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ごち旅のススメ~裏神戸B級グルメ編~#おうち旅行

神戸に住んでます!と言うと、よく「オシャレな街でいいねー!素敵なパン屋とかカフェとか多そう」と言われるんですが。

あのね、みなさんが思う『神戸』のイメージって、ハーバーランドと海岸通りと、北野の異人館あたりやんね。

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残念ながら、あれは神戸のごく一部であって、普段の生活圏にはそんなに映えスポットはありません。

よくされる勘違いあるある。
『神戸って、坂が多くて見渡すと海が見えて、お友達と優雅にランチして、そのあといかりスーパーでお買い物して。休日は母子で、なんならお祖母さまと3世代で、大丸さんのカフェラでお茶してはるんやろ?』ってやつ。

そのイメージ、実は芦屋にお住まいの方々の日常やねんな。

日傘をさしたお嬢様は、神戸にはあんま歩いてへんの。
あの方たちは、「~しとう」とか言わへんの。芦屋は公用語が標準語よ。

坂は一部の山側だけで、南西の平地の大半に住むおばちゃんは、通行人をチリンチリン蹴散らしながら、さすべえ付きの自転車で買いもん行くんよ。

神戸人っていうのはね、もっとお品も言葉遣いもわりとまあアレでして、まち自体も、皆さんが思うよりだいぶ下町情緒あふれる…それはそれは素晴らしいとこですねん。

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そんな生粋のシタマチの神戸人であるわたしがおすすめのグルメスポットといえば、神戸を支える台所である、各地の市場。

震災後たくさんの市場がなくなってしもたけど、それでもまだ活気あるところはいくつかあって、神戸の下町文化を彩る大切な場所やから、形を変えたとしても残っててほしいな。

なかでも一番おすすめなのは、やっぱり「イチバと言えばここ!」ってたぶん真っ先に名前があがる、湊川駅近くの東山市場一帯。
ここはいつ来てもほんまに、まさに『神戸の台所』というべき、人情味溢れる市場なんです。

わたしの市場に対する偏愛は強くて、そういえば以前にも書いてました。

この頃はまだ神戸在住とは公にしてなくて、だいぶぼかした書き方をしてますが…ま、写真見れば一発でわかりますわな。(串カツこの頃まだ90円やったんや!)

神戸へ遊びに来てくれる友達に、どっか案内してー!と言われたら、もれなくみんなここへ連れてきたいの、ほんまは。メリケンパークとか、旧居留地とかじゃなくて。

ま、相手は選びますけどね。

そや、ほんならいっちょ、みなさん神戸へ来たつもりで今日は一緒にバーチャルで市場、回りましょか。

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ここに来たらやっぱり、まずは稲田の串カツね。

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のれんの下から足がのぞいてなかったら…

あらラッキー、すぐ入れる。

こんな状況じゃなかったら、普段は大抵お客さんが外まで並んでるけど、それでも大丈夫。みんなサクッと食べてサクッと買い物行くから、意外とすぐ入れるんやで。

ん?椅子がないって?
うん、ここ、立ち食いやからね。

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串は肉も魚も野菜も、とにかく全部100円よ。明瞭会計。
関西人にはお馴染みの、アップルもラムネもあるで。

おっちゃんにプラ皿もらったら、揚がったやつから好きなん取って、ソースのお池にさあ、どぼん。

もちろん二度漬けはあかんねんで。

串の根元までしっかり沈めてソースでひたひたにしたら、お皿の上でハフハフ、モグモグ。足元にはちゃんと段ボール敷いてあるし、ポタポタ垂れたってかまへん、かまへん。

食べてる間にどんどん揚がってくるから、遠慮なく揚げたてから取ってええねんで。お店のおっちゃんもお姉さんも、揚がったやつ前に置いてくれるから。食べたいのが遠くて届かんかったら、あれ取ってー!って言うたらええしな。

懐かしのアップルとか、一緒にここで飲むんもええねんけど、できたらそこはぐっと我慢して、食べたい串ひと通り食べつくしたら。

そやねん。次!次!!

店出て5歩!で、すぐここ。鼻知場商店。

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このビジュアルですよ。レトロが過ぎる!

