職員M

普段から思考すること、それをまとめることが大好きな人間です

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最近の記事

お祭りの時間です(参戦宣言?否!宣戦布告!!)

やぁやぁ皆様方、おはようございますこんにちはこんばんは。 職員Mはお仕事とスプラトゥーン3のフェスで大忙しの日を送っておりました。 そんな忙しい中投稿したのがこちら。 大ニュースやないかいやったるぞ次こそぉ!!!なんやかんや言ってて小説で戦う主催は初めてなので、めちゃくちゃ緊張していますが、こんなもん次のヒヨコロをいつまでも待っててもしょうがないし、やりたい方がいれば(テーマとタイミング次第では)参加してますとも!!!! (でも、やるからには勝ちたい……!!) 職員Mは、

    • 終戦

      「お世話になりました」  今日を以て、俺はこの戦場から姿を消す。戦いは終わったのだ。この日を待ち望んでいたはずなのに、どこか現実味がない。本当に終わったのだろうか? 「貴職は潰れ掛けたこの部署を1から、いや0から建て直し、従業員の定着率向上に寄与した。その貢献は計り知れないものであり、我が社の永遠の資産となるだろう。感謝する」 そう言って、賞状を渡すと共に社長が頭を下げる。俺もそれに倣い、黙って頭を下げた。社長室にある古い資料が放つ独特の匂いが俺を包んでいた。 思えば

      • 届ける

        「オーダー入りました!」 ズン、と響き渡るような振動を俺たちは確かに感じ取った。それこそが間違いなく注文が入った合図だった。 先の声が聞こえるか否かというタイミングで、全部署の全人員で空缶を設備に取り付ける。『ガチャリ』と音を立てて、ジェットコースターの頂点であるかのような発射台に巨大な缶を横向きにセットした。 「今は俺たちが勝つ時だぞ! 絶対に美味い物を作れ!」 俺は部下たちに声を荒げる。ややあってから応という響きが返ってきたことに満足しつつ、横のメーターを見る。

        • 非常ボタン

          駅の便所で立ちながら用を足していたその時、突如として『クラリ』と視界が揺れる。何事かと思う間もなく鼓膜に響くかのように鼓動が鳴り響き、用を足していた便器に手をつく。 なされるがまま噴出される吐瀉物。視界には赤いものも映りながら未だに起こったことの意味理解に努めていると、あるものがくっきりと目に入った。 非常ボタン 果たして、これは"非常"だろうか。────無論、自明である。普段から目にする日常である。最前線に居る人間として。 はたまたごくありふれた日常の光景なのではなか

        お祭りの時間です(参戦宣言?否!宣戦布告!!)

          Get Down

          いつも通りに出勤する。ロッカーは他には誰もいない、俺だけの静謐な空間だ。 作業着に着替える。この時期特有の寒さに一瞬身震いするも、直ぐに冬用作業着の温もりに包まれた。 「おはようございます」 先に休憩室で朝飯を食う先輩に挨拶する。 軽く雑談をしつつ偽物の珈琲と本物の水を自販機で購入し、自身のデスクへと向かう。 これが俺のルーティンだった。昨日までは。 8時44分。45分からラジオ体操の時間だ。 現場への階段を降りる。安全靴を履く。正にいつも通り、いつものように仕事が始

          挧槞墸《何時も》 蟐閠袮《彼方に思いを馳せたとて》 暃壥椦《器なきこと》 妛駲彁《虚しける哉》

          【小説】創世記(現代版)

          はじめに神は天と地とを創造された。 地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。 神は 「イェヒー・オール(光あれ)」 と言われた。するとダイソーの店員が言われた。 「そこに無ければ無いですね」 故に、光は無かった。

          【小説】創世記(現代版)

          【小説】田町クリーンキャンペーン

          「クリーンキャンペーンにご参加の町内の皆様! お忙しい中ようこそお越しくださいました! 本日はどうぞよろしくお願いします!」 初参加となる私はげんなりな表情を発言者こと町長に向けた。誰が喜んで貴重なお休みを自治体のイベントに費やすというのだろうか。まだ寝れる時間だし帰ったら子供の相手もしなくてはいけない。まったく嫌になる。 「カウントダウンいきますよー? 3.2.1...! スタート!」 クリーンキャンペーンというものはその地区のゴミを拾い、ゴミステーションに積み上げて

          【小説】田町クリーンキャンペーン

          【小説】音速世界

          六甲山を大きく削り取った滑走路。直上というよりはある程度角度を付けた発射台を眼前に据えながら、管制塔からの命令を受けて俺が乗るジェットのターボエンジンに点火される。 凄まじい轟音と共に地震のような揺れが衝撃波となって周囲に広がり行く。 俺の視界の端には『第参拾弍次射出実験』の文言が踊る書類が映った。 「......やった」 音速を超えた世界で、ようやく俺は一息つくことができた。 やっと、やっとあの呪縛から解かれる日が来たのだ。俺は静かな歓喜を珈琲と共に嚥下する。 ■■■

