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【海外ワーケーション・参加者】寿司職人・梅ちゃんインタビュー


本記事は、新しい働き方LAB(あたらぼ)の研究員3期生として参加されている、ノダミヤコさんの自主企画「あたらぼの海外ワーケーション・参加者インタビュー」に賛同し作成したものです。
新しい働き方LABは、研究メンバーと一緒にプロジェクトを企画したり自主企画の研究で意識を高めていったりするコミュニティです。

新しい働き方LAB - Lancers


新しい働き方LABでの研究は、メンバーと一緒に指定された企画を行うものと、メンバーが自主的に研究を行う自主企画の2つです。指定企画の中に「海外ワーケーション」があり、メンバーは精力的に海外ワーケーションを実行。2023年6から12月の半年間で半数以上のメンバーが海外渡航済みです。


今回は、2023年11月19日から21日にタイのチェンマイ、21日から23日までタイのバンコクへ渡航された「梅ちゃん」へインタビューしました。

梅ちゃんは、イラストレーターやプロダクトデザイナーを10年以上、有名な日本料理店で10年の和食職人として経験を経て2023年から寿司職人の道へ進まれています!「いまま良いことしかなかったから、これからの人生も楽しくて良いことしかない!!」と、どこまでもポジティブ。

今回は、海外ワーケーションに応募するきっかけやタイでの滞在の様子、今後の展望などを伺いました。

イラストレーター・プロダクトデザイナーから和食料理人へ

イラストレーター・プロダクトデザイナーとしてキャリアを積んでいる折に、和食料理人へと転職するきっかけとなる出来事が起きます。

それが2011年3月11日に発生した『東日本大震災』です。

東北に甚大な被害をもたらしたのはいうまでもありませんが、首都圏を中心として余震や停電が続きインフラや経済に大きな影響をあたえました。

「東日本大震災の影響で、会社の電力がストップして仕事ができない状態が長期間続きました。そのときにPCや電力に頼るのではなく、自分の体があればできる仕事。日本のみならず世界でも勝負できる仕事は『和食料理人』だと思ったんです」と話してくれました。

すぐに会社を退職し調理師学校へと入学、卒業後は『東京會舘』の和食調理で10年の経験を積むこととなるのです。

国内ワーケーションが楽しかったので海外ワーケーションに応募

梅ちゃんは新しい働き方LABに2期(2022年)から参加しています。昨年は指定企画「LivingAnywhere Commons(LAC)」のメンバーでした。

LivingAnywhere Commonsは「好きな時に、好きな場所で働き、暮らす
コミュニティ型多拠点コリビング」として、2023年4月現在、全国に約50拠点のオリジナル/パートナー拠点を構えています。
今回はその拠点を使用しながら旅をしていただき、そのなかで出会う人との関わりによってご自身の働き方がどう変化するか?を実験していただきます。

引用:新しい働き方LAB - Lancers

加齢で毎日のハードワークがしんどくなったため、10年務めていた職場を退職。
晴れてフリーランスのデザイナーへ。仕事をしながら全国各地を旅できたらなと思っていたところ、LACの募集を目にして2期研究員に応募し合格します。

2022年6月から12月の半年にわたり、全国各地の拠点を巡る旅に出たそうです。

webサイト作成とイラスト作成を中心としたデザイン全般・ときどき出張料理人、LAC拠点へ移動するための交通費がないときは単発日払いバイト

引用:梅ちゃんのnote

LACを利用した半年はドキドキ・ワクワクの連続。今まで行ったことがない場所で、多くの人や物に触れていると「本当に自分のしたいこと」が見えてきたといいます。

さまざまな価値観があり、いかに自分が狭い視野だったのかを痛感したそうです。その経験が梅ちゃんの在り方を変えることとなったのです。
2期での経験を活かすべく、2023年のあたらぼ3期の『海外ワーケーション企画』に応募します。

「国内ワーケションが楽しかったので、次は海外にしたらもっと楽しかろうと妄想し参加しました」と、梅ちゃん。

梅ちゃんの海外ワーケーションのテーマは『食』です。

10年和食料理人として仕事をしていると食に対する思いが溢れてきます。「つらいとき、しんどいときに美味しい食事をすれば、みんな笑顔になれる。"料理は人を救える。いつでもどこでも、自分も周りの人も幸せにできるようになるに違いないと"思う」一部引用:梅ちゃんのnote

