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紅葉狩りライド by サイクリング部

 私が参加したのは夏に臼杵石仏の蓮の花ライド以来、今日は3名、この顔合わせは超久しぶりだ。集合場所はローソン上戸次店、それぞれが自宅から10数キロ走って来る。今日は春を思わせる暖かさ。他にもバイカーたちのツーリングの集合場所としても賑わっていた。お蔭でトイレもレジも行列だ。こっちも準備が整ったところで9時半のスタート。目的地は野津町の普現寺だ。さあ紅葉の頃合いはどんなだろう。

 揃ったところで出発、10号線を筒井の交差点まで南下して、交通量が少なく風光明媚な25号臼杵上戸次線に入って、アップダウンを楽しむことにした。ゴルフ場をバイパスする赤い鉄橋をゴルフカートが通過するのを見上げて、「歩こうよ」とつぶやきながら登る。吉野梅園を通過してアップアップダウンと気持ちよく漕いで、637号吉野原犬飼線に乗り換えて、またアップアップするうちに再び10号線、ほんの少し走ると見上げるような激坂の普現寺入り口に到着。ここまでの走行距離30キロくらいか。

 さすがここからは自転車を押し上げる。見えて来た見えて来た、なかなか鮮やかな紅葉だ。登るほどに迫って来る。まずは記念のショットを撮ってから、適当な駐輪スペース探していると、紅葉の赤やイチョウの黄に混じって、桜色を湛えた木が一つ、どこから観察しても桜だけど、こんな時期に桜はないだろうと思って、足元に立札があり「10月桜」と書いてある。なんだか得したような気になってしまう。境内に進むと、スケッチ大会だろうか、大人も子供もあちこちでスケッチをしている。リアル紅葉もスケッチ紅葉も出来栄えが凸凹で楽しい素晴らしい。足元には落ちて踏みしだかれ匂い立つ銀杏と、絨毯のような紅葉たち、口々に来て良かったと目的地選定の私を誉めてくれる。

 4連休中はごとり飯に赤飯、からあげに饅頭、蒸しパン、クッキーにチーズケーキからお茶に珈琲、ゆずなど販売しているそうだ。紅葉舞うテーブルで腹ごしらえ、積もる話に時間も忘れそうになる。帰りは急な坂をつんのめりそうにして下る。折角だから往きとは違うコースで帰ることにした。

 午後になり気温は更に上がる。明日から寒波らしい。最高のライド日和だと改めて確認し合う。10号線を走って犬飼で大野川を渡り、豊肥本線に沿って進む。犬飼商店街を走っていると、視界の端っこに何か気になるオブジェが飛び込んで来た。急停車して後戻ると、ふくろうの焼き物が置かれている。ふくろうコレクターとしては見逃せない。仲間も何があったのか寄って来る。オブジェが飾られていたのは、「仲町製菓」というお菓子屋さん、おかみさんが出て来て、お茶でもどうぞということで、菓子を買い込んで、外テーブルでお茶に里芋の煮つけにハヤトウリの酒粕付けまで頂きながら、ふくろうの話から自転車事故の話、ピアスの話にオキナワスズメウリの話まで楽しいオモテナシを頂いた。

 さあ、ここからはラストスパートだ。沿線に流れる秋景色を楽しみながら進んで行くと。またまた気になる出会いに出会ってしまった。車イスマラソンは終わったけれど、それじゃあない。このお二人は旅人だ。確かめようと部長が前の人に接近、私は後ろの人に接近、どとらも日本人じゃない。例によって片言過ぎる英語で聞けば、カナダから3か月滞在で日本をこいつで回っているとのこと。こいつというのが見たこともないような乗り物、電動のリカンべントトライクと呼ぶ3輪車だ。70歳のご夫妻で。四国を廻って、九州は大分に上陸して、これから阿蘇を抜けて長崎、沖縄に向かうとのこと。凄い凄い。すれ違う言葉ながら、なんとか気持ちはすれ違わずにお互いの安全と健康を伝えあってお別れした。名刺を頂いた。日本語で「三輪車で日本一周」と書いてあった。Barry and Mary Ellenn Bartlettご夫妻に完敗だけど、乾杯だ。

 そんな面白過ぎる出会いが相次いだ紅葉狩りライド。走行距離57キロ。これだからサイクリングは止められない。20231123

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