降りるのがおじさんと同じ駅だったので、待っててね!と速攻ATMにおろしに行ったものの、帰って来たらおじさんの姿はなかった。本当に本当にありがとうありがとう…
イギリス人にいろんなところで会うけど、イギリスは物価高いのに、みんなケチケチしてる印象はなく、細かいことは気にせずおごってくれたりする方が多い(もちろん人によるかと思うけど)。やはりシーパワーの国だからか、旅行する人が多い国民性なのか、旅行者に優しい方が多いなという印象です(住むとなると別の話でしょうけど)。あと、目があうとにこっと笑ってくれるのも特徴です。

ウェールズではないけどウェールズに近いイングランドの町、チェスターがとても素敵でした。今回は乗り換えの数時間を過ごしただけなのでもう一度ゆっくり来たい。

チェスター Chester リバプールから40分〜1時間ぐらい。

そしてマークさん、今回の旅行をありがとう。連絡先とか何もわからないけど、今もどうか元気でいらっしゃる事を心より願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?