人が生きるためには他の生物の生命を奪って生きている、毎回の食事に感謝して食べようと思わされました。

寿司職人へ転職

梅ちゃんは、海外ワーケーションをしながら仕事をするのなら…と思案します。

海外で人気があって儲けられるのは『寿司屋』だ!と思いつき、寿司職人の教室へ3カ月通い卒業。

その後、海外で仕事をする前に寿司屋での実地オペレーションを学ぶため、麻布十番の『鮓ぱんち - 麻布十番』で仕事を始めます。

海外ワーケーションのためにフィジーへ短期語学留学

今回の海外ワーケーション参加にあたり、語学力を磨くべく2023年7月21日から8月1日までフィジーに語学留学。

フィジー留学では、フィジーのマダムたちに和食を教え、反対にフィジー料理を習う機会に恵まれます。

お互いに料理を教え合って堪能する楽しいひとときだったそうです。

フィジーでは学校での勉強とホストファミリーと過ごすことで1日中、英語漬けになります。

梅ちゃん曰く「フィジーは全く日本語が通じないため、英語が全くできない状態だと留学生活は苦労するでしょう」

語学留学前に、最低限の中学英語を復習しておくと良さそうです。

象使いの国家資格の取得ではなく、象の保護活動を見学することに

当初タイでの計画は『象使いの国家資格』を取り、海外ワーケーションのサブPMであるアヤトレイさんと会って料理教室に参加する予定にしていたそうです。

しかし、タイへの渡航費捻出のために出張料理人の仕事を入れたことにより思わぬ縁が。

その出張先の方つながりでタイ在住の方に、おすすめの観光地や象使いの国家資格が取れる場所を聞いたそうです。

すると、その知り合いの方に「象使いの資格は動物虐待にあたるから良くない。資格取得ではなく象の保護活動をしている『Elephant Nature Park』というところで、活動の様子を見ていかない?」といわれます。

その方の話によると、現在では北タイ地域の8割ほどが象乗りをしないキャンプだそうです。

こうして、梅ちゃんはチェンマイの郊外にある『Elephant Nature Park』で保護活動を見学することにします。

こうして2023年11月19日から23日まで海外ワーケーションの地、タイへ。

Elephant Nature Parkで過ごす1日

Elephant Nature Parkにて(画像提供:梅ちゃん)

まずは、11月19日から21日までチェンマイにある『Elephant Nature Park』を訪問します。Elephant Nature Parkは象の保護活動をしているレック・チャイラート・サンドゥアンさんが1995年に設立。

広さ100haほどの公園内には、100頭あまりの傷ついた象、牛や犬など1,000匹ほどの動物が保護され野生に近い暮らしをしています。ときにはお金を払い、怪我や虐待などで傷ついた象や動物を保護するそうです。

世界からボランティア目的や保護活動の様子を見学したいと多くの人が訪れます。大半が観光見学の目的で、ボランティア参加は2割くらいだそうです。観光見学の代金が保護活動費として使用されます。

梅ちゃんは宿泊チームに参加。宿泊チームは朝の9時頃から公園へ、そのまま1泊して翌日の午後3時頃まで滞在するプランです。

宿泊チームはガイドさんがついて公園内を歩きながら、それぞれの象が助けられた経緯や象の生態などを解説してくれます。

宿泊するメンバーは「濃い」方々の集まり。いろいろな話で盛り上がり、お友達が増えていきます。

梅ちゃんが仲良くなった4人は前回ボランティア参加で長期間、象のお世話をした仲良しチームだったそうです。

「仲良しチーム4人は、アメリカのテキサスから来てたんですけど、今回はボランティアの時間がないから宿泊チームで参加したとか。前回お世話した象に会いたくなったらしいです。象の保護活動についても熱く語ってくれました」

しかし、ガイドさんの解説も仲良しチーム4人の話も、全て英語のため6割ぐらいしか理解できず悔しい思いをすることに。

その苦い経験と職場で英語を使うこともあり、深夜に帰宅しても毎日1時間以上はアプリで英語の勉強をしています。加えて、再来月にTOEIC900点台を目指し猛勉強中とのことです。

ヘドを吐くほど努力をすれば報われる。努力していれば運が味方をして行きたい道へ進めると。

バンコクでは屋台料理を満喫し料理教室に参加

そしてチェンマイからバンコクへ。11月21日から23日まで滞在します。
滞在中はバンコクの屋台で現地料理を満喫しつつ、海外ワーケーションのサブPMであるアヤトレイさんにお会いしたそうです。

