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はい、私がラーメンを好きになるまで30年かかりましたよ。


私は昔、ひそかにラーメンが嫌いだった。

17歳、高校の修学旅行は北海道だった。夜ご飯の話になり、誰かが『やっぱり、北海道といえばラーメン!!!ラーメン食べに行こ!!』と言った。その場は最高に盛り上がり、満場一致でラーメンを食べにいくことになった。そこでラーメン嫌いを宣告するKY〔空気読めない〕にはなれなかった。

でも、私には秘策があった。ラーメン屋さんは炒飯という逃げ道がある。
いざとなれば炒飯がある!とJK特有の浅はかな考えで、北海道のラーメン屋さんに行った。

メニューを見て驚愕した。ラーメンしかない。

逃げ道はどこにもなかった。

でもラーメンは普通に食べれた。
理由はわからなかったが、初めてラーメンを食べ終えたことに感動した。

それから、地元に戻ってもう一回ラーメンに挑戦したけど、不味くて一口しか食べられなかった。意味がわからなかった。

18歳、大学上京を機に、これからはラーメンが嫌いなことを公言して生きていこうと決意した。

19歳、彼氏にラーメン嫌いをカミングアウトしたら、『深夜に一緒にラーメン食べに行きたかったのに。ラーメン嫌いとか人生半分損してる』と哀れみの目を向けられた。「その店炒飯ある?私炒飯好きだからラーメン屋には行けるよ!!」と言ったけれど、『そういう話じゃないから・・・』と呆れられた。

20歳、突然彼に振られた。
私の嫌いなとこあった?と聞くと、『一緒にラーメン食べにいけなくて悲しかったから』と言われた。だから、炒飯・・・の話を言いそうになったけど、ああごめんなさいというしかなかった。彼がまだ好きだったので、ラーメン食べられなくて人生の半分損するって本当なんだなと思った。

29歳、京都でお坊さんと合コンをした。二次会にみんなでラーメンを食べることになった。渋々ラーメン屋に行ったのたが、ここでは普通に食べる事ができた。

30歳、地元に帰ってラーメン屋の前を歩くとやっぱり気分が悪い。その時である。ようやくこれがとんこつ特有の匂いであることに気付いた。え、まって、、大分ってラーメンとんこつしかないんやん!!!!


かつて九州でラーメンといえばとんこつ一択だった。ラーメン王国における鎖国の影響を受け、私はラーメンの全てがとんこつだと勝手に思い込んでいたのだ。でもそうじゃなかった。世の中にはたくさんのラーメンが存在していたのである!!!

それからというもの、味噌ラーメンや醤油ラーメンの美味しさに気づき今ではラーメン屋さんに一人で行くほどのラーメン好きに成長しましたとさ。今でもラーメン啜れないけどね。






かつて私を振った彼に告ぐ。

ごめん、私、ラーメン普通に好きだったから一緒にラーメン食べに行けたわ。

でもね、お前が後輩と浮気してたこと、私が知らないままで人生終えると思った?
来世は豚骨になる呪いをかけてやる。あーめん。





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