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論点をすりかえてくる人

「わら人形論法」
相手の主張を歪めて解釈し、その主張に対して攻撃を行う。「わら人形」とは、攻撃しやすい架空の主張のことである。 
代表例として、「誰かの発言の一部が切り取られて拡散され、その『切り取られた情報』だけを見た人が発言の意図を曲解し批判する」というものがある。

これはSNS等で非常によく見かける例であると思う。気づかないうちに相手の主張を自分の中で歪めて解釈してしまっていないか、一部を知っただけで全てを理解した気になっていないか、注意が必要なところだ。


「お前だって論法」
自分の落ち度を指摘された時に論点をそらす方法。人格攻撃にもつながっている。確かに今自分には落ち度があると分かっているにも関わらず、「お前だって過去には〜〜していたじゃん」と相手を責めることによって自分の落ち度を認めようとしない。相手の過去に同じ落ち度があったたとしても、今自分の行動を正当化する理由にはならない。

子供の時にすぐ「〇〇ちゃんだってやってたじゃん、なんで私だけ怒られるの」と言う人がクラスに1人くらいいなかっただろうか?あの子がやっていたからといって自分がそれをやっていい理由にならない。
これを大人になっても言っている人がいると思うとある意味恐ろしい。


「トーンポリシング」
主張する際の口調などを注意する(=話し方にケチをつける)ことで、主張の中身から論点をすり替えるために使われる。「主張の中身は妥当か」という論点が「主張の方法は適切か」という論点にすりかわる。

これはあまり経験したことがないが、善意で行われる場合もあるらしい。相手の口調を注意するならやっぱり相手との信頼関係が必要な気がする。感情的に訴えた方が届く主張もあるとは思う。


「権威に訴える論証」
権威はその人の主張の信頼性に対する直接的な根拠にはならないのに、ある主張の正しさの理由を権威に頼ってしまう。論点が「その人の主張の正しさ」から「その人がいかに優れた人か」という点にすりかわることがある。権威があるからといってその人の成果が正しいとは限らない。

人間は根拠が曖昧でも権威ある人の言葉は受け入れやすい。だからこそ気づかないうちに論点がすりかえられていることもあるのかもしれない。また、無意識に「この有名で偉大な功績を残している教授が言うんだから本当なんじゃないかな」と、"権威"に隷属しているのかもしれない。


「ご飯論法」
発言時代に嘘が含まれているわけではないが、元々の質問をはぐらかすような受け答えのこと。相手の追及をかわすべく質問の意図を曲解する。嘘も言わないけど質問の本質にも触れない。相手の質問に正面から向き合っていないという点では不誠実。

この言葉は有名らしいが初めて聞いた。「ご飯論法」のようなものを見聞したことはあるが。これは最近の政治家も使っている論法では.....?と考えてしまう。



「自分が論点をすりかえないようにすること」と、
「相手に論点をすりかえられていないか考えること」の2つを
意識していきたいところだ。




参考:Newton 2021年 1月号

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