シャリシャリの氷が入ったレモン水は、薄あまずっぱ味がたまらんで。
おとなもこどもも大好きなやつ。

冷やしあめは生姜が効いててあまーくて、不思議と元気が出る味。

どっちもついゴクゴク飲んじゃって頭キーンってなるから要注意。

どっちにしよー?って??
けちくさいこと言わんとどっちも飲みなはれ。

そう、ここはいまだに一杯50円。ウソやろ。

今ごろプラスチックフリーとか、あんたら何周回って追いついたん?っていう、エコ要素しかないガラスのコップで。
串カツの油とソースでコテコテになったのどをスッキリ洗い流すの。
グイっと飲んだらチャージ完了。

このハシゴは神戸人ならたぶん一度はやったこと、あるある。
1000円持ってったって、全部使いきること、まあないから。

もう、買いもんせんでもええから、とにかくここだけは寄っといてほしい。

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それからいよいよ商店街を散策。

右も左も、気になるありとあらゆるものがいっぱいで。


「お姉さん、これどう?」

「今日はこれがおすすめやで!いっといてんかー。」


歩いてたらどんどんお声かかるし、同じもんあっちにもこっちにもあるしで、そのうちもうどこ見ていいかわからんようなるよ。


いまだに店先ですり身を練りながらその場でつくってる練り物屋のおっちゃんは、いっつも愛想よく揚げたてを入れてくれる。

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魚屋は通りに何軒もあるから、みんなしのぎを削ってて、それぞれに熟練の掛け声がもうめっちゃおもろいし。

老舗のお豆腐屋さんなんかもあちらこちらに。同じもんを別の店で、ちょっとずつ買って、食べ比べて好みの味を見つけるのも楽しいよね。

あ、お肉屋さんと鶏屋さんはそれぞれ別やからね。

関西では肉言うたら牛肉やし、鶏屋さんは鶏肉しか置いてへんの。
スーパーでは売ってない珍しい部位なんかもちゃあんとあるから素敵。

魚屋さんが炊いた自家製のアラ炊きとか、鶏屋さんの焼き鳥とか、手づくりのおかずはどれも大抵ウマいから、迷ったら「今日は何がええのん?」って聞いて、おすすめされたもんを買うのが間違いないよ。

下町のおばちゃんは、揚げもんなんて家でせえへんの。
お肉屋さんで揚げてくれるコロッケやミンチカツのが断然美味しいからね。

そうそう、あの串カツかって、揚げてもらったやつ持って帰れるんよ。

買いもんする前にちょっとつまんで、ついでに家族の分も注文しといて「ほな揚げといて。帰りに寄るわな」っていうのが通のおばちゃんのやり口よ。

さっき食べたのに知らーん顔して、また家でも同じやつ食べるのん。

たぶんね。知らんけど。

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あー、歩いてたらまたのど乾いてきたわ。
そやんね、わかるわかる。ちょっとひと息入れよか。

ほな、ここで。

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つやつやの中華ポテトも気になる、マルカジュースさん。(これ書くのにググッてみて、名前初めて知ったよ。)

やっぱり入れもんがナチュラルにエコ。

下町育ちのわたしは、昔から買いもん来たらミックスジュースっていう文化が身体に染み付いてるもんで、これ見たら飲まずにおれません。

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食べて、歩いて、飲んで、歩いて。

ひととおり歩いたら両手は戦利品でいっぱい。

食いしんぼさんはもう無数にビニール小袋が増えてまうから、でっかいエコバッグ持ってくのが正解よ。
なんなら保冷バッグね。
冷たいもんと熱いもん、両方入れれるように2ついるわ。

地元のおばあちゃんたちは、疲れたら座って休めるように、椅子付きカートで買いもんに来るんよ。そのへんで座って井戸端会議。

ええよね、下町って、ほんま。


そやね、世間はいろいろあるし、大変やけど。
市場は今日も元気にやってます。

だってここは神戸の台所。
地元民の心の拠りどころなんやから。

元気でやってもらわな困ります。

市場のおっちゃん、おばちゃん、今日も開けててくれてありがとう。
こんなことしかできんけど、ちょっとでも応援さしてな。

おっちゃんやおばちゃんらが、これから先も「ここで元気にやっとうで」って言えるように、わたしなりに応援しとうからね。

できるひとは、スーパーやなしに、ここで買いもんしてほしいな。

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さあ、これを読んでくれたあなた。


いつか神戸に来たら、市場寄ってってな。
場所とかわからんかったらいつでも言うて。案内するし。
来れるのん、遠い未来になるかもしれんけど。

それでも、神戸にはこんなええとこがあるってこと、頭の片隅のどっかで覚えといてな。

ずっと、ずうっと、待っとうでー。


わたしの大好きなまち、神戸はほんまに、ええとこやで。

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遅ればせながら、ようやくこの企画に乗っかれました。

おうち旅行、すっごくいいアイデアだと思います。

えみさん、素敵な企画をありがとう!

あきらとさん、こっちもやっと書けたよー!お待たせ!!


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