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文化の日 マルシェの場に 戸惑うも 新札もどき 悪くないかも

文化の日の祝日に自分の財布を見て焦った。財布にお金が無いのではなく、財布に入っているのは一万円札だけだったのだ。
「今からマルシェに行くのに万札は」と言ってももうここは、地域で一番格式のある寺院の境内で行われるマルシェの前である。

「よ、どうした元気ないぞ」待ち合わせ場所にいた友達が声をかけてきたる。「小銭崩すの忘れて」そう言って頭の後ろに手を置いて戸惑うふりをした。
友達はにこやかな表情で「小銭貸してあげようか、あとで清算しよう」と、助け舟を出してくれる。

というわけで千円札と五円玉を借りたのだが、そのお札が随分と奇麗なのだ。「これって、新札か?」友達は大きくうなづく。
だが新札と聞いて、逆に戸惑った。何しろ印刷したての綺麗なお札だ。
めったにお目に架かれないのに、目の前のマルシェで商品と交換することに躊躇する。

「そんな表情するな。新札に見えるが、違うんだ。それアイロンでしわを伸ばしているだけだから」「え?」
「格式のある寺院のマルシェだから綺麗なお札が良いと思ってさ。でも確かに新札みたいに見えるな」と言って舌を出す友達。

「まるで新説な新札だ」と思ったとき、頭の中に短歌が浮かんだ。

文化の日 マルシェの場に 戸惑うも 新札もどき 悪くないかも
(ぶんかのひ まるしぇのばに とまどうも しんさつもどき わるくないかも)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:新説なピン札)

今日はこちらの記事「文化の日に観心寺でマルシェがある」をモチーフにしています。

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