また、バンコクのシーロムで日本人向けの料理教室を主催されている、青澤直子さんの教室に参加します。

ベジタブルマイスターでもある青澤さんは、タイ野菜の図鑑を発行されているほどタイ野菜や料理に精通されています。青澤さんにタイ家庭料理の作り方を5品、タイ独自の香辛料とハーブの使い方を習ったそうです。

この教室は、現地駐在日本人奥様方の交流の場としての役割もあります。海外でなかなか日本人の友達ができないときには、このような教室や場に参加すると交友関係が広がりますね。

『食』は、お国柄や人のあたたかさに触れられる

「みんなで美味しいごはんを囲んで話すと、豊かなコミュニケーションが生まれる。同じ釜の飯をつつくことで腹を割った話ができるなと実感しました」

『食』を通じてお国柄や人のあたたかさに触れることの連続だったそうです。

滞在先で、みんなで食べた鍋、フィジーのマダムたち、タイの屋台で立ち食いしながらの、おばさんやおじさんとの何気ない会話。

タイのホテルで、時間が無く急いでチェックアウトしようとしたときに、ホテルの料理人さんが大急ぎで持たせてくれたお弁当のおいしさ。

「旅と食はきっても切り離せないし、食にはお国柄と現地の人のあたたかい心がこもっています。それをいただくことでしっかりと気持ちを受け止められました」

いかに『食』が人にとって大切か、心を豊かにしてくれるのかを感じさせられます。

人生、楽しくて幸せなことしかおきない!これからは社会福祉に貢献したい!

「いままでの人生、ずっと楽しくて私の幸せはほぼマックスです。これからは他者を幸せにしたい。具体的には食分野での社会福祉に貢献したいと考えています。そのための布石として、農水省の『和食文化継承リーダー』の研修・資格取得、『外国人向け和食講師』の勉強を同時進行しています」

『和食文化継承リーダー研修』は、農水省が2019年より和食の保護・継承をするため、子どもや子育て世代へ積極的に働きかける人材育成を目的に行うプログラムです。


両方の資格を取得し和食文化をもっと広めていきたい、いずれは寿司職人として海外展開してきたい野望があるそうです。

海外ワーケーションで『人間力』を養う

海外ワーケーションに挑戦したい方は、思い切って海外へ行ってほしいといいます。

「情報として見聞きするのと、実際に海外に行って体験するのでは、天と地ほどの差があります。いろんなところに行って、たくさんの人と触れ合ってみてください。そうすると確実に人生が豊かになって、夢や野望の規模も大きくなります。世界中に友達がいると思うと、それだけで楽しくない?」

世界中を旅し、友達を作るには語学力が必須です。Google翻訳やアプリなどでもコミュニケーションできますが、最低限の勉強はしっかりして行ったほうがより楽しめます。

「単一民族国家の日本にいると、日本人と外国人って分けて考えちゃいがち。でも海外に出て自分が『外国人』を体験すると視野が変わります。みんな同じ『人間』であること。しかし、民族や育ち方、宗教の違いで思想が大きく異なります。その『違い』を許容できるようになると、対人関係のキャパがぐーんと大きくなって、嫌なことが減るよ」とアドバイスをいただきました。

海外ワーケーションに迷っているのなら、まずは語学力を磨いてとにかくチャレンジしてみることですね!

特に日本から近くて行きやすく気候がよい、タイがおすすめとのこと。タイの観光地であればだいたい英語が通じるため、初の海外ワーケーションでもチャレンジしやすいです。

どこの国へ行くにせよ、日本と同じ感覚で夜中に女性ひとりでフラフラと出歩かない、スマホをむやみに出さないなど最低限のことに気をつけましょう。

海外ワーケーションで『人間力』を養っていきたいですね。


梅ちゃんの情報


note
:https://note.com/iyasakah/

勤務先:『鮓ぱんち - 麻布十番

お知らせ:海外ワーケーションのKindle本を1冊2,000文字の9章立て、上下巻で出版予定!みなさん読んでね!
※出版されたら、リンク追記します。

観光目的で来年はアイルランドとネパールに行く予定。


インタビュー後紀

深夜までの仕事と勉強でお疲れにもかかわらず、事前に質問リストへ丁寧にご回答いただき感謝。

ほぼご回答いただいていたので、当日は雑談がメインのインタビューとなりました。

まだ個人的に聞いてみたいことがたくさんあります!梅ちゃんは優しくてバイタリティー溢れる素敵な方でした。

TOPの素敵なサムネイル画像は梅ちゃん作成!素敵なサムネイルを作ってくださりありがとうございました。
※梅ちゃん提供以外の写真はフリー素材を使用。


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