仕事は中学生でもわかるように説明する
4月は異動の季節です。
新入職員が来たり、異動で新しい人が来たりして、人にものごとを教えることが増えてきた人が多いと思います。
私はよく、「教え方が上手い」「説明が上手い」などと言われるのですが、
そんな私がどういうことを気を付けているのかをまとめて言語化してみます。
教えるときに気を付けていること6選
①まずは自分が理解をする
言語化するというのは、自分が仕事を理解して、かみ砕いて説明するものです。
そのため、まずは自分が理解していないと、
きちんと踏み込んだ説明ができないし、順序だてた説明ができません。
質問されたときに、「分からないけどそうなっている」と答えるようでは、
それはその先にはつながりません。
②難しい言葉を使わない
まずはこれにつきます。
覚えることがいっぱいある中で、自分の中にない言葉を使いすぎると、
「その言葉を覚える」→「その言葉の意味を理解する」→「その言葉を含めた言われていることを理解する」
という過程が発生してしまいます。
その人の知っている、理解している、使える言葉のみで説明する、
ということを心がけています。
例えば、コリアンダーやターメリック、ガラムマサラなどの固有名詞を連発するのではなく、
スパイスを使います、具体的には~、
という順番だと、いきなり知らない言葉に襲われて脳が停止することは少なくなります。
③フレームワークを教える
なぜその仕事をしているのか、なぜその動作が必要なのか、
ということを体系立てて教えることが大切です。
そのためには、全体の仕事の目的、そのためにどういうことをすればいいか、そのために今何をしようとしているのか、
ということは少なくとも説明しないと、仕事の「本質」が理解できません。
例えば、ニンジンを皮むきして切る、ということを教えた時に、
どの程度皮をむくのか、どんな切り方をするのか、というイメージ図がないと、思ってもみない方向に進んでしまいます。
完成した状態を見せる、最初は実際にやってみて例を示してあげる、
という行動が必要です。
④具体的な例を教える
なんでこの仕事をしているのか、ということを考えるには、
その理由を深堀することが必要です。
そのためには、具体的な例を合わせて説明することで、相手の理解も一段と深まります。
例えば、なんで野菜はこの順番に鍋に入れるのか、ということは、1つ1つ教えるのではなく、
「火の通りを均一にするために、火の通りにくい物から加熱する」
という理由があるわけです。
その理由を説明せずに、「お肉をいれて、じゃがいもやニンジンを入れて、次に~」とやっていると、
じゃあそれ以外のものが出てきた時にどうするのか、という課題に直面した時に対応できなくなります。
⑤教え方に正解なんてない
最後はこれにつきます。
自分が正しい、相手にとってわかりやすい、と思って教えていても、
それが相手にとって分かりやすいものかは分かりません。
自分はこういう理解をしているから、こう説明したら伝わるだろう、と思っていても、
それは自分が今までの人生で積み重ねてきた経験によるものも大きく、
同じものを相手が持っているとも限りません。
相手が理解できない教え方は、意味のない教え方です。
逆に言えば、相手が理解できれば、どのような教え方でも大丈夫です。
教えてみて、伝わってなさそうなら、手を変え品を変え、
いろんな方法で教えてみて、本人が理解できるようにしてあげる、
というのが教育だと思います。
⑥長い目で見てあげる
教えようとすると、
「最初に1~10まで説明したから、あとはもう完璧にできるだろう」と勘違いしてしまう人が多いですが、
そんなことができたら、全員テストは満点取り続けていないとおかしいです。
説明したことは忘れるかもしれないし、覚えたことが間違っているかもしれません。
またそれが効率のいいやり方でないかもしれません。
例えば、皮むきでピーラーを使えば楽なのに、その人はピーラーを知らないかもしれません。
あるいは切った後に一つ一つ皮むきしてしまうかもしれません。
それを頭ごなしに否定するのではなく、
一度それでやらせてみて、大変だと分かったうえで、
こんないい方法があるんだよ、ということを徐々に教えていけば済む話です。
人材育成は長い目で見ていかないといけないので、ゆっくりじっくりやりましょう。
中学生でもわかるように説明する
具体的に言語化してみましたが、心がけていることは、
社会人の仕事の内容であっても、中学生でも分かるように説明する、
ということです。
自分の説明は、相手が中学生だったとしても理解できるのか?
ということを考えながら、
自分の仕事について理解し、相手に伝えていけるように、考えて仕事しましょう。
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