          【小説】音速世界

          【小説】新快速ラット最終レース

          何故人はワールドカップやJリーグ、高校及びプロ野球、ボクシング世界大会、あるいはeスポーツの決勝戦に興奮するのだろうか。 それはそこに"人の本気"を見るからである、と筆者は推測する。 常に本気で生きることは難しい。いつ何時も本気で生きるからこそ人生が豊かになる、などと謳う自己啓発本には心底辟易させられる。そんなに本気で生き過ぎていたら、寿命が来る前に事切れてしまうと筆者は思う。 スポーツ選手がその試合で本気を出さなければファンから見抜かれるし、案の定叩かれる。やはり人はス

          【小説】新快速ラット最終レース

          【小説】新成人産業(株)

          散歩道を歩いていると、行き違う人々が綺羅びやかな衣装に身に纏っている。或いは細身のスーツに身を包み、染められた髪色と黒が混ざり合って一種のオーケストラを奏でる男集団が私とすれ違った。 今年もこの日がきたか。 今日は特別思い入れのある日だった。生産元にインタビュー出来る代えがたい機会を得られたのだ。しかも取材先は私の自宅近くだった。 「新成人の皆様、ご成人おめでとうございます。ご両親様のお喜びもひとしおの事と存じます」 下らない定型文だ。 可憐な、或いは勇ましいような姿

          【小説】新成人産業(株)

          職員M氏入賞祝杯(セルフビールかけ・反省)会場

          読者諸賢、このツイートを見よ。 いや見てください。 【祝】職員M、2回連続入賞!やったったでぇ!(2回目) 今回は入賞でも順位を上げられたのが嬉しいです(前回8位)。 そんな入賞作品がこちら! 関西じ(か)ん https://ncode.syosetu.com/n8586hz/ なるほど!こっちか!! そして惜しくも入賞圏外になった自信作はこちら(残念賞)(涙の味が混じるビールが美味) めぐる https://ncode.syosetu.com/n5981hz/

          職員M氏入賞祝杯(セルフビールかけ・反省)会場

          【小説】三十路 meats God(ある神との対話)

          「誕生日おめでとう。今日で君は30歳だ」 1月6日を迎えた瞬間に、ベッドで寝ていた俺は光に包まれて強制的に目覚めさせられ、あまつさえ見ないようにしていた現実を突きつけてくるその声に、俺は強い遺憾の意を示した。具体的には眉に皺を寄せた。 「30だ。三十路だ。中年まであと」 「うるせぇ!」 俺は一喝した。神だろうが超常的な存在だろうが、人の年齢をイジる奴に遠慮なんてするものか。 「そもそも何のために起こしやがった! 非常識な!」 「その歳で彼女の一人もいないお前に警鐘を鳴

          【小説】三十路 meats God(ある神との対話)

          【小説】温泉めぐり

          温泉街に旅行にやってきた。柳の木と川のせせらぎからは湯上がりの涼しさを感じられる。 既にそんなワクワクを胸にバス降り場から最も近場の湯に入ろうとしていた。 『箪笥にぶつけた小指の治癒に効能があります』 些か変わった効能だったが、温泉自体はやや熱めの温度で入浴後は肌もツルツルになり、冷えた牛乳がよく合っていた。 気分を上げる為に浴衣もレンタルし、次の湯へ向かう。 『小浴場から見られる100万ドル(2023年現在)の景色』 タイトルに惹かれるまま入ると、湯船に浸かった

          【小説】温泉めぐり

          職員M氏,新年のご挨拶

          2023年、明けましておめでとうございます。 昨年の終わりの方に始めたnoteですが、今年はこちらも小説を中心にしっかり更新していきたいと思います。 そんな職員Mの今年の目標を定めました。 ・長編(イロジカル・ゲーム)を終わらせる →2017年から書き始めたオリジナルの長編です。よろしければご一読を。 まだまだ物書きとして幼稚さが残るものになりますが、今年こそは完結を目指して更新を頑張ります。 ・短編を300本書く →やっちまった目標その1。平均してひと月に25本書か

          職員M氏,新年のご挨拶

          【小説】重要かつ緊急なる会議

          つまみをどうするか。 超高級クラフトビールを眼前に、我々の会議は長い沈黙から開始した。 「フルーティな味わいを活かすには、塩辛いものが適切かと」 「同感ですな。生ハムなどは如何です?」 「塩辛いと言っても生ハムとアンチョビではテイストが異なる。生ハムは貴職のワインにでも合わせるがよろしい」 「ではこの超高級クラフトビールを、まさか塩茹で枝豆なんぞで召し上がるおつもりですかな? 野球観戦でもあるまいに」 開戦が切られればそこからは己の信条。宗教戦争とも形容すべき地獄がそこ

          【小説】重要かつ緊急なる会議